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種子から育てる
コットンボール
趣味の綿花栽培
コットンボール作りに挑戦
コットンボールと呼ばれるワタ (棉) の実がポップコーンみたいにはじけて、フカフカの白いわたが出てくる過程を見てみたい! …ということで、
ワタを種子から育ててワタの実ができるまでのワタの栽培にチャレンジしてみました。(栽培地は埼玉県 奥武蔵)
プランター1個と8号鉢2個を使って育てたアメリカ綿の栽培観察記録で、上の写真はプランター1個に3本植えて収穫したコットンボール。 ▲
アジア綿 (矮性種) と思われるワタ栽培も追加で試したので記載しています。
上の写真は8号鉢1個に2本育てたものと間引きした2本をプランターで育て収穫した4本分のコットンボール。▲
コットンボールを比較をしてみると、アメリカ綿の方が圧倒的にボリュームがあってフカフカしていました。
この違いは矮性種だからかもしれないと思い、背丈を超えるアジア綿栽培をしているところで確認してみると花も実も矮性種とほぼ同じ大きさでした。
なので、ふっかふかのコットンボールを楽しみたい場合はアメリカ綿の栽培をおすすめします。
しかし、日本での栽培はアジア綿の方が気候風土が合っているようです。
綿花とはワタの実のこと
ワタの実は花のように見えるので綿花(コットンフラワー)と呼ばれます。
花といっても実の事なんですね。
綿毛の繊維は種子の表皮細胞が 細長く成長したものです。
参照:フカフカ植物・うぶ毛の正体 ▶
コットンボール Cotton Boll
コットンボールのボールは boll。
コットンボルという方が正しいのかもしれません。
bollは綿および亜麻の丸莢とか蒴果を意味するので綿莢といったニュアンスでしょうか。蒴果は成熟すると果皮が心皮の縫線に裂開する果実のこと。
ボールを意味する球の ballとは異なります。CottonBall は薬や化粧水などを含ませて使用する丸いコットンのことです。最近は糸をぐるぐる巻きにしたボール状の飾り付けアイテムの呼び名もコットンボールなんだそうですね。
綿と棉
※植物としての状態のワタを木へんの「棉」、繊維の状態になったワタを糸へんの「綿」と表記するのだそうです。草かんむりでないのは棉が本来は多年草で、茎が木質化するからだと思われます。
※棉から作られた繊維が木綿。蚕の繭から作られた繊維を真綿といい、同じ「綿」でも、木綿と真綿は別物です。
- 水はけの良い清潔な土を使用
肥料はひかえめ
元肥として鶏糞・窒素系肥料を使用
酸性にならないように石灰使用
プランターは大きめが良い
- 充分暖かくなってから種子をまく
寒冷地での栽培の場合は早めに種まきをして保温しながら苗を育てる
- 種子の綿毛はついていても問題ない
種まき前に1晩水に浸しておく
覆土は種子が隠れる程度にする
- 発芽後はナメクジやダンゴムシに苗がやられないように注意する
- 根が伸びて過ぎてからの
植え替えをしない
- 風通し、日光のよく当たる排水のよい環境で育てる
- 水のやり過ぎに注意
- ベランダ・軒下栽培時には
葉の裏にも水散布
- 夏場の開花中に水切れをさせない
- 枝を4〜5本残して一度だけ摘芯
- アブラムシ・ヨトウムシ・ハマキムシ
・ハダニがつきやすいので注意する
- 気温が低くなったら保温する
- 実がはじけたら濡らさない
- はじけてから2日程経ってから収穫
温度や環境管理
ワタの生育には高めの温度と日照時間が欠かせません。特に実のできる時期に天候が良くないとコットンボールがうまくできません。
しかし高温は苦手なので、35℃の以上の時には日陰にします。
寒冷地で育てる場合は花が咲いても実がはじけるまでに間に合わない場合があるので、早めに種まきをして保温しながら苗を育てた方が良さそうです。
水やり・肥料
水やりは乾き過ぎる前にたっぷりと。
毎日少しずつあげると根腐れの原因となります。
また、肥料を与え過ぎると徒長し、蕾が落ちたり、病気の発生が多くなるのでやり過ぎに注意します。
害虫
ベランダや街灯の近くなどで栽培していると、光に誘われて、ヨトウムシやハマキムシの成虫の蛾がやってきて、卵を産みつけやすくなります。
早めに見つけて対処ができるように、こまめにチェックします。
高温、乾燥などの条件が揃うとハダニが発生しやすくなります。
梅雨明けやベランダや軒下などで栽培する場合は葉の裏にも適宜水を散布します。
植えつけ
ワタは移植を嫌うので、定植する時は大きくなる前に根のまわりの土を落とさず、くずさず、広々としたスペースに植えつけます。
同じ鉢に1本だけで育てたものと3本育てたものを比較すると、1本で育てた方が1鉢あたりの実の数も大きさも良い結果となりました。
初めてのワタ栽培した時の種子は切り花として売られていたコットンボールから採取しました。
ワタは寒さが苦手なので、種まきするまでワタの種子は切り花のわたの中で保存しておきました。結果、発芽率がとても良かったです。
自然界では、ふかふかのわたが寒さ等の厳しい環境や外敵から大事な種子を守る役割をしているのでしょう。
ドライフラワーの状態で入手したので、品種は不明のまま栽培してみました。
夏に芙蓉に似たクリーム色のきれいな花が咲き、アプランド綿 (わた) らしい事が判明しました。
※綿花栽培は歴史が古く、昔から品質改良が行われたり、自然交配があったりしているので正確に品種を判別するのは困難です。
以降、大雑把にアメリカ綿とアジア綿ぐらいの区別にさせていただきます。
アプランド綿(アメリカ綿)
別名:リクチワタ
アオイ科 ワタ属
学名:Gossypium hirsutum
ゴシピウム ヒルスツム
英名:Upland cotton
メキシコから中央アメリカが原産
収穫した種子でワタ栽培 第2弾
初挑戦にて、念願のコットンボールができたのでワタ栽培第2弾はその種子を使い、実験を兼ねて昨年に引き続きアメリカ綿のプランター栽培・鉢栽培に挑戦してみました。
初回の栽培を元に種まき時期や土質を変えて比較実験しながら成長観察記録を追記して紹介しています。
4月中旬、市販の培養土を入れたポリポットにワタの種子をまきました。
種子は発芽しやすいようにあらかじめ一晩水に浸しておきます。少々綿毛が残っていても問題ないです。
土は湿らせておき、なるべく土が種子に圧着するようにして、1cm位の土をかけておきます。発芽まで乾燥させないように管理します。
ワタの種まきの時期について
前年、初めて栽培した時は充分暖かくなるのを待って5月の中旬に種子をまき、順調にコットンボールの収穫までたどりつけました。しかし、数個が完熟する前に気温が下がり、成熟が止まってしまい、簡易温室で完熟させることになってしまいました。
そこで、ワタ栽培第2弾は4月の中旬、1月早めにポリポットに種まきをして、暖かくなるまで苗を保温しながら育てたところ、結果良好でした。
発芽温度の実験
ワタは発芽適温が25℃前後ということなので、8月中旬に種まき実験をしたところ、種子を水に浸してから、たった3日で、まいた種子全てが元気よく発芽。
充分温かな温度があれば、ワタの発芽は超カンタンということですね。
種まきから10日後には、苗の高さが10cmで本葉まで姿を現しました。
ワタ栽培第3弾は魔法瓶を使って、発芽適温環境を作ってみました。
何回か発芽実験してみたところ、いずれも効率良く時短で発芽させることができましたので、おすすめします。
参照:魔法瓶でワタを発芽させる ▶
ワタの発芽の条件は適度な温度と湿度と暗さと酸素。栄養は要りません。
そこで、保温と湿度と暗い環境という条件を兼ね揃えることが可能な魔法瓶を使って発芽させる方法を試してみました。
この方法はムクロジの発芽の際に効果的であったので、試してみました。
参照:魔法瓶でムクロジを発芽させる
このようにあらかじめ種子に適した条件を与えて発芽させてから播種する方法を芽出しまき・催芽まきというそうです。
ワタの魔法瓶発芽の結果
結果は良好。2日目に発根しました。しかも、6粒中、6粒全てです。
※その後何度か実験してみると、発芽率は100%ではないものの、2〜3日後に発根するものが多かったです。
これには種子の良し悪しも関係していると思われます。
アジア綿の矮性種は種子の体積が小さいためか、発根はアメリカ綿と比べて速かったです。
魔法瓶を使ってワタを発芽させる方法
昨年の秋に収穫したワタの実から種子を取り出し、ざっくりと毛を取り除きます。ハサミを使うと速いです。
まず、湿らせたキッチンペーパーで、ワタの種子を軽く包みます。
キッチンペーパーは発芽時の土代わりなので、種子がしっかりと水分を吸収するように濡らし、呼吸できるように空気を含ませて包むのがポイント。
それを水が入らないように、ジッパーつきのビニール袋に空気と一緒に入れて閉じます。
次に、魔法瓶にぬるま湯を注ぎ、先程の種子の入ったビニール袋を投入して24時間放置。
ワタは発芽適温が25℃前後なので、このくらいの温度になるのが理想的だと思われます。湯量が少ないと冷めやすいのでお湯はたっぷり入れます。
湯温が下がることを想定して、若干高めの温度が良いと思われます。
この実験時は外気温が低かったので湯温が下がることを想定して、40〜45℃位のぬるま湯を使用しました。
熱過ぎは種子が死んでしまうので注意。
最も効率の良い適正温度については、
魔法瓶発芽 ワタの発芽温度 ▶
翌日、湯温が下がっているのでお湯を入れ替えます。
その際、キッチンペーパーを広げて、酸素がいきわたって種子が呼吸できるようにしてから再び包みます。
余分な水分は捨てて、空気を入れてから袋をしっかり閉めます。
冷めないうちに再び魔法瓶に入れて、24時間放置します。
その後確認して発根していたら、土に植えつけ、暖かい環境で管理します。
発根していない場合はもう一度繰り返します。3,4日たっても発根しない場合は温度が適正でないか、種子の状態が悪いので諦めます。
植えつけ後の様子は、
参照:魔法瓶発芽のワタの成長 ▶
魔法瓶を使って、もっと長い時間
ワタを発芽させたら?
試しに発根後、追加で半日ほど魔法瓶に入れておいたところ、さらに発芽が進んでいました。この状態で植えつけた方が成長が速いように思えます。
しかし、この種皮のとれた状態だと、弱い子葉がむき出しになってしまいます。
そのため、雑菌や温度などの環境変化に対応するのが難しいようでした。
これにより、種皮の最後の役割は発芽時の子葉を護ることだと思われますので、土に植えつけるには種皮のとれる以前の発根した頃の方が適しているようです。
種皮がとれてしまった場合は、そのままもやしとして育ててから植えつければ、問題なく育つことが確認できました。
参照:発根した種子を土に埋める ▶︎
翌年、ワタ栽培 第4弾も魔法瓶発芽を実施しました。
魔法瓶発芽の応用プラン
魔法瓶発芽の応用として、浴槽で風呂の残り湯を利用して発芽適温の環境を作るのも良さそうです。
風呂の残り湯ならば、湯量が多くて冷めにくく、最初から魔法瓶発芽と近い温度です。フタをすれば暗くなるし、保温も効率が良くなります。
翌日風呂を使う時には鍋等でぬるま湯で湯煎でもして、蓋をしてしばらく種子を待機させておけば、どうにかなりそう。多めに種子を発芽させたい場合には良いかもしれません。
ワタ栽培 第5弾ではワタの魔法瓶発芽の適正温度を探って実験を実施。
これまでの魔法瓶発芽の改良点等も考慮したところ、発芽率がかなり良く、魔法瓶に種子を入れてから3週間目には本葉も開き始めました。
(2020年3月20日より実験開始)
3月下旬から4月上旬のまだそれほど暖かくない時期の割には順調です。
大きな鉢に植え付けなければいけない程になりました。
また、この年はワタもやしを作ってからの植え付けなども実験。良好な結果が得られましたので、ぜひ参考にしてみてください。
早めに発芽させた苗を10号鉢で育てたアメリカ綿は、7月下旬には17番目の花を咲かせました。大きめの鉢で育てたこともあり、これまで育てたものと比べてがっしりとしています。
天候不良のせいで落果が1個ありましたが、実は15個ついて、順調に育っています。8月になって晴天が続いて、新芽も出てきて勢いがあります。
8月23日には待望のコットンボールが弾け、12月10日に最後の1つが開絮。最終的に36個のコットンボールが収穫できました。
発芽適温が25℃前後 …4月中旬から5月中旬にしては高めなので、保温と乾燥防止のために黒いビニールをかけておいたところ、2週間程して発芽し始めました。
ワタは薄くて平べったい2枚の葉が、重なって発芽します。全体的に小さなツブツブ模様があります。
せっかく発芽しても、その後の気温・地温が低かったり、風に当たると、成長に支障があります。発芽後の苗は寒さや風にさらさないように管理します。
発芽率が良かったので、間引きをしました。その時の根の様子です。
5月中旬、発芽から約2週間後に苗を定植しました。
ワタは移植を嫌うので、本葉が出る頃にポリポットの土を崩さず、そのままプランターや鉢へ植えつけました。
この時期は風の強い日があり、苗が痛みやすいので保温と防風を兼ねて透明のビニールで覆いをつけてみました。結果は良好です。
昨年より1ヶ月早く栽培を始めましたが6月上旬には本葉が4〜5枚になり順調に育っています。ワタはこの頃に1ヶ月程成長停滞期となるので、あせらず管理します。
ワタは本葉が出てからしばらくは成長停滞期となり、成長が遅くなります。
成長停滞期はストリゴラクトンという植物ホルモンを土壌中に分泌して共生菌を育てている最中で、勢い良く育つための準備段階なんだとか。
共生菌 アーバスキュラー菌根菌が育つことで、ワタは根から窒素を取り込んで生育するのだそうです。また、根が張る期間に水をやりすぎたり、長梅雨にあうと、根ぐされをおこすので管理する時に注意が必要。
アーバスキュラー菌根菌:
80%以上の陸上植物と共生する菌類。植物の根の中に菌糸を伸ばして入り込み、アーバスキュル(樹状体)を形成する(内生菌根菌)。植物の根が入り込めない土壌のすき間に菌糸を伸ばしてリン、窒素などの無機栄養分を吸収し、アーバスキュルで植物に与える。植物からは代わりに光合成産物(糖)を受け取ることによって共生する。植物の根から分泌されるストリゴラクトンによって菌糸分岐が誘導され、共生が促進される。植物は菌根菌との共生によって栄養・水分の獲得が容易になるだけではなく、耐乾燥性などの環境耐性や耐病性を獲得する。
出典・引用:
宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの米山香織博士研究員らが植物の枝分かれ抑制ホルモンをつくる酵素を発見
7月になると、気温も高くなって、土の環境が整ってきたおかげか、急に茎が伸び、葉の枚数も増えてきました。
育ちが悪いといって植え替えてしまうと、せっかくの育つための環境をダメにしてしまうので1ヶ月程はじっくり待つ心構えが必要です。
成長が遅いからといってワタの植え替えはしないことがポイントです。
まるで、成長停滞期知らずと思える程大きく成長を続けていた6月中旬頃のアメリカ綿の様子です。下の写真右側がそのワタです。左は通常のワタ。
同じ種子を同じ時期に発芽させて、同じ時期に定植したものですが、成長に著しい差が出ています。
違いは栽培している土だけです。
左は市販の培養土だけを使用。標準的に育っていると思われます。
右は市販の培養土と昨年綿花を育てた土をブレンドして栽培したものです。
このプランターに定植した4本だけが同じように勢い良く育っています。
このプランターで使用した土は昨年のワタ栽培で使用していたもので、ワタの実の追熟のためにビニール温室に入れていたものです。コットンボールの収穫後も春まで放置していたために、共生菌が生きていて、このような結果になっているのかもしれません。
そこで、他にも何か原因があるのかもしれませんが翌年にこの土でワタのリレー栽培をして実験してみたところ結果良好でした。
この土を使っての栽培実験は
魔法瓶でワタを発芽させる で発芽させた苗で実験しました。
参照:魔法瓶発芽のワタの成長 ▶
その後、ワタ栽培第5弾の栽培実験では1鉢に2〜3本育て、ある程度に育ってから間引きをした鉢の方が成長が良い傾向が見られました。
因みに、元気よく育っていた4本のうち1本を6月下旬に間引いて、新規に植え直してみたところ、通常栽培の物と比べても、かなり成長が遅れて大きくなれませんでした。
やはり定説通り、植え替えは良くないという結果となりました。
8月中旬、成長停滞期知らずのワタは摘芯して草丈80cm、間引きワタは摘芯なしで草丈48cm、通常栽培 (8号鉢) は摘芯なしで草丈75cm位です。
追記:間引きした苗を育ててみたら
コットンボールが弾けるまで成長
成長停滞期知らずのワタ その後
7月初旬には蕾もたくさんつけ、摘芯をするほど大きくなりました。
蕾は副萼に包まれています。中を覗いてみると萼に覆われた蕾があります。
7月中旬になるとワタの花は早朝に蕾を膨らませ、次々と開花しました。
夕方になると、うっすらとピンク色に変化して閉じてきました。
翌朝になると、濃いピンク色になって閉じていきます。
雌しべの柱頭がピンク色に変化しています。受粉完了サインでしょうか。
この後、花は萎れて落ちて、実が成長し始めます。
その後、暑い日が続き、次から次へと花が咲き、実もたくさんつけました。
受粉したての実も蕾と同様、副萼に護られ、宝玉のようです。
実も順調に大きくなっています。
8月中旬には、摘芯後の枝は分枝して実がリズムよく4つを並んでいるものもありますし、生理落下した実もいくつかあります。実が多すぎるので摘果をした方が良いかと考えていたので、良いタイミングです。
8月中旬、卵みたいな実がポコポコと複数なっています。大きいものは高さ5cm・直径3.5cm位で、昨年と比べるとかなり成長が速くて実の量も多いです。この頃になると花の数は減り、実が目立つようになっています。
実の育つ時期と温度や光の環境が合っていたためだと思われます。
9月中旬には9つのコットンボールがはじけて、第1陣の収穫を終えるという嬉しい結果となりました。
参照:はじけるコットンボール ▶
生育の良さはストリゴラクトン効果なのかもしれませんが、古い土を使用すると病害虫にやられてしまう可能性も否めません。実際、この土にはネキリムシがいたせいで、6月初旬に葉を少しやられました。使用する時は注意が必要です。
また、3年目ぐらいになると団粒構造がくずれて目詰まりを起こして通気が悪くなるので、そのまま使うと生育が悪くなります。
一般的な培養土で育てたアメリカ綿は成長が停滞していた時期を過ぎると、急激に大きく育ち始めました。
ワタが蕾をつけ始める
暑さを迎える7月の初旬には蕾を多数つけ始めました。
大きい葉は、高さ13cm・幅18cm位と、かなり大きいです。
葉柄は長くて互い違いに生え、葉腋から分岐した枝に蕾がついています。
昨年は8月の上旬に蕾をつけ始めたので1ヶ月程早いペースです。
今回は7月下旬に開花しました。
参照:ワタの花 ▶
ワタの茎が木質化する
茎の基部は木質化して上部を支えています。野生では多年生でワタの木(棉)になるようですが、寒さに弱いので、日本では冬には枯れてしまい、一年草扱いとなっているようです。
ワタの収穫期
9月初旬は残暑厳しい頃なのですが、今年の関東地方は平均気温がぐっと下がり、ワタの葉が紅葉し始めてしまいました。赤く色づく葉はきれいですがたくさんのコットンボールが完熟を待つ中、どうなるのでしょう。
今回は虫に葉がやられないように厳重にチェックをして、こまめに虫の卵や虫を取り除いて被害を抑えていたのに、思わぬところで葉の成長が阻害されてしまいました。自然相手の栽培は難しいです。
その後、夜間の気温の低下はあるものの、晴天が続いて9月上旬から中旬にかけて無事コットンボールがはじけ始めました。
10月中には次々と実がはじけました。
参照:はじけるコットンボール ▶
最後のコットンボールがはじけるまで
例年より早めの寒波が襲来したため、今年もベランダに簡易ビニール温室を設置して鉢を退避。
霜も降り始めましたが11月中旬に残りのコットンボールがはじけました。
副萼が紅葉したコットンボールの色彩はクリスマスカラーで綺麗です。
12月、残りすべてのコットンボールがはじけました。そのまま収穫せずに、簡易ビニール温室の中で、じっくりと乾燥させてふっくらとした白い綿花を楽しんでいます。葉は落ちずに枯れ色になったまま残っています。
ワタのプランター栽培を終えての感想は台風や長雨、虫、温度管理等、日本での屋外栽培は管理が難しそうです。
あらためて、栽培農家の方ってすごいなと感じました。
枝つきドライコットン(綿の実)
花材として枝つきのドライコットンを作るには、実が弾け始めた頃に茎ごとばっさりと切って葉を落として風通しの良い場所に吊るして乾燥させます。
弾けていない実があっても、冬のうちに弾けることが多く、長期間ふかふかのわたが楽しめます。
▶︎ 参照:敗者復活戦!? ワタの間引き苗の成長
ワタの葉痕
越冬栽培したところ、葉痕が姿を現しました。
葉痕に関してはアジア綿の方が愛嬌があってかわいいです。
「魔法瓶でワタを発芽させる」で
発芽させたワタは、昨年アメリカ綿・アジア綿を育て越冬させた土に定植をして、陽当たりの良い風の当たらない環境で管理しました。
成長停滞期知らずのワタで、ワタ栽培をしていた土の方が成長が良かったのでリレー栽培実験です。
猛暑の影響もあるかもしれませんが、アメリカ綿・アジア綿(矮性種)、どちらを育てた土を使用しても良好な結果となりました。
アメリカ綿を横長プランターに2本、8号鉢に1本ずつ3本と、アジア綿を横長プランターに2本栽培。
5月上旬に種子をぬるま湯に浸し始めてから10日目には本葉の兆しも見えるほど順調に育ちました。
魔法瓶でぬるま湯に種子を浸し始めてから4週間後の様子です。
発芽期間が短かったのもあり、昨年と比べて成長が速いようです。
こちらは種子をぬるま湯に浸してから48日後、6月下旬の様子です。
停滞期が見られず順調に育ち、鉢植えもプランターのものもすべて蕾がつき始めました。
横長のプランター1つに2本
8号鉢に1本ずつ、3本栽培
7月中旬にはどのワタも花を次々と咲かせ、実のつき始めたものも。
綿を越冬栽培した土で育てたワタ
7月下旬の様子。新しい土を使用したものより越冬栽培させた土のものの方が成長が良いです。
新しい培養土で育てたワタ
新しい土を使用したものも花を咲かせましたが、比べると花の数が少なめ。
8月上旬の様子。アメリカ綿に大きな実がいくつもつきました。
8月下旬、早々に実がはじけました。アジア綿より3日遅れての開絮です。
アメリカ綿の方がアジア綿と比べて実が大きいため、完熟するのに時間がかかるのだと思われます。
9月中旬には15個のコットンボールを収穫しました。ふかふかのかわいい実が次々とはじけています。
10月上旬までに収穫し終えたコットンボール。成長が速かったので寒くなる前にそこそこの量を収穫することができました。
今年は台風が頻繁に来たので、早めに摘み取ったものもありますが、現在は乾燥してふっくらとなりました。
参考までに、同条件で新品の土だけで育てたものは、やや遅れて実が弾ける結果となりました。
また、今回は栽培実験のため越冬栽培させた土だけを再利用したので土の量が少なかったせいか、成長は速かったものの、さほど大きく成長はしませんでした。
なので、大きなプランターで育てるのに越冬栽培させた土が足りない場合は、成長停滞期後に根を張る底の方には元肥入りの新しい土を入れて2段構造で栽培すれば、さらに良い結果になるのではないかと考えています。
その後のチャレンジは
続・魔法瓶発芽 アメリカ綿の成長 ▶
アジア綿 (矮性種) も同様に発芽させ、昨年アジア綿栽培をしていた土に定植したところ、順調に育っています。
こちらは種子をぬるま湯に浸してから26日後の様子です。
6月下旬には蕾がつき始めました。
7月中旬の様子です。
アジア綿(矮性種)も昨年と比べ、驚くほど育ちが良いです。背丈がアメリカ綿より大きく、摘心するほど。
葉も大きいものはアメリカ綿と同じくらいで15cmくらいあります。
葉もたくさん茂り、早々に実がつきました。
摘心した枝は水に挿しておくと長持ちして花も咲かせてくれるので、切り花としても楽しめます。
8月上旬の様子。
特にアジア綿は昨年と比べ、実の数も多く大きく元気に育っています。
8月の上旬だというのに、既に1本につき12〜13個の実をつけています。
昨年育てたワタの越冬栽培土の効果があったのか猛暑のせいなのか、1枝に複数個の実をつけているので、矮性種とは思えないほどの存在感です。
昨年は8号鉢に2本育てたので、鉢の大きさによる土の量も関係していると思われます。
花も次々と咲いて綺麗です。
8月中旬、まだまだ花を咲かせていますので液肥を与えました。
8月下旬、早々に実がはじけました。
種子を魔法瓶に入れてから、ちょうど15週間たったところです。
昨年と比べ、かなり早いペースです。
2本とも同時に1つずつ実がはじけていました。
その後、毎日1つのペースで実がはじけ続けていましたが、曇天の日は一時休止のようです。
しばらく天候が悪そうなので8月31日にコットンボールを収穫しました。
9月中旬には26個のコットンボールを収穫しました。
10月上旬までに収穫し終えたコットンボール。昨年と比べると成長が速くて大きく成長したので、2本しか栽培しなかったのに収穫量が多いです。
アジア綿の魔法瓶発芽&昨年の越冬栽培の土を使ったリレー栽培は大成功!
10月中旬、ひとしきり収穫が終わると再びたくさんの蕾をつけ始めました。
摘心をしてコンパクトにしてポリ袋を被せて防寒対策をしました。
10月下旬、花を咲かせました。
摘心後に水差しをしておいた枝の蕾も同日に開花しました。
たくさんの蕾はありましたが冷え込みが厳しく、残念ながらコットンボールとなることはありませんでした。
試行錯誤を繰り返してのワタ栽培実験も4年目となりました。
アメリカ綿とアジア綿を各1鉢ずつ、やや大きめの鉢で栽培することに。
魔法瓶発芽は効率が良いので、今回もこの方法を用いました。
前回の越冬栽培させた土でリレー栽培をしようと試みたところ、団粒構造が崩れ、通気の悪い土となってしまいましたので、通気口を設けることで対処しました。
結果は悪天候も重なり、可もなく不可もなくと、曖昧な結果に。
有意義な共生菌があるとしても、同じ土の度重なる使い回しは無理があるようなので、程良いブレンドした土作りが今後の課題となりました。
ワタ栽培第4弾も魔法瓶発芽。
3月の低温・気温の乱高下、4月10日には降雪など、例年と比べて異常な日が続き、4月の中旬にようやく実施。
早々と発芽させても、外気温が低いと苗が育たないため。
魔法瓶に35℃のぬるま湯と種子を入れたところ、翌日発根。
赤玉土に入れて保管しておいたところ3日目には1つのアメリカ綿の双葉が姿を現し、夕方には綿帽子を脱ごうとしていました
綿帽子を被った発芽
7日目には遅れてもう1つの綿帽子が出てきました。
この後、気温の低下状態が続いて2つ目の綿帽子は脱げずにいました。
放置しておいたところ、子葉を展開することができずに成長が著しく遅れてしまいました。種子の殻は簡単に外せる状態の時に取り除いた方が良いようです。
1つは順調に育っていますが、綿帽子を取り除かなかった苗は育ちが著しく遅くなってしまいました。間引きせずに2本このまま育てることにしました。
今回、関東地方では記録的な日照不足となり、一番花が開いたのは7月下旬になってからでした。
早々に発芽させても日光と気温がないと成長へのダメージは大きいですね。
8月上旬、連日の猛暑に次々と花を咲かせ続け、実も今までの遅れを取り返すかのように大きくなっています。
8月中旬には花が減り、実が目立つようになりました。
今年は春にカメムシの異常発生があったせいか、カメムシによる被害もありました。カメムシはスギやヒノキの実を餌にして成長するそうで、スギ・ヒノキの花粉数が多い年は、カメムシ大量発生するのだとか。奥武蔵はスギ・ヒノキの産地なので悩ましい問題です。
また、9月になって副萼と実の間にガの幼虫が…。意外な盲点にダメージ少々。
9月中旬になって、コットンボールがやっと弾け始めました。
10月上旬、弾けたコットンボールを摘み取らないで、次々と弾ける様子を楽しみました。
気温の低下で葉が次から次へと落ち、元気がなくなってきました。
日本の風土に合っているのか、同じ環境で育てているアジア綿はまだまだたくさんの花を咲かせて元気です。
根詰まりも考えられるので、もっと大きな鉢にすれば良かったです。
10月中旬、猛烈な台風が関東直撃という予報を受けて、弾けていない緑色の実もありましたが、根元からばっつり切って収穫し、その後、葉を落として乾燥させることにしました。
少々名残惜しく、嵐の前の静けさの中、澄み切った空を背景に記念撮影。
くるくる枝を回すと、あら素敵。
青い空に浮かぶ綿雲みたい。
ふんわりとしたコットンボールに気分はほっこり、触ってにんまり。
台風一過で気温が上がったせいか、収穫から4日後に3つの緑色の未熟果が弾けて白いワタが姿を現しました。
少々早摘みしてしまいましたが、弾けて良かったです。
10月下旬、先端に残った最後の1つの実もついに弾けました。
また、綿花収穫後のバッツリ切られた本体からは新しい芽が出てきました。できたら、室内にて越冬栽培したいと思っております。
11月下旬、葉の枚数も増え、ちょっとした盆栽風となりました。
残念ながら、冬の寒さに耐えきれずに2月に枯れてしまいました。
4月中旬、アメリカ綿と一緒に魔法瓶発芽させたアジア綿も7日目には綿帽子を脱いで双葉が姿を現しました。
アジア綿はアメリカ綿と比べ、発芽率も発芽速度も速い傾向がありました。
本葉が出始め、根が伸びる前に大鉢に定植。順調に育っています。
魔法瓶発芽させ、前年の越冬栽培の土を利用して大鉢で1本育てるつもりが間引きができずに4本仕立てになってしまいました。
異常な日照不足で昨年より成長が遅くなっていますが、アジア綿の一番花の開花はアメリカ綿と比べると4日早い7月下旬。
アメリカ綿が咲き始めた時には二番花も終わっていました。
猛暑日の中、次々と開花しています。
8月上旬、実もできてます。
成長期の気温の低下や乾燥、長雨による日照不足、連日の猛暑により開花がずいぶん遅れましたが、8月中旬にはたくさんの花と実がつきました。
4本の寄せ植えなのでにぎやかです。
8月30日、実が弾け始めました。
開花が遅かった割に、思ったより早いペースです。
弾けたコットンボールがぽこぽこ並ぶ様子を見たくて、摘まずにとっておいたところ、9月9日に台風襲来。
台風一過後、実が落ちずに残っていましたが、弾けてから残して置いた実は白いわたが長く垂れ下がってきて今にも落ちそうです。
軽く触れると、実離れがよく、わたの部分がはずれるものもあります。
大きさにはバラつきがあり、大きいものは5cmほどで種子が5個入っていました。3cmのものには3個。
約1cmの綿毛の中に大切な種子が1個包まれているようです。
自然界ではこのように種子を落とすのですね。そろそろ収穫です。
9月中旬、第1期の収穫です。
染めたての藍の生葉染めをした絹布とセットで記念撮影。
その後、新たに弾けた実や咲き始めた花もあり、まだまだ楽しめそうです。
10月中旬、猛烈な台風19号が関東襲来という予報を受けて、コットンボール第2期の収穫しました。前回のものと合わせています。
まだまだたくさんの花を咲かせて本体は元気が良いので室内に避難です。
同環境で育てていたアメリカ綿は既に葉を落として元気がなくなっていたので、アジア綿の方が日本の気候風土に合っているような気がします。
11月下旬、葉を落としながらも新葉を出しています。
コットンボールもちらほらと弾けています。淡く色づいた副萼が綺麗です。
うっかり引っ掛け落果させてしまった堅い緑色のコットンボールも放置しておいたら弾けてきました。
12月上旬、冬の澄み切った青空に白くて温かそうなコットンボール。
大きさは1房4cmくらいです。
純真無垢!? とても綺麗です。
落果させてしまったコットンボールもさらに弾けてイイカンジです。
12月中旬、コットンボールがふっくらとしてきて良かったです。
未開封時に落果させた実でもちゃんとふかふかになりました。
枝を早めに摘みとっても、室内乾燥でコットンボールが弾ける訳ですね。
環境は暖房なしの室内ですがお正月になって弾けたものもありました。
天気の良いおだやかな日は日光浴。
同じ環境で越冬させているアメリカ綿は寒さにやられてしまいました。日本の環境にはアジア綿の方が合っているようで、このまま栽培続行です。
その後、暖冬のおかげで、アジア綿がどうにか越冬できました。
冬越しできたワタからコットンボールが弾けるまではコチラ。
アメリカ綿は清楚で軽やかなフヨウに似たクリーム色の花を7~9月に咲かせます。花径は5〜6cm位です。
花は淡い黄色の花弁が5枚あります。
萼片は5枚で、杯状の萼になっています。3枚の大きな萼のように見えるのは副萼で、これは実になっても残り、オシャレな感じがします。
副萼:ワタのなどのアオイ科の花には萼の外側に萼状の構造が一輪あります。この萼片状の構造は副萼片、集合名称として副萼 と呼ばれるそうです。副萼片は萼片の托葉起源だと考えられており、萼片と共に開花前の花を保護しているのだそうです。
参照:BotanyWEB 萼片と萼
萼片の付け根や副萼片の基部から蜜が浸み出す場所は花外蜜腺。花の外側に分泌されるので広い意味では花外蜜腺に含めることができるそうです。
▶ 参照:ワタの花外蜜腺
ワタの花 蕾から開花するまでの様子
ワタの花 雌しべと雄しべの様子
ワタの花は自家受粉をするそうです。
開きかけたワタの花を見ると雌しべは雄しべの中に埋もれている様にも見えます。
開花時の様子。存在感のある雌しべと雄しべが至近距離にあるので、わずかに揺れただけでも受粉しそうです。
人工授粉はしませんでしたが、殆どの花が結実しました。
ツブツブの花粉があちこちに付着しています。花粉は被子植物の中でも大きい方なんだそうです。
ワタの花 開花後の様子
ワタは、開花の翌日にはピンク色に変化して閉じてしまいます。朝から夕方にかけて白から徐々にピンク、紅色に変化する一重の酔芙蓉(スイフヨウ)に似ていて花も充分に楽しめます。
この綺麗な花があの綿になると思うとなんとも不思議です。
ワタの花は咲く日の天候や時間・場所によっていろいろな表情を見せます。
ワタの花は天気が悪い時にはゆっくりとピンク色に変化していきます。翌日の午後になってもまだきれいな花の時もありました。色の変化には紫外線も関係しているのかもしれません。
このように雌しべを拡大して見ると、柱頭の数が3つだったり、4つ・5つといろいろあります。受粉後、この数の部屋でわたの繊維が成長するので、将来コットンボールとなってはじけた時のわたの塊の数になります。
参照:ワタの実の部屋の数 ▶
ワタの花は、だいたい開花2日後位に萎れて花を落とします。
落ちた花を解体して、花の構造を観察してみました。詳しくは
参照:ワタ花の構造 ▶
ワタの花のつき方
元気が良いと、幹側から分枝した枝にリズミカルに花をつけ、1枝に複数の実をならします。
ワタの花の寿命は短く、開花したてはクリーム色で徐々にピンク色に変わり、翌日には濃いピンク色になって、その後萎れて、子房の成長に押し上げられるのかポトッと花を落とします。
ワタの花は開花後のピンク色になった頃が受粉の目安だといわれています。そこでピンク色に変化した花を観察してみました。
この花は落ちていない花なので受粉が終わっていない可能性があります。
子房部分 縦断面です。
種子の卵 (胚珠) と思われるものが整然と並んでいます。
こちらは自然落花したワタの花。
ワタの花は雌しべ・雄しべを絞り込むように捻れて閉じています。
ワタは、基本的には自家受粉するのだそうです。なので自ら花弁を捻って、雌しべと雄しべを巻き込む事で、より確実に自家受粉できるようにしているのではないかと推測中。
トラマルマルハナバチ等、ハチがよく訪花していますが、ワタの花粉は重すぎてトゲもあるので風媒花にも虫媒花にもなりにくいのだとか。
ハチのお目当ては、萼の基部の花外蜜腺から出る蜜だったのかもしれません。
▶ 参照:ワタの花外蜜腺
捻れた花弁を1枚ずつ取り外して中の様子を見てみました。
雌しべの柱頭がピンクのハートに見えます。雄しべも花粉で金色に輝いて、何だか豪華です、
雌しべの柱頭に花粉がついています。
たくさんの雄しべの花糸は合着して、花柱を筒状に囲んでついています。
筒状になった雄しべの花糸を開いてみると雌しべの花柱がすっぽり収まっています。
雌しべを取り出してみました
ピンク色に変化していないものも確認してみました。どちらも雌しべの柱頭の基部は捻れています。
ワタ栽培をしていると蕾が落ちたり、未熟な実が落ちてしまう生理的落果が見られることがあります。
蕾や未熟果の脱落の原因として、
・水が少な過ぎる、多過ぎる
・日照不足や日陰環境
・窒素などの栄養不足
・高温乾燥・高温多湿
・蕾や実が多すぎる
・昆虫による損傷
などの可能性が考えられます。
生理落下したと思われる未熟果を観察してみました。
ワタの実は蕾の頃から完熟まで、萼のように見える3枚の大きな副萼片に守られて成長します。
花が終わると、子房が膨らんできて実になり始めます。子房は5枚の萼片が合わさって1枚となった、ぴっちりとした萼に包まれています。
副萼片を1枚取り除いて中をみると、鳳凰が翼を広げたみたいです。
コアシナガバチが萼と副萼片の間に頻繁に潜り込んでチェックしています。花の中にはあまり興味がないようです。獲物でもいるのでしょうか?
調べてみると、ワタは3種類の花外蜜腺を持っていて、その1つが萼と副萼片の間で目的は花外蜜だったようです。他は葉の裏の主脈、もう1つは副萼片と花柄(果柄)の合着する場所にあります。
▶ 参照:ワタの花外蜜腺
副萼片と萼を取り除いてみたところ。
果皮片を2枚外して中を見てみました。トウモロコシの粒のように白い玉状のものが並んでいます。
果皮片を全て外してみると、種子の赤ちゃんがソフトクリームみたいな形で入っていました。
種子の赤ちゃん達は4部屋に分かれて格納されていました。
1粒の種子の赤ちゃんを取り出してみると、微細な白い繊維で覆われていました。触れると、水っぽいです。
生理落下したと思われる未熟果で、もう少し成長しているものを観察してみました。
副萼片を全て取り除いてみたところ。
萼と4つに分かれた果皮片を1枚取り除いてみると、既に白い繊維状の塊が輝いています。
果皮片を全て取り除いてみると、白い繊維が伸びて、ワタの実の成長過程1と比べると、ふっくらしているように見え、ソフトクリームみたいです。
将来、綿毛になると思われる白い塊は水分をたっぷり含んでいます。
白い水分をたっぷりと含んだ繊維の塊の中に種子らしきものが見えます。
1粒の種子らしきもののには既に繊維が出ているものと思われ、剥がれにくい状態です。
ワタの花が萎み、受粉が成功して待望の実がつき始めました。
実は先が尖った卵形です。受粉を終えて萎んだ花が引っ掛かっています。
少々大きく育ってきた未熟果を観察してみました。
副萼を外してみたところ。
萼と副萼は大きさが殆ど変わらないので、相対的に見れば実が大きくなったのが分かります。
萼も取り除いてみると、実の大きさは2cm位です。
5つに分かれた果皮片を1枚取り除いてみると、水分たっぷりの白い繊維状の塊が輝いています。
中身を傷つけてしまい、ぐしゃぐしゃになって水分が出てしまいました。
中の白い繊維状の塊を壊さないようにして、果皮片をもう1枚取り除いてみると、きれいなワタのような塊がでてきました。
中身を傷つけなければ、塊の表面はやや乾いていてキレイに取り出せます。
果皮を全て取り除いてみたら、絹のように光沢があり、ソフトクリームとかわた菓子みたいな形でかわいいです。
成長と共に、増々かわいらしくなってきています。
1塊の中に縦2列の塊がワンセットになって5部屋に1セットずつ格納されています。
※実の中の部屋数は果皮片の数と同じで、個体差があって5部屋だったり、4部屋・3部屋だったりします。これは複数の心皮が合生して1つの雌しべを構成しているためで柱頭の分裂の数に一致しています。
4つに果皮片が分かれている同じ位の大きさの未熟果を上から見たところと横断面。
3つに果皮片が分かれている同じ位の大きさの未熟果の取り出した中身。
心皮は萼片・花びら・雄しべと同様に葉に相当する器官で、へり近くに胚珠がついた葉が胚珠を封じ込めるように折りたたまれた、ミカンの房のような基本構造を持つ。
参照・引用:雌しべと心皮
1部屋に格納されていたワンセットの塊です。みかんの一房みたいな形ですが、質感はフカフカした感じでかわいらしい。
ワンセットの塊を半分にするとワタの種子が湿った繊維の中、並んでいるのが分かります。
未熟なワタの種子を1粒取り出してみました。この種子は約4mmです。
この種子の表皮細胞が細長く成長して綿毛の繊維になるわけですね。
9月初旬、そこそこ膨らんだワタの実の中の様子を観察してみました。
副萼片を1枚取り除いてみると、萼がパッツンパッツンになっています。
ワタの実は副萼や萼の大きさが殆どかわらないのでワタの実の成長過程3の頃の実を比べると、すいぶんと果実が大きくなっているのがわかります。
副片と萼を取り除き、4枚に分かれた果皮を1枚剥がしてみると、薄皮に覆われた将来わたになる部分が出てきました。緑色の果皮は以前と比べると少々堅いです。
薄皮を剥がすと真っ白に輝く将来わたになる部分が出てきました。
薄皮は柑橘類の房の皮が乾燥した時のような感じです。
果皮と薄皮を全部取り除いてみると綿ですが、絹のように真っ白に輝いています。水分は以前より少なめです。
白い部分の長さは3.5cm位。
4つに分かれている繭玉みたいな白い塊の1つを取り出してみました。
白い塊は全体を覆う薄皮の中央の下部分から栄養をもらっているようでここだけがしっかりとくっついています。
白いみかんの房のような形の塊は将来フカフカのわたになる部分です。縦にある筋に沿って切ってみました。
マツの実みたいな淡いクリーム色で縦長の種子が数個入っています。大きさは1cm位です。中央に入っていた種子が半分に割れてしまいました。
種子の中はかなり成熟してきてるようで、子葉が折り畳まれているような胚が見えます。
白い塊から種子を取り出すと種皮からわたの繊維が伸びています。
1つのワタの実の中の様子です。1房に7つの種子が入っていました。他の房にも同じ位の種子が入っていると思われます。
取り出したワタの実の中のものを自然乾燥させてみました。
ワタの実の成長過程3以前の未熟果のものは水分が多く、空気にさらされると、すぐに変色してダメになってしまいましたが、今回は白いままキレイに乾燥しました。
種子を取り出して、乾燥させたものは濡れたティッシュが乾いた時みたいになっていましたが、ほぐしてみると、ちゃんとフカフカのわたになっていました。
白い繭のような塊も割って、ほぐしてみると、ほっこりとしたわたの繊維になっていました。この頃の実は熟成に向けて徐々に水分を減らしている段階のようです。この塊の中も種子が7個入っていました。
完熟前の実を摘むのには、ためらいがありましたが、この時期の果実の中の様子を知る事ができて有意義な結果となり、良かったです。
その後再確認したところ、白いみかんの房のようだった開絮前のわたは完全乾燥して驚くほど軽くなって本物の蚕の繭のような質感になっていました。
9月中旬、ワタの実がはじけ始めた頃、待機するワタの実の副萼と果柄を繋ぐ辺りの穴から水滴が光っているのを幾つかの実で見かけました。
この穴の存在は実の成長過程を追っている時に何のための穴なのか疑問に感じていました。
これは完熟へ向けて内部を乾燥するために水分を排出するための穴なのだろうか?ならば、水が抜けやすいようにと実が上向きになるように、重そうな実のついた枝をやさしく誘引してみました。ついでに水滴をティッシュで取り除いてみました。完熟が早くなるかも?と思ったのですが、そんな気配もなく、時間がたってから弾けました。
その後、この水滴に見えていたものは花外蜜であることが判明しました。
舐めてみたら甘かったのですが、この時期の花外蜜はどんな役割をしているのでしょうか?害虫となる虫を捕食してくれる虫を誘引するには時期が遅すぎるように思えます。余剰した水分や栄養を排出して果実内の腐食を防ぐとかなんでしょうか?
▶ 参照:ワタの花外蜜腺
9月上旬から中旬にかけて、コットンボールが姿を現しました。
専門用語では綿の実が開くこと開絮 (かいじょ) というそうです。
※昨年は10月中旬に開絮し始めました。
次から次へとコットンボールがはじけて、触り心地はうさぎの尻尾みたいでふっかふかで、かわいい!です。
昨年は10月中旬以降の開絮だったので晩秋に緑のままの実が数個残ってしまいました。プランターをビニール温室に入れておいたところ、冬になってから、やっとコットンボールがはじける事ができました。
そこで今回は早めに種まきをして保温しながら栽培を始めたところ、育ちの良い鉢の方は9月中旬には早々に9つのコットンボールを収穫し終える程、順調に開絮し続けるという、大満足の結果となりました。
このやり方を踏襲したところ、9月中旬に16個のコットンボールを収穫できる年も何度かありました。(9〜10号鉢栽培)
その後、10月になって次々とコットンボールがはじけ続けています。笑ってしまう程、ふっかふっかのボリューム満点のものから小ぶりなものまでいろいろあり、実の成長は均一でないのだということを実感しました。
コットンボールの下に敷いてある青い布は家庭で育てたタデアイを使って藍染めをした布です。上は綿の還元染め、下は絹の生葉染め。
家庭で簡単に藍染めをしたい方はコチラ。
趣味の藍染め ▶
コットンボールの収穫方法
アメリカ綿は、はじけるのに時間がかかるので、屋外できれいな状態で収穫するのが大変です。そこで、10月中旬頃にまだ開いていないコットンボールを枝ごと収穫し、葉を取り除いてから、風と通しの良い日陰で干しておくと良いそうです。
状態によって変わるワタの名称
繊維をつけたままの種子:実綿 (みわた)
実綿から種子を除いたもの:
繰綿 (くりわた)・綿花 (めんか)・リント
繊維を除いた種子:綿実 (めんじつ)
はじけてから乾燥させ、しばらくして雨に濡れないうちに収穫しました。
果皮の内側が金色に光ってアクセサリーみたいできれいです。
副萼もアールヌーボーのように美しい曲線で実を縁取ります。
今回はアジア綿 (キダチワタ)の矮性種と思われるドワーフコットンの種子を入手することできたので栽培してみることにしました。
※ワタの矮性種だと説明があったのですが、品種が不明だったので、花が咲いてから品種を判断しています。交配種の可能性もあるので、正式名は不明。
アジア綿 (矮性種) の種子
アジア綿 (矮性種) 種子はアメリカ綿と比べると少し小さくて丸っこいです。
アジア綿 (矮性種) の発芽から定植
種まきから発芽・定植まではアメリカ綿と同時期に行いましたが、ほぼ同じ感じの成長具合で違いはよくわかりませんでした。
ワタは移植を嫌うので本葉が出始めた頃、8号鉢に市販の培養土を入れて早々に定植しました。
順調に成長しています。
夕方になると閉じるかのように葉が下向きになります。乾燥や温度、光合成等、環境変化に適応できるように微調整しているのですね。
本葉も少し大きくなってきました。
3枚目の本葉が出て来て、14.5cm位の大きさになりました。
この後、本葉が数枚出ると成長停滞期となり、ゆっくりと成長を続けます。
その続きは アジア綿 (矮性種) の定植後 ▶
矮性種のせいか、本葉が出てきてからの成長がアメリカ綿と比べると遅く、育ちの悪い感じでした。
参照:アメリカ綿の栽培の成長過程
ワタの定植 ▶
この時育てたアジア綿の種子を翌年にまいて育てたところ、アメリカ綿よりもずっと大きく育ち、たくさんの実をならせました。土と気候が大きく関係しているようです。
参照:魔法瓶発芽 アジア綿の成長 ▶
葉はアメリカ綿より小ぶりで黄緑色。切れ込みが深く、裏に産毛が多くて、何となく乾いて軽くてソフトタッチな感触です。茎は細くて赤紫色です。
葉柄も短く、細いです。
7月を過ぎてから少し成長が速くなりました。蕾もつき始めました
開花の様子は アジア綿 (矮性種) の花 ▶
7月中旬に小さいながら、次々と花を咲かせました。花は葉腋から出る枝につきます。
花も3cm位とかなり小さめで、咲き始めた頃に下向きに咲いている場合には気付かないほど控え目で、地味です。
閉じ気味にしか咲かない花の中を下から覗いてみると、中は濃い臙脂色に明るいオレンジ色の花粉で派手です。
内弁慶タイプの花のようです。 (笑)
花は1日だけ咲いて黄色からピンク色になって閉じますが、蕾のまま開いていないような遠慮がちな咲き方です。
7月下旬、実と蕾が複数ついていますが、どちらも副萼に包まれてぱっと見には違いがよくわかりません。
副萼の一部がピンク色になっているのが受粉後の実かと思いきや、ピンク色になった副萼をめくってみると黄色い蕾が待機しているものもあります。
8月中旬頃に咲いた花は横向きに開き、小さいながらやや自己主張が強い感じで輝いています。花弁のフチ部分は早朝からピンク色です。
葯が開く前と開いた後。
これは、間引き苗に使い古しの土を使用していたため、育ちの悪かったワタで、8月になっても30cm位の草丈にしかなれませんでしたが、3cm位と小さいながら上向きに得意気に花を咲かせました。
8月にしては珍しく雨の日が続いて、気温も高くはないですが、小さくても頑張って花を咲かせました。
葯が開いて雌しべの柱頭に花粉がついているようです。
間引き苗でもこのようにちゃんと花を咲かせるのですから、せめて土はいいものを使ってあげれば良かったです。
市販の培養土で育てたワタには花弁がクリーム色でボリュームのある花も咲きました。草丈が50cmを越えた程度のワタのものです。
アメリカ綿を隣で栽培していたので、アメリカ綿と交配したのでは?と思っていたらアメリカ綿とアジア綿は交雑しないということです。
アメリカ綿 hirsutum(ヒルスツム)の染色体は26個、アジア綿 arboreum(アルボレウム)は13個。染色体の数が違う品種同士は交配できないということです。
▶参照:綿の学習をしよう
育ちの遅かった間引き苗がゆっくりと育って9月中旬に下向きに咲かせました。覗いてみると、とても綺麗です。
第1陣は既にコットンボールがはじけて収穫が終わってしまいました。
実がわたになれるかわかりませんが、美しいので見とれてしまいました。
朝夕は気温が下がってきましたので、ビニールで覆い、保温をして管理することにしました。
結果、その後に咲いた花も含めすべての実が弾けてかわいいコットンボールとなりました。
参照:アジア綿 (矮性種) 収穫後 ▶
ワタの花は開花の翌日にはピンク色になって閉じてしまいます。
その後、萎れて花弁を落とします。
副萼をめくってみると子房が膨らみ、受粉が無事終わっているようです。
子房の下部をぴっちりと包んでいるのは萼です。帽子を被っているように花弁が子房についています。
開花後に落ちたアジア綿の花を観察してみました。アメリカ綿同様、花弁の基部が捻れて、絞り上げているような感じです。
下から見るとペンのキャップみたいな形で空洞になって、帽子を被るように子房についていたものです。
開花後に落ちたアジア綿の花の花弁を一枚取り除いてみた中の様子。
アメリカ綿と構造は同じです。雄しべは根元でくっついていて、筒のようになって花柱を囲んでいます。
柱頭にも花粉がついています。
ワタは両性花で自家受粉します。
落ちた花がらでアジア綿とアメリカ綿の花を比較してみました。
アメリカ綿の花の方がかなり大きくて色鮮やかです。
花弁を取り除いて中の蕊部分を見てみると、アジア綿は花の蕊部分の割合がアメリカ綿と比べると大きいです。
中の色は圧倒的にアジア綿の方が鮮やかです。
また、花が落ちた後の本体の子房部分はこんな感じでした。この子房と萼の間に帽子を被るように花がついていたのですね。
受粉に失敗したのか、生理落果したのかわかりませんが、落ちていたアジア綿の実の中の様子を見てみました。
実を覆う3cm程の副萼を開いてみると萼に包まれた子房が見えます。
副萼を取り除いたところ。
子房部分の縦断面。
中は3室に分かれていて、毛で覆われた種子が各室に並んで入っています。
種子を取り出したところ。
8月上旬、下向きで副萼に覆われて目立たないですが、皮質の実が3cm位の大きさになっています。地味ながら、順調に育っています。
8月中旬のアジア綿の様子です。
枝が細くて短いので、1枝に実が1つしかつかないようです。
実は副萼に包まれて目立ちません。
9月初旬早朝に3つのワタの実が開絮 (かいじょ) していました。
種まきから140日目の8号鉢2本仕立て・高さ約60cmの矮性種です。
コットンボールがはじけて待望の白いわたが姿を現しました。
1つの房の長さは2cm位と小ぶりですが、かわいいです。
9月上旬には8号鉢2本仕立てで栽培していたコットンボールすべてがはじけ、全部で6個の綿花ができました。
矮性種なのでボリュームに欠け、種子が透けて見える程ですが、そのおかげで乾燥が速く、一足速く完成です。
今年は8月の日照不足や9月の気温の低下などあったので、コットンボールが無事はじけるのを見ることができて良かったです。開絮後、3日間程乾燥させてから、収穫しました。
アメリカ綿のコットンボールと比べるとこんな感じです。
間引き苗も、少ないながら副萼が紅葉し、きれいな実をつけて1ヶ月ほど遅れて、10月初旬に開絮し始めました。
間引き苗第1号のはじけたふかふかのコットンボールを今年育てた藍の生葉染めの上で撮影してみました。
11月初旬に開絮したコットンボールは副萼がきれいに紅葉し、コントラストのきれいな実となりました。
木枯らし1号も吹き荒れた後ですが、ビニールで保温したのが良かったようです。
種まきから140日目の8号鉢2本仕立て・高さ約60cmだったアジア綿矮性種はコットンボール収穫をして約1ヶ月後、10月上旬には高さが約75cmになり、12個ほどの蕾をつけて再び花を咲かせ実もなっています。
下の方の葉は落ち、副萼は赤く色付きましたが葉はまだ緑色のままです。
気温が低いせいか花は2〜3日咲いてから、じっくりと萎んでいます。
10月になって再びワタの花が楽しめて嬉しいです。
赤い副萼に包まれる実はチャーミングです。開絮できると良いのですが…。
翌1月、コットンボールが弾けていました。寒波も到来する中、暖房のない室内でビニールをかけているだけでしたが、小さい蕾もついています。
参考までに、
屋外の簡易ビニール温室の中で管理しているプランターのものは、さすがに-7℃にもなったので、ほぼ枯れ色になってしまいました。
辛うじて緑色の葉を残しているものは8月に発芽させた苗のような大きさのものですがよく見ると蕾をつけていました。
何とか無事越冬できたアジア綿でしたが、5月の天候不順により全て枯れてしまうという残念な結果となってしまいました。
しかし、この土にアジア綿の種子を春にまいて育てたところ、アメリカ綿よりもずっと大きく育ち、たくさんの実をならせました。ワタのリレー栽培は効果的なようです。
参照:魔法瓶発芽 アジア綿の成長 ▶
2022年、1つのプランターに3本栽培したアジア綿は、8月下旬には殆どのコットンボールが弾けました。
2022年は6月に猛暑が続いたからかもしれません。
副萼も赤みを帯びていて綺麗です。
夏から秋にかけて畑で咲き誇るオクラの花がアジア綿の花と雰囲気が似ています。オクラの花は野菜の中で最も美しいといわれています。
オクラもワタと同じアオイ科で、属は異なりトロロアオイ属ですが、暑さに強くて寒さには弱く、生育環境もよく似ています。
違いのポイントは雌しべの柱頭の色と形です。
また、花オクラとも呼ばれ、花を食べるトロロアオイの花もアジア綿の花と雰囲気が似ています。オクラの倍近くある大輪の花を咲かせます。
ワタと同様、開花の翌日にはピンク色を帯びて萎んでしまいます。
ワタと同じアオイ科の植物は美しい花を咲かせるものが多いです。
花の雰囲気が似ていますが、葉や蕊部分の様子が異なります。
スイフヨウ
フヨウ
フヨウの実の中の種子は毛がついているものの、ワタと比べると短くて疎で種子は小さめで数が多くて、ワタとはずいぶんと印象が異なります。
葉が落ちて枝先に実をつけた冬枯れのフヨウの実を枯れ芙蓉といい、俳句では冬の季語に使われるそう。
ワタとはまた違った魅力的な姿です。
サキシマフヨウウ
ムクゲ
ハイビスカス
ウスベニアオイ
タチアオイ
マルバストラム
このページは「なんだろな」の中の
「種子から育てるコットンボール」