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ワタの越冬栽培
越冬ワタからコットンボール
趣味の綿花栽培
冬越し棉からコットンボールは弾けるか?
原産が熱帯・亜熱帯地域であるワタは多年生の植物ですが、耐寒性がなく、冬を越せない日本では一年生植物扱いされています。
しかし、そんな寒がりのワタが越冬できて翌年に芽吹くことができたとしたら、一年草として育つワタとの違いはどのようなものなのでしょうか?
コットンボールは無事に弾けるのか?そして収穫量は?
それが気になってここ数年、越冬栽培を試み続けていましたが、暖房なしの室内では春を待たずして枯れてしまう結果に…。が、今回4年目にして暖冬のおかげもあってかアジア綿の鉢植えが無事、冬越しに成功。
ついに草から木、棉へと昇格したような感じがしました。木といっても太さも変化なく頼りないのでやや大げさな表現ですが…。
越冬以前の成長記録は、
参照:続・魔法瓶発芽 アジア綿の成長 ▶︎
そのワタがどのような経過を辿るのかを追ってみました。
越冬環境は埼玉県奥武蔵の暖房なしの室内窓際。時々日光浴と水やり。
内径30cm・高さは33cmの鉢に4本のアジア綿を育てていたものです。
枯れている枝は落としました。
日本の環境にはアジア綿の方が合っているのか、同じ環境で越冬させていたアメリカ綿は寒さにやられて枯れてしまいました。
ワタを一年生植物として栽培するのは害虫を防除する目的もあるそうです。
越冬ワタ栽培した土の再利用
ここ数年の実験結果から、越冬させたワタの土を新規のワタ栽培の時に使うと、有用菌のおかげか成長が良いように思われました。
但し、使用する際には虫がいないか、団粒構造が壊れて水はけが悪くなっていないか等の注意が必要です。
越冬アジア棉の大成功例
昨年度10号鉢で育て、短く切り詰めた越冬アジア棉の脇に新規のアジア綿の苗を植え付けて比較実験したところ、根のハリが良かったのか、越冬アジア棉の方が圧倒的にコットンボールの質や量が良い結果となりました。
(越冬アジア棉のコットンボールは23個、居候状態の新規アジア綿は5個)
この記録はワタの時短発芽のページの2021 ワタの越冬とワタ栽培 第6弾に記載していますので、興味のある方はご覧になってください。
1月までは葉を残していましたが、2月になって落葉。枯れてしまったと思われる枝を落としました。
3月上旬のワタの冬芽と葉痕。
寒い日が続き、変化が少ないです。
冬の間、室内の窓際で管理。陽射しがあって暖かな時は日光浴。
2月から4月にかけて、芽吹いたとしても一進一退を繰り返し、寒さにやられて枯れることが多かったので慎重に管理。
4月上旬の様子です。
4月中旬に、本格的に芽吹き始め、小さな葉が開き始めました。
どうやら無事越冬できたようです。
5月初旬になると、4本のアジア綿うち3本が芽吹き始めました。残り1本は越冬できませんでした。
根本と比べ、先端の方が元気が良さそうなのでヒョロッとしています。
鉢の左下の2本の短い竹は数回使い回して、ネットリとしてしまった土の通気をよくするためのものです。
ワタの芽吹きの葉は発芽させた苗の成長過程で見た葉とは形や質感が異なった印象。
葉痕の上からもりもりと葉が展開してきました。
5月上旬の様子です。
昼間の気温が20℃を超えるようになって葉の量が増えてきました。
5月中旬。葉は縮こまったような形ですが、次から次へと展開中。
根本の方からも葉が出てきました。
6月中旬の様子です。
先端ばかりが茂ってひょろりとしてアンバランスな状態です。
葉は増えてきましたが、相変わらず縮れ気味で、発芽から育ったものと比べるとかなり小さめです。
多くの蕾がつき始めています。
7月上旬の様子です。
この頃になって健康そうな普通の葉が茂り始めました。
7月15日、1番花が咲きました。
今年発芽させて栽培しているワタと比較すると、開花が遅くて数が少ないですが、無事開花できて良かったです。
植え替えを行っていない上に鉢が小さいせいもあるかもしれませんが、ワタ栽培は毎年新規に行う方が効率が良いようです。
7月下旬には健全な葉が茂るようになり、順調に育っています。
8月上旬の様子です。
長い梅雨があけて陽射しが戻ってくると、元気な葉の中に花や実が見られるようになりました。
花がきれいです。
8月中旬になると、根元付近から太くて丈夫そうな側枝もグンと伸びてきました。
勢いがあって調子良さそうです。
その先には健康そうな大きな葉と蕾がたくさんついていましたが、勢いがあり過ぎるので、少々残念ですが摘芯することに。
実も順調に大きくなっています。
この実は副萼がダブルになって珍しいです。
開花も増えてきました。
盛夏の陽射しに輝く花は綺麗です。
蕾もたくさんついています。
無農薬栽培ですが、天敵の昆虫がいるのか順調に育っています。
高温・乾燥の日が続いているので、ハダニ対策で霧吹きで水を散布しています。
暑い夏を待ち望んでいたかのように元気よく育ち、花盛り。
次から次へと開花中。
8月25日、コットンボール1号が弾けました。越冬アジア棉から無事コットンボールが弾けることが確認できました。
連日の強い陽射しのおかげで、毎日複数の花を咲かせて大盛況。
落果も多いですが、種子発芽させたアジア綿と比べて花数は多いです。
花と実と弾けた白いコットンボールが同時に見られて嬉しいです。
9月上旬になってコットンボールが弾け続けています。
どのコットンボールもふかふかしてやや大きめです。
9月上旬に収穫したコットンボールは6個。花はたくさん咲きましたが落果も多いので、摘芯をしておいて良かったようです。
9月中旬、夏の暑さが収まってきた頃、ワタノメイガ(ハマキムシ)により葉がずいぶんとやられてしまい、悪い葉は落としました。また、夜間の冷え込みで葉が黄色くなって落ちるものも増え、コットンボールは弾け続けているものの、やや貧相な姿になってしまいました。
無農薬栽培だったこともあり、実も数個虫にやられてしまいました。
それでも、残っていた実は順調に弾けて良かったです。
コットンボールは9月24日までに16個弾け、その後もちらほらと弾け続けています。
10月中旬の様子です。
気温が低くなって記録的な日照不足もあり、葉の数も減り、元気がなくなってきました。
コットンボールが枝先に数個弾けています。
根元付近から出た側枝も木質化しています。
越冬ワタのコットンボールは10月23日に最後の1個が弾けました。
全部で33個のコットンボールが弾けて終了です。
弾けたコットンボールは大小様々。元気の良い時の花が良い実となるようで初期に弾けたものの方が大きくて質の良いものが多かったです。
鉢の大きさや本数、栽培環境も若干異なるので正確な比較にはなりませんが、種子発芽のワタと比べて1鉢の収穫量はあまり変わらないような結果でした。
この鉢のワタは土も悪く根もあまり元気がなかったので冬越しさせずに栽培を中止しました。
越冬ワタのポテンシャルを知るために超時短発芽させたワタの成長で、栽培をしたアメリカ綿とアジア綿を越冬栽培したものを追記します。
1月下旬、寒波が到来して氷点下の日が続きましたが、暖房なしの室内で何とか越冬しました。
また、その他にも10号鉢で越冬したアジア綿を新規苗と混植して栽培実験しております。
▶参照:ワタの越冬とワタ栽培 第6弾
アメリカ綿
弾けたふかふかのコットンボールがまだ枝に残っています。枯れた葉はとり除かれ、小さな葉だけがついて辛うじて越冬しています。
種子の入ったわたの塊が落ちそうになってきたものもあります。
このように種子が完熟すると地面に落ちて次世代に繋げるのでしょう。
アジア綿
アジア綿はコットンボールを収穫し終えているので小さな元気のない葉だけが残っている状態です。
蕾も数個ついていますが、咲く気配はありません。
暖冬と3月の異常な暖かさのおかげでアメリカ綿・アジア綿、どちらも芽吹き始めました。
古い葉は既に枯れ落ちています。
萌芽の様子を見ると、越冬前にもう少し丈を低めに剪定しておいた方が良かったような気がしました。
アメリカ棉
アメリカ綿の暖房なし越冬は6年目にして今年初めて成功しました。
白いふかふかのコットンボールを枝に残したまま、葉痕の上から芽吹きです。寒の戻りに注意が必要。
アジア棉
アジア綿も葉痕の上から芽吹き始めました。
暖冬が味方をして元気に冬越しできたようで、前回と違って、葉も比較的大きくて良い感じなので、4月中旬に6号鉢から7号鉢に植え替えをし、6月25日に摘芯をしました。
アメリカ棉
アメリカ棉は5月12日に今季初めての開花しました。通常、開花は6月の下旬から7月中旬にかけてなのでそのその早さに驚かされました。
続いて23日にも開花!
花は前回同様通常より小さめです。
きれいなピンク色に変化しましたが、残念ながら、どちらも実になることなく落ちてしまいました。
その後、6月になって葉は増えたもののシャクトリムシやハダニなどの被害もあってか、大きさも小さめであまり良い葉になっていません。
少しですが蕾はついています。
アジア棉
5月にはたくさんの小さな蕾をつけました。
アメリカ棉と同様にシャクトリムシやハダニなどの被害もありましたが、アジア棉の方が丈夫と見えて葉が茂り出して6月上旬頃から花を咲かせ始めました。
6月下旬には花や実が混在するようになりました。
花はあまり大きく開かず実も同様に下を向いているのであまり目立ちませんが、6月に実がつくのはかなり早いので驚きです。
6月30日には3つの未熟果が確認できました。
梅雨明け後は夏らしい天気が続き、7月下旬、葉は小さいままですが、花も咲き実も増えてきました。
アメリカ棉
アメリカ棉は7月17日から連日で花が咲き続けて花盛り。
7月26日・27日にはそれぞれ同時に3つの花が咲き、クリーム色の花とピンク色の花が揃って咲く様子は綺麗です。
小さい木なのに実が9個ポコポコとついています。
アジア棉
落果が数個あったものの、7月下旬に10個の実が付いています。
7月26日にはコットンボールが早々に弾けました。
その後、28日、30日にも1個ずつ弾けました。
小さいながらこれまでで最速の開絮 (かいじょ)です。これこそが越冬棉の実力なのでしょうか。
開絮:綿の実が開くこと
連日30℃超えの日が続き、8月上旬、それぞれ落果も見られましたが実が充実してきました。
アメリカ棉
アメリカ棉は8月7日に11個の実がついています。
まだ開絮はしていません。
8月26日に1個め、31日に2個めが開絮しました。
開絮したコットンボールはふっくらとした通常サイズです。
アジア棉
夏の暑い時期に弾けた白いわたは落ちやすいので7月に開絮した3個の実は8月3日に収穫しました。
最速で開絮しましたが、大きさも質も少々悪いものでした。
8月7日に11個目のコットンボールが弾けました。どれも質の良い綺麗なワタの実で良かったです。
8月10日までにコットンボールを10個収穫しました。
8月下旬になって再び花盛り。
9月は日照時間に恵まれず、ラストスパートがかけられないまま秋になってしまったような感じで残念。
アメリカ棉
順調にコットンボールが弾けていたのに、悪天候続きでカビの発生した実が2個出てしまいました。
その後の週間天気予報でも雨が続きそうなので開絮し始めた実はカビる前に収穫をすることにしました。
アメリカ棉は9月中旬までに8個のコットンボールを収穫しました。
早めに収穫したコットンボールも何の問題もなく真っ白でフッカフカになりました。
9月下旬のアメリカ棉の様子です。
すっきりとしない天気が続き、落果もあり、葉や茎、残った未熟果もカビが出てきてしまいました。
アジア棉
たくさんの実がぶら下がって変化が少ないまま、ようやく9月20日に2個のコットンボールが開絮。
翌日、白いわたが落ちかかったので早々に収穫しました。
9月27日に13個めが開絮ました。まだ6個の実がついています。
9月下旬に収穫したコットンボールは13個となりました。
10月は例年より気温が低い状態が続きました。
アメリカ棉
気温が低くなってきたにも関わらず、10月中旬から下旬にかけて6個の花をきれいに咲かせています。
10月下旬、コットンボールが1つ弾けたものの、小さくてとても貧相なものでした。残りの実も小さくて同じようになりそうです。
アジア棉
アジア棉は10月下旬に残っていたコットンボールが全て弾けました。
今季は合計20個のコットンボールの収穫となりました。昨年は6号鉢で7個の収穫だったので、鉢を7号鉢に大きくしたのも良かったのか、ずいぶんと増えました。
実になりそうな蕾もなかったので、主茎を切り詰め、今季終了です。
このページは「なんだろな」の中の
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