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癒しのかわいいフカフカ植物
ネコヤナギ(猫柳)

銀白色のふっくら・ふっかふか
かわいらしいネコヤナギ

赤い芽鱗を脱ごうとするふかふかとしたネコヤナギの花芽

寒さの残る早春の河原などで、陽光に白く輝くネコヤナギの温かそうな姿を見るとほっこりさせられます。

芽鱗を脱いでフカフカの花穂が現れたネコヤナギ

そんな魅力的なネコヤナギの構造や変化を追ってみました。

川辺に自生してふかふかの花を咲かせるネコヤナギ

白いふかふかの絹毛に覆われているのはネコヤナギ花穂です。

川辺で白銀色に輝くネコヤナギの花

の展開より先に上部の枝にを咲かせます。

早春の川辺で白銀色に輝くふかふかのネコヤナギの花

ネコヤナギという呼称は明治以降につけられたそうですが、この愛くるしい姿を見れば納得のネーミングです。以前はカワヤナギと呼ばれていたそうです。

ネコヤナギカワヤナギはしばしば混同されるようですが、カワヤナギは両面とも毛はなく、と一緒にが咲き、花穂の色も緑色が強いということです。

ふかふかのネコヤナギの花

ふっくらとしてなめらかな質感からネコの名やエノコロイヌコロ)等に関連した呼称を多数持ちます。

ふかふか・ふっくらとしたネコ
ふかふかとしたネコ

触れてみると、のような滑らかな手触りで、ほんのりと温かい。

優しい感触で癒やされます。

芽鱗を脱いでフカフカとした花穂が現れたネコヤナギ

ネコヤナギの膨らんだ花穂リス尻尾にも似て見えます。

フカフカとしたエゾリスの尻尾
フサフサとしたエゾリスの尻尾
写真:峠を越えて 無料壁紙 より(現在は閉鎖)

ネコヤナギ雌雄異株で、それぞれに雌花雄花を咲かせます。

早春の河原に自生するネコヤナギの雌株
帽子を脱ぐネコヤナギの雌花の花穂

どちらのも赤褐色の帽子のような芽鱗を脱ぎ捨て、白銀色の絹毛が姿を現す頃の姿はよく似てます。

フカフカとして白銀色に輝くネコヤナギの蕾

ネコヤナギは樹高1~4m。

樹皮は暗灰色で皮目が散在。

一年枝は褐色や緑褐色で灰色の軟毛が未密生していますが、後に無毛となります。長い小枝は折れにくいという特徴があります。

早春の川辺の風物詩 ネコヤナギ

地域によっては2月頃から見られ、春の訪れを告げる植物として昔から親しまれている落葉低木です。

早春の川辺を彩るネコヤナギ

蕾芽のついた存在感ある独特の枝は魅力的なため、華道の花材切り花として人気があります。

学名Salix gracilistyla

英名:pussy willow・rose-gold

別名:エノコロヤナギ ベコヤナギ
   カワヤナギ

ヤナギ科 ヤナギ属


ネコヤナギについてはコチラもどうぞ

猫や仔犬の尻尾 ネコヤナギ ▶

大仁田山周辺 季節の植物 ネコヤナギ ▶

ネコヤナギ メニュー


ネコヤナギの花

春が近づき、暖かくなってくると、ネコヤナギは帽子を脱ぐように冬芽芽鱗を外し、白く輝く長楕円形の尾状花穂を次々と枝に登場させて、ネコヤナギ劇場を開幕させます。

帽子のような芽鱗を脱ぐネコヤナギの雌花の花穂

ネコヤナギ花弁も無く、雌雄異株で、雌花雄花、それぞれのを白いの間に咲かせます。

白銀色に輝くフカフカ状態の見頃は開花前となります。

芽鱗を脱ぐフカフカしたネコヤナギ

花穂には螺旋状にのような苞葉が密生していて、この苞葉を白い絹毛が覆っています。

フカフカとしてあたたかそうなネコヤナギの蕾

開花が近づくと、苞葉が開き始め、花穂は大きく膨らんで太い円筒状になり、伸びて長くなっていきます。

フカフカとしてあたたかそうなネコヤナギの花穂

花穂が膨らんでくると黒色や赤色に見えるのはこの苞葉の色が見えるようになるからです。

赤い苞が立ち上がってきたネコヤナギの花穂

開花するに連れて花穂は伸び、雄花は赤やオレンジ色や黄色、雌花は淡い黄色のポツポツで覆われ、リス等、動物の尻尾のような雰囲気になります。

河原に自生するフカフカとしてあたたかそうなネコヤナギ

この花穂の形がの尻尾に似ていることからネコヤナギ猫柳)という名がついたといわれています。

早春の風物詩 ネコヤナギ

白銀色に輝く頃が最も魅力的に思えますが、雄しべ雌しべが出た頃もふっくらとして素敵です。

早春に河原を彩るふかふかのネコヤナギ

尾状花序とはよく言ったものです。


ネコヤナギの雄花
花粉が出て来たネコヤナギの雄花

参照:ネコヤナギ雄花 ▶


ネコヤナギの雌花
開花するネコヤナギの雌花

参照:ネコヤナギ雌花 ▶

ネコヤナギの雄花

白銀色に輝く美しいネコヤナギの雄花

ネコヤナギ花芽芽鱗の中には白銀色に輝く絹毛が整然とまとまって格納されています。

白銀色の絹毛が輝く美しいネコヤナギの花芽の中

厳しい冬の寒さや乾燥等から護ってくれていた芽鱗が外れると、白銀色の絹毛をまとった花穂はふかふかとした温もりのある姿となります。

帽子のような芽鱗を脱ぐネコヤナギ

雄しべ花糸が伸び始めると絹毛は更にふっくらとしてきます。

苞葉が開いてふっくらとしてきた白銀色に輝くネコヤナギの雄花
ふかふかの白い毛が膨らんできたネコヤナギの雄花

雄花序は白いの間に苞葉の色が透けて赤っぽく見えます。

雄しべが出る前のふかふかの白い毛が膨らんだネコヤナギの雄花

花糸雄しべを支える糸状の柄の部分

雄しべ先端の花粉を入れる袋状の部分
  成熟すると裂開して花粉を出す

白い毛の間から赤い葯が出てきたネコヤナギの雄花

雄花の白い絹毛の間から赤や朱色、オレンジ色の色鮮やかなが姿を覗かせます。

白銀色の絹毛の合間に見えるネコヤナギの色鮮やかな葯

白い花糸が伸びて、その先端にある赤いが裂開すると、黄色い花粉が出てきて華やかになります。

赤い葯が開いて黄色い花粉が出てきたネコヤナギの雄花

雄花序は長さ3〜5cm。

ネコヤナギの雄花

ネコヤナギは放出した黄色い花粉を利用して飛ばす風媒花です。

カラフルな花粉を出すネコヤナギの雄花

また、の付け根にある腺体からを出し、を誘引して受粉を手助けしてもらう虫媒花でもあります。

腺体蜜腺の一種でヤナギ腺体は退化した花弁から作られているのだそうです。

参照:ネコヤナギの花の構造 雄花 ▶

赤い葯から黄色い花粉を出し始めたネコヤナギの雄花

そのため、白い毛はベタついているのか花粉がたくさんまとわりついていたりします。

白い毛に花粉がまとわりつくネコヤナギの雄花
赤い葯が開いて黄色い花粉を出し始めたネコヤナギの雄花
赤い葯が開いて黄色い花粉を出しているネコヤナギの雄しべ
白い絹毛の間から赤い葯が開いて黄色い花粉を出し始めたネコヤナギの雄花
次々と葯が開いて花粉を出すネコヤナギの雄花
ネコヤナギの雄花の黄色い花粉

花粉を出した後のは黒色になり、花糸はよれての役目を終えます。

ネコヤナギの雄花の終わり頃 拡大
最盛期を過ぎた頃のネコヤナギの雄花
最盛期を過ぎた頃のネコヤナギの雄花の花粉

3月中旬頃、花期が終わる頃に花穂が伸びて曲がりくねると、猫の尻尾エゾリスの尻尾に見えてきます。

猫の尻尾のように長くなったネコヤナギの雄花
ネコの尻尾
ふかふかした尻尾のエゾリス
写真:峠を越えて 無料壁紙 より(現在は閉鎖)
花粉が出ているネコヤナギの雄花

花期が終わる頃に小さな冬芽葉芽から芽吹きが始まります。

猫の尻尾のようにながくなったネコヤナギの雄花と芽吹き
ネコヤナギの雄花の終わり頃

芽吹き後、はスピーディーに展開し始めます。

葉が展開し始めた頃のネコヤナギの雄花

ネコヤナギの雌花

早春の河原に自生するネコヤナギの雌花

雌花雌しべが伸び始めると白銀色に輝いていた絹毛が空気をまとってふっくらとしてきます。

雌しべが出始めようとしているふかふかとしたネコヤナギの雌花

雌しべは全体的に黄緑色なので花穂が膨らんできた時には緑色を帯びて見えます。

ネコヤナギの雌花

雌花序は長さ2.5〜4cm。

雄花序よりやや小さめです。

柱頭が出始めた白い絹毛に覆われたネコヤナギの雌花

淡い黄色をしている柱頭がポツポツと姿を現し始めます。

柱頭が出てきたネコヤナギの雌花の花穂

子房:被子植物の雌しべの下部の膨らん
   でいる部分
   種子となる胚珠が入っている

花柱雌しべ柱頭子房の間の部分

柱頭雌しべの先端

雌しべが出てきたネコヤナギの雌花

雄花同様、白い絹毛の中から花柱が伸びて黄色い雌しべ柱頭が出てきて開花となります。

開花中のネコヤナギの雌花

雌花雄花に比べると、鮮やかさに欠けて地味です。

柱頭が出始めたネコヤナギの雌花

子房は卵形でほぼ無柄。全体が白い軟毛で覆われています。

雌しべが並ぶネコヤナギの雌花 拡大

花柱は長さ2.5〜3mmで、子房より長く、日本のヤナギ属では最も長いのだそうです。

花糸が細長く柱頭が2裂するネコヤナギの雌花 拡大

この細長い花柱ネコヤナギの学名の由来となったようです。

ネコヤナギの学名:Salix gracilistyla

属名 Salix はラテン語の古名でケルト語の
sal近いlis に由来するといわれる

種小名 gracilistyla
gracile細長いstylus花柱 が語源とされる


つまり、水辺に生育する細長い花柱の植物 というのが ネコヤナギ学名のようです

2裂しているネコヤナギの雌しべの柱頭

成熟期の雌しべ柱頭は淡い黄色で2裂しています。

ネコヤナギの雌花と柱頭 部分拡大

柱頭花粉が付着しています。

2裂しているネコヤナギの雌しべの柱頭 拡大

粘性を持った雌しべ柱頭が風や虫達によって運ばれた雄しべの放出した花粉をキャッチして受粉します。

ネコヤナギの雌しべと柱頭
花粉をキャッチしたネコヤナギの雌花の柱頭

雌しべ花柱柱頭は基本的に黄緑色ですが、赤みを帯びてピンク色になったものも見かけました。

ピンク色の雌しべが出てきたネコヤナギの雌花の花穂
花糸と柱頭がピンク色になった雌しべ

これは日当たりの良い場所で赤みを帯びることで強烈な紫外線から大切な器官を護る役割をしているのだと思われます。

ピンク色を帯びた雌しべの花糸と柱頭

雨上がりに見た雌花の白いは水を弾いて大切な子房を護っているようでした。厳しい自然条件に対応しているのですね。

雨上がりの後のピンク色を帯びた雌しべの花糸と柱頭
花が咲き始めたネコヤナギの雌花の花穂
花糸が緑色からピンク色になったネコヤナギの雌しべ

赤と黄色の花柱柱頭が斑になって混在しています。

花糸がピンク色になったネコヤナギの雌しべ 拡大
花粉がついた雌しべ
花糸がピンク色になった雌しべ

色に違いはあっても花粉はしっかりとキャッチしています。

花粉がついた雌しべ 拡大

は披針形で上部は黒色、下部は淡緑色。両面に長い白毛があります。

ネコヤナギの雌花柱頭と苞
ネコヤナギの雌花柱頭と苞 拡大
ネコヤナギの雌花の苞
白い毛の生えているネコヤナギの雌花の苞
白い毛の生えているネコヤナギの雌花の苞 拡大

その後の様子は

参照:ネコヤナギの種子・柳絮 ▶

ネコヤナギの花の構造

ふかふかしたネコヤナギ花穂の中には3~5㎜の小さながたくさん集まっています。

ふかふかとしたネコヤナギの花の拡大

そしてその小さなのひとつひとつが苞葉によって寒さや乾燥から護られています。

ネコヤナギの花穂の断面
ネコヤナギの花穂の断面

苞葉)はの器官を守る役割をするが変化したものです。

ネコヤナギの赤から黒色に変化した苞葉から生える白い絹毛にまとわりつく花粉

ネコヤナギの白銀色の絹毛は黒から赤紫色をした苞葉を覆うようにして密生しています。

ネコヤナギの苞葉から生える白い絹毛
ネコヤナギの苞葉の裏側から生える白い絹毛

苞葉の基部は淡黄緑色です。

ネコヤナギの苞葉から生える白い絹毛

雄株雄花雌株雌花、それぞれどちらのにも絹毛をまとった苞葉を出す腺体がついています。

白い絹毛が苞葉から生えるネコヤナギ

開花とともに各苞葉の間隔は開き、花穂は長く伸びていきます。

ネコヤナギの花の構造 雄花

雄花雄しべを形成する花糸、白いに覆われた苞葉腺体で構成されています。

葯が開き始めたネコヤナギの雄花の構造 腺体が下部についている

は始め、赤系の朱色です。

花糸の付け根にある黄緑色の部分がを出す腺体です。

葯が開き始めたネコヤナギの雄花の構造

が裂開して黄色い花粉が出ます。

苞葉は上から黒〜赤紫〜黄緑色で、表も裏も軟毛が密に生えています。

花粉を出すネコヤナギの雄花の構造

ネコヤナギ雄しべは2個で、上部まで融合し合着しているため、花糸は1本に見えるのだそうです。

花粉を出すネコヤナギの雄花の腺体

雄しべの基部には腺体が1つ。

ネコヤナギの雄花の構造 葯と花糸と苞の拡大

花粉を出した後のは暗褐色になります。

ネコヤナギの雄花の構造
ネコヤナギの雄花の横断面

花糸が伸びる前の雄花序の横断面。

ネコヤナギの雄花の横断面 拡大

花糸の付け根に腺体があります。

ネコヤナギの雄花の横断面 赤い葯と花糸と白い毛が密生する苞 拡大
花穂の伸びたネコヤナギの雄花の横断面
ネコヤナギの雄花の苞葉と腺体の部分拡大
ネコヤナギの雄花の断面

雄花序の縦断面。鮮度の落ちたの色が悪くなっています。

ネコヤナギの雄花の縦断面 拡大
花穂から取り出した2本のネコヤナギの雄しべ

花穂から取り出した2つの

花穂から取り出した2本のネコヤナギの雄しべ 下部拡大

ネコヤナギの花の構造 雌花

雌花雌しべを形成する子房花柱柱頭雄花と同様、白いに覆われた苞葉腺体で構成されます。

ネコヤナギの雌花 柱頭と花柱と苞と子房の拡大

子房は白い軟毛に覆われています。

ネコヤナギの雌花の構造 柱頭と花柱と苞と子房の拡大

子房の基部に腺体が1つあります。

ネコヤナギの雌花の構造

咲き始めのネコヤナギの雌花序

開花し始めた頃の雌花序

ネコヤナギの雌花の雌しべ

花柱が伸びて、柱頭が見えます。

ネコヤナギの雌花の断面

雌花序の縦断面です。

ネコヤナギの雌花序の断面 子房と胚珠の断面

雌花序の縦断面。子房がびっしりと詰まっています。

ネコヤナギの雌花序断面 子房と胚珠の断面

子房の中に胚珠が数個入っているのが見えます。


ネコヤナギの雌花序横断面

雌花序の横断面です。

ネコヤナギの雌花序横断面 断面下から上を見たところ
ネコヤナギの雌花序横断面 断面上から下を見たところ 拡大
ネコヤナギの雌花序横断面 断面上から下を見たところ 雌しべと腺体部分拡大
ネコヤナギの雌花序横断面 断面  雌しべと腺体部分拡大
ネコヤナギの雌花序横断面 断面上から下を見たところ
ネコヤナギの雌花序横断面 断面上から下を見たところ 拡大

ネコヤナギの優れた防護機能

厳しい冬の寒さを難なく乗り越えるネコヤナギ冬芽は雨や雪、乾燥や風除けの機能を持つ芽鱗と呼ばれるアウターシェルをまとい、その中にフカフカとした優れた断熱効果を持つ極上のインナーダウンを着ているような装備を持ち合わせています。

赤い芽鱗を脱ごうとするネコヤナギの花芽

ネコヤナギが自生している冬の河原でふっくらとしたキセキレイを見かけました。冬芽の中にはこんな感じで温かそうなが大切なを護っているのでしょう。

ふっくらキセキレイと1月のネコヤナギのコラボ

早春の風物詩であるネコヤナギの白く輝く花穂は実は透明で、中が空洞で光が乱反射しているため、の色が白く見えています。

白く見えるネコヤナギの毛

これはシロクマが白く見えるのと同じ原理です。

かわいいシロクマ
かわいいシロクマ

photo by Schliebe Scott, USFWS

空気は熱伝導性が低いため中空構造になっていることで断熱効果が高まると考えられています。

ネコヤナギ花穂顕微鏡写真がこちらに掲載されいています。

ネコヤナギとシロクマ
マカロニがつなぐ温かい関係 (6)


ネコヤナギの葉芽の冬芽

やや小さめの葉芽用心深く、防護用の白い毛をまとって開花後の暖かくなった頃にゆっくりと芽吹き始める作戦です。

芽吹きを迎えたネコヤナギの葉芽
開花後頃に芽吹きを迎えたネコヤナギの葉芽
雄花の開花後に芽吹くネコヤナギ葉芽

参照:ネコヤナギの葉 ▶


また、このふかふかとした白いをまとった花穂は水に浮きます。

雨の降った後、ネコヤナギ花穂は大粒の水滴を宿していました。

この白いインナーダウンには簡易的かもしれませんが、撥水・防水機能もありそうです。

雨上がりのネコヤナギの雄花の花穂

雨上がりに水滴を弾く銀色のネコヤナギの雄花序
水滴を弾く銀色のネコヤナギの雄花序
水滴を弾く銀色のネコヤナギの雄花
水滴を弾く赤い葯が出てきたネコヤナギの雄花
雨上がりに水滴を弾く赤い葯が弾けて花粉が出てきたネコヤナギの雄花
水滴を弾く赤い葯が弾けて花粉が出てきたネコヤナギの雄花序
水滴を弾く赤い葯が弾けて花粉が出てきたネコヤナギの雄花

雨上がりのネコヤナギの雌花の花穂

水滴を弾く銀色のネコヤナギの雌花
水滴を弾くネコヤナギの雌花
雨上がりに水滴を弾くネコヤナギの雌花
水滴を弾く柱頭の出たネコヤナギの雌花
水滴を弾く柱頭の出たネコヤナギの雌花

ネコヤナギの花芽で筆を作ってみた

11月上旬、育てていたネコヤナギのかわいい花芽が目立ってきました。

11月初旬のネコヤナギの冬芽

12月下旬、ネコヤナギの赤く膨らんだ花芽を見て、中の状態を知りたくなって毛皮のコートを脱いでもらいました。越冬用なのかフカフカして何ともかわいいです。

中は既に銀色に輝く絹毛が待機していて、上質ののようです。

ネコヤナギの花芽とその内部

そこで、簡易的なを作ってみることにしました。根元の4分の1程の所でカッターで切れ目を入れて芽鱗をはがして根元に楊枝を突き刺すだけなので超簡単。

ネコヤナギ花芽で作った筆

出来の良し悪しは別としてちゃんととして使うことができました。

ミニチュアサイズで一寸法師が使うみたいで面白いです。

ネコヤナギの筆で書いた文字と筆

乾燥するとふっくらして、あの早春に見られる白く輝くフカフカネコヤナギそのものの姿となりました。

未熟なネコヤナギの花のつぼみ

※ピンク色をしていますが、ネコヤナギです。


昨年の春に採取した乾燥保存していたので、今回採取した真冬の蕾と大きさを比較してみるとずいぶんと小ぶりです。この質感のまま成長して大きくなるのでしょう。

早春のフカフカとしたネコヤナギの蕾と真冬のフカフカとしたネコヤナギの蕾の大きさの比較
早春の蕾 (左) 冬の蕾の中 (右)

外套を外した中身の絹毛は触り心地もよく、とても愛らしいです。

しかし、実験用に栽培しながらも早々にをとるのはかわいそうなので、観察はこのあたりまで。


春になって、自然にフカフカの姿がはじけ出すのを楽しみに待っているつもりだったのですが、まだ1月上旬だというのに、帽子を脱ぎ始めた小さなフカフカネコヤナギが出てきました。

庭で育てている菜の花も咲き始め、フリージアも例年より早くをつけています。これから冬本番の寒さが来るというのに、植物も異常気象に翻弄されて大変ですね。

ネコヤナギの葉

3月中旬のネコヤナギの芽吹き

3月中旬の芽吹きは開花した後に展開し始めます。

葉芽から芽吹くネコヤナギの新芽
ネコヤナギの芽吹き

裏面は全面絹毛で覆われています。

絹毛に覆われた猫柳の葉

長さは10cmくらいで先端は尖っています。

芽吹きの頃の猫柳の葉

4月上旬、新緑が出揃った頃のの様子です。

4月中旬、新緑が出揃ったのネコヤナギ

5月上旬にはが展開して一面緑色に生い茂りました。

5月上旬の緑色に河原に生い茂るネコヤナギ

雌株には綿毛をまとった種子柳絮が姿を現しています。

5月上旬にたくさんの柳絮をネコヤナギ

こちらは5月上旬の雄株の様子。

5月上旬のネコヤナギの新葉

茂ったの先端の新葉が赤みを帯びて白っぽく光っていました。

白く輝く5月上旬のネコヤナギの新葉

よく見ると絹毛に覆われています。

白い絹毛に覆われた5月上旬のネコヤナギの新葉や茎

芽吹きの頃のコナラのような輝きがあります。

白い絹毛に覆われた5月上旬のネコヤナギの新葉や茎 拡大

の裏や托葉絹毛に覆われています。

白い絹毛に覆われた5月上旬のネコヤナギの新葉の裏
白い絹毛に覆われたネコヤナギの新葉の裏

の表面のは徐々に脱落します。

白い絹毛が徐々に脱落していくネコヤナギの新葉

5月中旬に見かけた若葉の白い産毛ワタボコリのようにまとまって、剥がれかかっていました。

白い産毛がはがれかけているネコヤナギの若葉
白い産毛が脱落中のネコヤナギの若葉

の裏面はフェルトのようで、白い軟毛に覆われたままでした。

ネコヤナギの若葉の裏側

ヤナギルリハムシの食害に遭うも見かけました。

ヤナギルリハムシの食害に遭っているネコヤナギ

9月上旬のの様子です。

9月上旬のネコヤナギの葉

の縁には基部を除いて細かい鋸歯があり、皮質です。

ネコヤナギの葉

11月中旬、は残っているものの、くたびれています。に赤い冬芽が目立っています。

11月中旬のネコヤナギの様子

ネコヤナギの種子・柳絮

実が弾けて綿毛が出てきたネコヤナギ

4月中旬から6月頃にかけて雌花受粉を終えると、白いふわふわのをまとった種子となり、風で飛んで拡散していきます。

柳絮となったネコヤナギ

ヤナギは成熟すると裂開して、一般に柳絮(りゅうじょ)呼ばれる綿毛に包まれた種子を出す蒴果です。

裂開したネコヤナギの柳絮
裂開したネコヤナギの柳絮
実が弾けて柳絮となったネコヤナギ

弾けたからは綿毛が広がってどんな構造になっているのか分かりづらいです。

ネコヤナギの柳絮

綿毛は早春の頃のするっとした花穂絹毛とは違った魅力があります。ふっくらとしているためか、温もりを感じさせるやさしい触り心地で、触れると繊維がほどけ、ふわふわと風で飛んでいきます。

柳絮がついたネコヤナギ
5月上旬のネコヤナギの様子
綿毛となったネコヤナギの種子の柳絮
綿毛をまとったネコヤナギの種子

中には綿菓子のようにふっくらとしたものもあります。

綿菓子のようなネコヤナギの柳絮

どことなくモリアオガエル卵塊を連想させます。

綿菓子のようにふっくらとしたネコヤナギの柳絮

小さな緑色の種子が点在する綿毛はふっくらとのように膨らんで中の様子はまったく見えません。

綿菓子のようにふっくらとしたネコヤナギの柳絮

この綿毛をまとった緑色の種子たちを水に浸したところ、3日で双葉が開きました。

参照:ネコヤナギの発芽 ▶

ネコヤナギの葉痕

ネコヤナギ葉痕もまた楽しい表情を見せてくれます。

芽鱗を脱ぎ捨てている頃のネコヤナギの葉痕
鼻息が聞こえてきそうなネコヤナギの葉痕
ユニーク表情のネコヤナギの葉痕
ネコヤナギの葉痕

9月下旬にが落ちて葉痕が姿を現しました。

9月下旬葉痕が見始めたふかふかとしたネコヤナギの冬芽

ネコヤナギの冬芽

赤いとんがり帽を被ったネコヤナギ冬芽もおしゃれです。肥大した葉柄に包まれている芽鱗は1つで枝側で合着しています。長さ1.1〜1.7cmくらいで軟毛が多いです。

12月上旬のネコヤナギの冬芽

12月上旬にはクリスマスカラーのように緑色のが残っていましが、1月中旬には枯れ色になったものの落葉はしていません。

1月中旬のネコヤナギの冬芽

ふっくらとした赤い冬芽は、順調に帽子を脱ぐ準備をしているようで、楽しみです。葉芽花芽より小さいです。

赤いとんがり帽子を被った猫柳の冬芽
1月のネコヤナギの冬芽のようす

冬芽は夏の終わりには既に作られ、翌春に向けて準備を始めています。

9月下旬に冬芽が見え始めた頃のネコヤナギの葉

9月下旬になると ふかふかとした冬芽が目立つようになってきます。

9月下旬、冬芽が目立ち始めたに見え始めたネコヤナギ
9月下旬に目立ち始めたふかふかとしたネコヤナギの冬芽

ネコヤナギみたいな植物

ヤナギ科の植物は種類が非常に多くて自然交配種も多く生じている上に園芸種もあるのでややこしく、同定を気にし出すとネコの迷い道に入りこんでしまいそうです。(笑)

ネコイメージ

個人的には、雑種のネコもかわいいようにフカフカとしてかわいい花穂ネコヤナギみたいな植物として、純粋に楽しみたいと思っています。

ピンクネコヤナギ

葯が出る前の赤っぽくなってきたネコヤナギの雄花

ネコヤナギと似た花穂がピンク色のタイプはおそらくネコヤナギの園芸種といわれているピンクネコヤナギだと思われます。

葯が出る前のネコヤナギの雄花 拡大

ふかふかの白い毛をまとったピンク色の花穂がかわいらしくて魅力的。

綺麗なピンクネコヤナギの花序

ピンクネコヤナギ苞葉はピンク色がエレガント。

ピンク色がエレガントなピンクネコヤナギの苞葉

バッコヤナギ

バッコヤナギは山地や原野や林道沿い等のやや乾いた崖地などに生え、別名、ヤマネコヤナギ山猫柳)とも呼ばれ、樹高は10m以上にもなる落葉高木です。

開花し始めたバッコヤナギの雌花序

雌花序です。

ふわふわの白い毛に覆われたバッコヤナギの雌花の花穂

苞葉は狭長楕円形。上半分は黒く、両面に長い軟毛が密生します。

柱頭が輝くバッコヤナギの雌花の花穂

子房は白い短毛が密生します。

開花中のバッコヤナギの雌しべ

花柱短く柱頭淡黄緑色で2裂します。

雌しべが伸びたバッコヤナギ
雌しべが伸びたバッコヤナギ 拡大

雄花序です。花粉黄色

バッコヤナギの雄花の花穂
開花中のバッコヤナギ雄花

画像の出典:Wikimedia Commons

バッコヤナギ雄花花糸は根元から2本に分かれてボリュームがあるため、ふわふわとした感じです。

開花中のバッコヤナギの雄花と白いフカフカとした蕾のついた花穂
開花中のバッコヤナギの雄花の花穂

柳絮となったバッコヤナギ

初夏には新緑のが爽やかな緑陰を形成し、雌花は白いふかふかの柳絮となっていました。

綿毛の柳絮となったバッコヤナギ

バッコヤナギ柳絮

バッコヤナギの柳絮
バッコヤナギの実
ふかふかとしたバッコヤナギの実

が裂開して、綿毛のついた種子が飛び出していました。

実が裂開して種子が飛び出したバッコヤナギの柳絮
実が裂開して種子が飛び出しているバッコヤナギ
バッコヤナギの種子

バッコヤナギの木

バッコヤナギの成木の樹皮はやや緑味を帯びた灰褐色で、菱形の皮目が散在します。

バッコヤナギの幹肌

また、ネコヤナギは葉裏の直毛バッコヤナギ縮れ毛

フリソデヤナギ

花材として人気のフリソデヤナギネコヤナギバッコヤナギとの雑種と推定され、ネコヤナギと良く似た美しい蕾芽を赤い枝につけます。

ふかふかとしたフリソデヤナギの花

フリソデヤナギ雄花が赤いのはネコヤナギ譲りで華やかです。

開花し始めたキレイなフリソデヤナギ

冬芽花芽)は大きく美しく紅色を帯びているのでアカメヤナギの別名もあります。

フリソデヤナギと同じアカメヤナギの別名を持つマルバヤナギの展開後にをつけ、花期はヤナギ属の中で一番遅いということです。

雄しべ花糸は、基部から途中まで合着して花粉が出る頃に花糸の先端が2つに分かれるそうです。花糸が2本に見えるのはバッコヤナギと似ています。

また、葉裏縮れ毛バッコヤナギ譲りのようです。

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癒しのかわいいフカフカ植物
ネコヤナギ