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癒しのかわいいフカフカ植物
瑠璃色の王冠
夏に輝くルリトウワタ
縁起の良いベビーブルーの花
初夏から秋にかけて爽やかな空色の花を多数咲かせるルリトウワタ。
花の中央に美しく輝く瑠璃色の王冠が魅力的な花です。
ルリトウワタは全体的に柔らかい白い毛に覆われていて、葉はビロードのような柔らかな手触りです。
花のベビーブルーとパステルグリーンの葉や茎のふかふかとしたソフトな手触りが赤ちゃんの服をイメージさせます。
欧米では、ルリトウワタの花の色は男の子のラッキーカラーだとされ、男子の誕生を祝うのに贈られたり、結婚式のブーケなどに使われる縁起の良い花だということです。
蕾は淡い緑から紫のパステルカラーですが、園芸種名もブルースターという素敵な名前を持ち、和名も瑠璃の名前がついているだけあって青系の色が印象的な花です。
実が熟すと、ガガイモのような白くて美しい種髪のついた種子を飛ばす魅力的な植物です。
学名:Oxypetalum coeruleum
Tweedia caerulea
オキシペタラム(鋭い花弁)という名前でも知られています。
※種小名 coerulem は英語の cerulean (セルリアン = 空色)を意味します。
キョウチクトウ科の半耐寒性半つる性の多年草。
癒しのかわいいフカフカ植物 ▶
原産はブラジル南部からウルグアイにかけての熱帯地域だそうで、夏の暑さの中でも元気に美しい花を咲かせます。
花の色は温度にも影響されますが、淡い紫色から淡い空色、濃い空色、ピンク色と、優しい色合いで刻々と変化します。
花の終わる頃には花弁はピンク色、副花冠は濃い紫色になって、この後花冠を落とします。
エレガントな王冠のような形をしているものは副花冠で瑠璃色から空色へと変化して繊細さを増してゆき、アールヌーボーのガラス細工みたいで綺麗です。
瑠璃色の冠の中央で白く輝く突起物は蕊柱(ずいちゅう)。葯と柱頭が合着したものです。
可憐な瑠璃色の王冠がルリトウワタをより魅力的な花にしています。
白い蕊柱は2裂しています。
王冠の中は蜜壷となって蜜が光っています。
ルリトウワタは葉や茎がふかふかとしたやさしいパステルグリーン。
ルリトウワタは花の裏側も白い産毛に覆われてチャーミングです。
空色と白のコントラストが素敵。
よく見ると、ウサギの耳のようにも見えます。
やさしい色と質感はベビー服のような雰囲気です。
美しい花ですが雨など水にあたると葉や花にシミができてしまいます。
水滴がかからないように管理すると良いでしょう。
また、葉や茎が傷つくと、ペタペタとした木工ボンドのような白い乳液が出てきます。
この白い乳液は有毒のアルカロイドを含むため、かぶれる事があります。
扱う時は注意しましょう。
切り花にする時にこの液が接着剤のように切り口を塞いでしまうため、水の吸い込みが悪くなります。
花持ちを良くさせるためには切り口を熱湯に浸すひと手間が必要となります。
5枚に見えるルリトウワタの花弁は基部が筒状に合着していて、萼片は5枚あります。
蕾の手前の花弁を外して中の様子を見てみました。
萼片と手前の花弁を取り除くと5枚の鱗片からなる副花冠が見えます。
手前の副花冠の鱗片を取り除くと、葯と柱頭が合着した蕊柱が姿を現しました。
蕊柱の下部を取り囲んで、黒褐色のものが5個ついています。目立っていますが、1mmもありません。
注意して外してみると、クリップ状になっていて粘着性があります。
ハチミツ色の花粉塊がセットでついてきました。眼鏡の鼻パッドみたいな雰囲気です。
蝶等の授粉昆虫が蜜を吸い終わって離れようとする時にこのクリップが花粉塊ごと口吻に挟まり、付着するようになっています。
そして、花粉塊がついたまま別の花の蜜を吸おうとすると、花粉塊が蜜のたまっている柱頭室に送り届けられて、受粉する仕組みになっているようです。これはガガイモの仲間の植物に見られる特徴のよう。
※ガガイモ科はAPG体系ではキョウチクトウ科に含められることになりました。
専門的な詳しい内容はコチラ ▼
参照:観察レポート ガガイモ キタの部屋(k)
蕊柱は2裂。柱頭は雌しべ先端の嘴状の突出部でなく、蕊柱内です。
蕊柱の下部には2心皮からなる子房があります。
ルリトウワタは実がトウワタと似ていることから名前がついたそうで、細長い紡錘形の袋果が上向きにつきます。
実の中はガガイモと似ていて、絹のような種髪つきの種子が整然と並んでいます。
熟すと白くて長い種髪のついた種子が軽やかに風に舞い、美しいです。
参照:持ち主に幸せを呼ぶ!? ガガイモ ▶︎
ルリトウワタにクサカゲロウがいて卵が産みつけられていました。
極細の糸の先に小さな楕円形で黄緑の粒の卵が並んでいます。
ほんのわずかな接点で、ついているのが不思議なくらい頼り無げです。
古来、日本ではこれを優曇華の花とみなしてきたのだそうです。
優曇華の花は三千年に一度だけ開花するというインドの伝説の花。
仏教ではこの花の開花を如来や金輪明王・転輪聖王(理想的な帝王)が出現する吉兆としたそうです。
源氏物語の第五帖 若紫の巻 の中にも登場します。
優曇華の花まち得たる心地して
深山桜に目こそ移らね
貴方様のご来訪は例えるなら三千年に一度咲くという優曇華の開花の瞬間に立ち会えたような心地で、見慣れた深山の桜は目もとまりません。という意味合いの僧都から光源氏への答歌で、奇跡的に出会えた美しい貴公子への感激を表しています。
画像の出典:国立博物館所蔵品統合検索システム
クサカゲロウが孵った後にたくさんの残った白い卵殻が花が咲いたように見えたのかもしれません。
参照:クサカゲロウ ▶
クサカゲロウの幼虫はアブラムシやカイガラムシ、ハダニなどを大量に食べてくれます。無農薬栽培者には救世主的な益虫です。
レースのような繊細な若草色の翅に金属質に虹色に煌く大きな眼が意外と可愛らしいです。
参照:救世主現る!? 優曇華の花 ▶
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