趣味の果樹栽培
チェリモヤ
収穫が楽しみな果樹栽培
収穫が楽しみな果樹栽培
コロンビア・ペルー・エクアドル等の中南米の高地原産のバンレイシ科の小高木で世界三大美果のひとつ。果実はアイスクリームのようだとも言われ、大きさはリンゴくらい。
現在、日本ではまだあまり馴染みのない果実ですが、知る人ぞ知る人気のトロピカルフルーツです。
トロピカルフルーツといっても、原産はアンデス山脈の標高1,500~1,900mあたりの高地と言われていて、生育適温は涼しめの18〜25℃ということなので、現在鉢植えでのコンパクト栽培にチャレンジ中!
因みに世界三大美果とはチェリモヤ・マンゴー・マンゴスチン・ドリアン・パイナップル等が挙げられています。トップ3は評価をした人の時代や環境により諸説あるのでご了承ください。
ペルー産の冷凍チェリモヤの果実を解凍して食べてみました。
外見は恐竜の卵みたいですが、半分に割ってみると、キレイな乳白色の実でみっちりとしています。触ると低反発枕のようにしっくりと指が埋もれる感じが食べ頃です。
アイスクリームというよりは洋梨や缶詰の桃をねっとりとさせたような食感でトロッとしています。酸味はかすかでかなり甘いです。個体差がありますが、中には蜂蜜級の甘さのものもあり、かなりおいしいです。
キウイフルーツのようにスプーンですくって食べましたが、皮の付近はとても苦いので避けます。欲張って皮ギリギリまで食べると、せっかくのおいしさが台無しになってしまうので要注意です。
また、チェリモヤはおいしいだけでなく、栄養価の面でもたんぱく質、ナイアシンを始めとするビタミン類、ミネラル類が豊富なすばらしい果物だそうで、インカの貴族が愛したというのも納得です。
生の果実を食べる時のポイント
成熟果実は白みや黄色みを帯びたら収穫して常温で約1週間追熟させ、触って軟らかくなったら食べ頃です。食べ頃を外すと美味しくありませんのでご注意を。
チェリモヤの果実の外観は強面で、アルマジロやセンザンコウ、カメの甲羅や恐竜の卵を彷彿とさせます。堅そうなウロコのように見える表皮からは想像できない純白で甘い実がみっちりと詰まっています。
アルマジロという名の由来は武装した小さなものというスペイン語で、背部を覆う鱗甲板は銃弾を跳ね返すほどなんだとか!?実際にアメリカで銃弾がはね返り、ケガをしたという報道を見かけました。スゴイ!
アルマジロは20種類から成り、そのうち19種は南米に生息しています。
因みにボールのように丸くなることができるのはミツオビアルマジロ属の2種だけなんだそうです。
現地では貴重なタンパク源として食べられてきたとか。とても美味しいという評判があります。
南米原産のチェリモヤやアルマジロが皮の苦さや堅い甲羅で自身を守り、外敵に食べられないように武装している姿が何となく似ているような気がしておもしろいです。
チェリモヤの種子はスイカの種子がボリュームアップしたような、柿の種子をややスレンダーにしたような感じでしょうか。
冷凍チェリモヤの実からとった種子が発芽するかどうか実験しましたが残念ながら発芽しませんでした。
ああ、ポポーとそっくりダネ。
やはり同じバンレイシ科種子(ダネ)。
ポポーの種子についてはコチラ。
鉢植えの場合表面が10号以上の広めの鉢で育てるのが理想的です。
鉢植えでは3月頃に枝を切り詰めて、新しい土に植え替えすることを繰り返し、コンパクトに育てます。
その際は樹高は2mより大きめにし、冬は日当たりの良い室内に入れて5℃以下にしない様にします。
生育適温は18〜25℃、暑さは苦手なので、高温は避けます。
チェリモヤをトロピカルフルーツだと考え、暑い環境にさらすと熱にやられて葉が黄色くなってしまうので注意が必要です。
※日本での地植えは、暖地に限られます。
3、6、10月に有機肥料を使用書に指示されている量。
土が乾ききる前にたっぷりと。
鉢底は水はけをよくする。
2014年9月に種子から発芽させ、2017年4月初めて花が咲き、次々と蕾をつけ、順調に育っています。
品種はおそらくフィンガープリント種だと思われます。
2018年には花が当たり前のように咲き続けていますが、大きな実にはなっていません。温度管理が関係しているのかもしれません。
チェリモヤは生育適温が18〜25℃で、暑さと強い日射しが苦手です。
陽当たりの良い気温の上がる所の葉は高温障害か紫外線焼けのせいで葉が黄色っぽくなりますので、注意が必要です。
夏に葉が黄色くなったら、水不足や肥料不足ではなく、温度が高すぎるを疑ってみてください。
埼玉県飯能市で(2019年11月18日開催)のお散歩マーケット 天空のお休み処 おおやつ で展示しているチェリモヤの木は2014年秋に発芽した実生のものを2015年からこの地にて栽培し始めたものです。
ここは天空のお休み処と銘打っているだけあって、東京スカイツリーを始め、関東平野を臨むことのできる標高が400m近くある高所なので、無事に冬を越せるかがチェリモヤ栽培をする上で大きな課題でした。
が、東南が開けて陽当たりが良く、管理が行き届いているため、設置した簡易温室にて無事越冬できたので冬季はこの実績を活かして簡易温室で管理する事となりました。
2016年春、無事に越冬できて新緑が出てきた頃の様子です。
生育が良く、葉も大きくたくさんになりました。
その後も順調に育ち、夏を越した時点でずいぶんと背丈が高くなったので、簡易温室に収まりきらなくなりました。もったいないながら10月中旬に剪定しました。
上記9月の写真のチェリモヤは鉢に日陰を施して、温度管理をしているところです。と、いうのも、
チェリモヤは熱帯植物ですが、生育適温は涼しめの18〜25℃なので暑過ぎると高温障害で葉が黄色くなり元気がなくなるので夏場の温度管理にも注意が必要だからです。
前年同様、冬の間も光合成できるように葉を残しました。無事に越冬できて春に新緑が出てきたので古い葉を落としました。こうすると、新しい葉が出やすくなります。
節間が太く詰まり、若葉には産毛が生え、力強い芽吹きとなりました。
2017年5月中旬、待望の蕾が2個つきました。
残念ながらこの蕾は花を咲かす事ができませんでした。
因みに花は前年に育った新しい枝につきます。花がつくようになったので、新しく育つ枝を大事になければなりませんね。
6月下旬、チェリモヤの生育適温の日々が続き、若葉が美しく茂ってきました。
嬉しいことに、それに伴ってか蕾が次から次へとあちらこちらにつき始めました。
花の開花に時間差がありそうなので、うまくすると、タイミング良く授粉ができるかもしれません。
日射しが強く暑くなってきたので、日除けのすだれで鉢を覆いました。
その後、花は次から次へと咲き続けています。しかし、残念ながら結実には至っていません。
2017年は剪定をしませんでしたので、前年のものと比べると成長具合がわかります。この年の冬はとても寒かったためか、芽吹きが少々遅れました。
2017年以降は室内で保温しながら越冬させています。嬉しい事に現在も順調に育っています。
2019年7月下旬の様子です。
あまり目立ちませんが、よく見るとあちらこちらにたくさんの花がついています。
ここでは、人工授粉せずに受粉するのか様子を見ています。
2019年8月下旬、花は次から次へと咲き続けていますが、残念ながら結実はしていません。
2019年9月上旬の様子です。元気に育っています。
2020年10月中旬の様子です。
6月から次々と花を咲かせましたが、結実はしませんでした。
残念ながら、2023年春の様子は根詰まりを起こしているらしく、あまり元気ではないようです。
どうしても育ててみたいという方々に苗を販売ではなく、お譲りしていましたが、おかげさまで多数の方にチェリモヤ栽培をして頂ける事となり、2016年5月1日をもちまして終了となりました。
栽培チャレンジにご協力ただけた方々、ありがとうございました。
どの苗も元気に育って、実をつけてくれる事を願っています。
朗報がありましたら、ご連絡くださると嬉しいです。
寒さに弱くて温帯で越冬ができないチェリモヤを同じバンレイシ科で温帯でも越冬できるポポーに接木してみました。
耐寒性のあるポポーの台木に熱帯果樹の仲間のチェリモヤを接いだ結果がどうなるか楽しみです。ポポーに興味のある方はコチラへどうぞ!
チェリモヤをポポーに接木栽培したものは異種間の休眠時期の違いから温帯の屋外では栽培できないという残念な結果となりました。
チェリモヤをポポーの台木に接木した後、春から秋深くまで穂木から葉も伸びて順調に育っていました。
が、冬の休眠期を迎えるとポポーが先に休眠してチェリモヤ部分が養分の補給を絶たれ、枯れてきました。
また、春の出芽時期もずれるため、やはりどちらかが枯れることとなると思われます。
冬でも温度管理された温室栽培下であれば、ポポーとチェリモヤはどちらも育ち続けられるので、接木栽培は成功すると思われますが、それでは安価な屋外栽培はできなくなり、接木の利点が無いため、接木栽培の実験は中止としました。
参考までに、ご自身で接木栽培をしてみたい場合は台木の中位置で接げば可能かと思います。
pHや水分量、ホルモン量などを考慮すると、上や下位置は不適でした。
チェリモヤの挿し木に挑戦。
葉の少ない先端の枝を使って水挿しをしました。
無事、挿し穂から発根しました。
成長は遅いですが、現在も順調に育ち続けています。
チェリモヤの根挿しに挑戦。
昨年秋、チェリモヤを植え替える際に折れてしまった根の部分を根差しにして温室で養生したところ、4月29日に発芽しているのを確認。
これで、以前枝の挿し木は成功したので増殖方法が拡大できました。
何か嬉しいです。
現在は閉鎖されてしまいましたが、日本でのチェリモヤ栽培のおすすめサイトをアーカイブとして、残しておきます。
二十数年以上の長年にわたり栽培法の開発研究を続け、初めて国産化に成功をした実績を持つ「わかやまTropics」様のサイトでは栽培方法から出荷方法、チェリモヤの歴史等、チェリモヤのすべてをご紹介してくださっていました。
日本のチェリモヤ栽培のパイオニアだったので、真剣にチェリモヤ栽培に挑戦したい方にはぜひ、訪れてみて欲しいサイトでした。閉鎖されてしまい残念です。
チェリモヤの蕾が新芽と一緒につきました!淡いグリーンの毛に覆われフカフカしていてかわいいです。
チェリモヤの花は雌性先熟 (しせいせんじゅく) といって最初に雌しべが熟し、後に雄しべから花粉が出るという雌雄異熟花です。
自家受粉を避け、より良い種を残すための戦略なのでしょう。
花弁は多肉植物のように肉厚で、花柄も含め、花全体がフェルトのようにフカフカしています。
蕾は日ごとに花弁を延ばし、肉厚のまま成長します。
蕾が開き、夕刻にメロンソーダのような爽やかで美味しそうな魅惑的な芳香が漂います。これが雌しべ成熟期の受粉タイミングのサインです。
それにしてもうっとりとしてしまう素敵な香りで、虫ならずとも人も誘因されてしまいます。(笑)
その後、完全に開花し、雄しべ成熟期となるので雄しべから花粉を採取して雌しべの柱頭につけて人工授粉をします。
そうは言っても雌しべ成熟期と雄しべ成熟期を合わせる授粉タイミングは難しいので、花粉を採取し、密閉できるビニール袋に入れて冷蔵庫で保存しておき、次回の人工授粉に備えておきます。1週間ほど有効だそうです。
その後、良いタイミングで次の花が咲き、人工授粉のチャンス到来。
授粉サインが素敵な香りなので気分がとても良いです。
無事、授粉を終えるとバナナの皮を剥いたように開花し始めました。適温シーズンになったのか蕾も続々とついています。蕾はコウイカみたいでかわいいです。
その後の成長過程の様子は
蕾が次から次へとついて花が咲く中、残念ながら結実する前に落下してしまったチェリモヤの花がありました。結実前の花の様子です。
花弁を外そうとすると、雌しべをぐるりと一周取り囲んでいた雄しべがパラパラ・ゴソッと落ちて、雌しべが姿を現しました。雌しべの大きさは直径は3mmに満たない位です。
花弁がしなびて褐色になり果実部が徐々に大きくなってきてチェリモヤの実の雰囲気になってきました。
実はまだ1cmに満たない大きさで、白い産毛に覆われてかわいいです。
実が大きくなるにつれて果実の柄、果柄 (かへい) が太くなっています。
くぼみが出てきてヤマボウシの実位の大きさで、ますますチェリモヤの実っぽい雰囲気になってきました。
残念ながら落下してしまったチェリモヤの小さな実がありました。
5mm未満と小さいですがせっかくなので観察してみました。
全体的に白い産毛が生えていて、花弁はスウェードのような質感です。
花弁を取り除くとこんな感じです。
別の落ちてしまった実は外見はほぼ同じなので断面も見てみました。
今回の実は残念でしたが、順調な実もこれから育つであろう実もあるので、引き続き経過観察してみます。
4〜6月に雌雄異熟花が咲きます。授粉してくれる虫などがいない場合は人工授粉してください。
(開ききった花の花粉を採取し、開ききってない別の花の奥に細い柔らかい筆で雌しべに授粉します。)
シャカトウというチェリモヤと同じバンレイシ属の実がなっている様子を運良く見ることができました。
4週間後のようす。実の成長はそれほど速くないようです。
釈迦頭 というだけあって螺髪のある仏像の頭とデコボコした感じが似ています。
約10週間後のようす。実が黄色みを帯びて大きくなっています。
とても甘くて梨のようなシャリシャリ感があるので、英名ではシュガーアップルと呼ばれるのだそうです。
イランイランという変わった名前の樹木の花はフィリピンの言語の一つのタガログ語で、花の中の花と呼ばれ、その精油 (エッセンシャルオイル) は香水や癒しのアロマオイルとして、広く使われています。
偶然、イランイランの花を見かける機会に恵まれました。イランイランはチェリモヤと同じバンレイシ科の植物で、開いた花がチェリモヤの花と似た感じがします。
地味な黄緑色の長めの花びらが下向きでうつむきかげん。下から覗くと花中央の蕊部分が同じバンレイシ科のポポーとよく似ています。
調べてみると実のつき方や雰囲気もチェリモヤよりポポーに近い感じですが、ちょっと異様な花びらの感じがチェリモヤっぽいです。
イランイランの精油は黄色い花から蒸溜されるんだそうで、黄色くない花では香りはしませんでした。
マリリン・モンロー愛用のシャネルの5番にも使われ、催淫効果もある香りですが、ホルモンバランスを整え、神経系をリラックスさせる作用があるのだそうです。
花の香りは人により、好みが分かれますが、知名度の低いチェリモヤの花のメロンソーダのような甘い香りも多くの人に指示されそうな魅惑の香りです。残念ながらポポーの花は良い香りではありません。
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