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不思議で楽しい植物の世界
仏教三大聖樹
ムクロジ 番外編

縁起の良い仏教関連の木

仏教三大聖樹とはお釈迦様の生涯に関った3つの樹木の事で
無憂樹(ムユウジュ)
印度菩提樹 (インドボダイジュ)
沙羅双樹 (サラソウジュ)
を指します。


ムクロジとはまさに数珠つながりのページ

数珠の起源とされる木の実に関しては、

おもしろい木の実 ムクロジ ▶

モクゲンジ ▶

仏教三大聖樹 無憂樹 (ムユウジュ)

緑色の葉にオレンジ色の花を咲かせるムユウジュ

[マメ科サラカ属]

お釈迦様のお母様 マーヤー摩耶婦人が無憂樹を愛で、一枝折ろうとした時にお釈迦様が生まれたと伝えられる木で、インドでは乙女の恋をかなえる木、出産や誕生、結婚等、女性にとっての幸福の木として愛好されているのだそうです。

ムユウジュの花

英名でAsoka tree, Sorrowless treeと呼ばれるAsokaアショカ)とは「憂い無し」という意味なんだそうで、これが名前の由来なんですね。

美しいムユウジュの花

オレンジ色の花弁のように見えるのはです。

ムユウジュの花 拡大
美しい無憂樹の花

4月8日のお釈迦さまのお誕生日を祝う花祭りでは本来この美しいを愛でていたということです。しかし耐寒性がないためか、日本では馴染みがないのが残念ですね。

ルンビニーのマーヤー・デーヴィー寺院址
お釈迦さまの生誕地 ルンビニー

ムユウジュの木

は大きな羽状複葉で皮質。

羽状複葉のムユウジュの木

熱帯地方では街路樹に利用され、夜に芳香を放つということです。

無憂樹の新緑

また、淡いピンクから黄緑色に変わるパステルカラーの若葉もしなやかできれいです。特にピンク色の葉美しい花のように見えて魅力的。

カラフルなパステルカラーの無憂樹の新緑
しなやかなパステルカラーの若葉

お釈迦様は生まれた途端、七歩歩いて右手で天を指し、左手で地を指して天上天下唯我独尊(てんじょうてんげ・ゆいがどくそん)と話したという伝説は有名ですが、これは優越感に浸るおごった言葉ではなく、この世に唯一無二(オンリーワン)の存在として生まれた人の命の尊さを示しているのだそうです。

誕生釈迦仏立像
誕生釈迦仏立像

画像の出典:国立博物館所蔵品統合検索システム

印度菩提樹(インドボダイジュ)

インドボダイジュの木

[クワ科イチジク属]

お釈迦様が悟りを開いた所にあった印度菩提樹天竺菩提樹とも呼ばれています。

インドボダイジュ

お釈迦さまゴータマ・ブッダの別名であったボーディーBhodhi)から菩提樹という名前がつけられたそうです。

ブッダガヤの菩提樹
ブッダガヤの菩提樹

印度菩提樹はクワ科イチジク属の常緑性高木。寒さに弱いため、降霜のない地帯で育ち、大樹が自生する場所は地下水の存在を示す指標となるのだそうです。

インドボダイジュの葉

はなめらかな革質でギザが無く、先端が尾状に長く尖っていて葉柄が長いのが目立った特徴です。

先端が尾状に長く尖っていて葉柄が長いインドボダイジュの葉
葉柄の長いインドボダイジュの葉

また、果実は鳥類に好まれ、種子は広範囲に散布されまが、数珠を作るのには小さすぎて不向きなので数珠作りには材を利用するのだとか。

菩提樹と呼ばれている木

寺院に植えられている中国原産の大きな菩提樹

[アオイ科シナノキ属]

日本の各地の仏教寺院に植栽されている菩提樹は、臨済宗の開祖である栄西が中国から持ち帰った中国原産のアオイ科シナノキ属の落葉樹だと伝えられています。

中国原産の大きな菩提樹
6月の中国原産の菩提樹

お釈迦様が悟りを開いた所にあったと言われるインドボダイジュは寒さに弱いため、の形が似ているこの木が代用されたそうで、植物学的には別種の樹木です。には鋭い鋸歯(ギザ)があります。

ボダイジュの葉
ボダイジュの葉 裏側

の裏は星状毛があるので白っぽく見えます。

ボダイジュの葉の裏側の星状毛

花期は6月の上旬から中旬頃。

蕾をつけたボダイジュの花序

花序は細長いヘラ状のの途中から出た長いでぶら下がります。

独特な形のボダイジュの花序
花の咲く中国原産の菩提樹
中国原産の菩提樹の花
菩提樹の花
落花した菩提樹の花と実
落花した菩提樹の花と花弁がとれて子房がむきだしとなった花
苞がついたまま乾燥したボダイジュの実
乾燥したセイヨウボダイジュの実

シューベルトの歌曲で知られている菩提樹西洋菩提樹

アオイ科シナノキ属の落葉樹です。

別名、リンデンバウムセイヨウシナノキ

セイヨウボダイジュの葉

にはギザがあります。

セイヨウボダイジュの木
セイヨウボダイジュの花の蕾
花期のセイヨウボダイジュの木
セイヨウボダイジュの花
開花中のセイヨウボダイジュの花
実のなるセイヨウボダイジュの木
セイヨウボダイジュの実
木にぶら下がるセイヨウボダイジュの実

沙羅双樹(サラソウジュ)

サラノキの木

[フタバガキ科ショレア属]

お釈迦様が亡くなった所にあったという沙羅双樹は常緑高木で、沙羅樹サラノキシャラノキ)とも呼ばれます。

沙羅双樹

沙羅双樹双樹とはお釈迦様が亡くなった時にその四方にこの木が2本ずつ生えていたという伝説によるもので、沙羅の樹 の方が木の名前としては自然に思えます。

サラノキの林

画像の出典:Wikimedia Commons

見渡す限り沙羅の樹林が続くクシナガラの二本並んだ沙羅の木の間で、頭を北にして右脇を下に、足を重ねて伏せて仏陀涅槃に入ろうとする時、沙羅の樹の花が一斉に咲き誇り、仏陀を供養するかのごとく降り注ぎ、天から曼荼羅華が降り注いだと伝えられています。

[大パリニッバーナ経(大般涅槃経)]

耐寒性が弱いので、日本の気候では温室でないと育ちません。

サラノキの花

春に白い花を咲かせ、ジャスミンのような香りを放つのだそうです。

サラノキの花 拡大
沙羅双樹の花

画像の出典:Wikimedia Commons

サラノキの実
沙羅双樹の実

沙羅と呼ばれるナツツバキ

爽やかに咲くナツツバキの花

[ツバキ科ナツツバキ属]

仏教三大聖樹沙羅双樹は耐寒性が無いため、ナツツバキが日本各地の仏教寺院で沙羅双樹の代用として植えられてきました。

白いシャラノキの花

日本で、一般的に沙羅シャラ)と呼ばれるナツツバキツバキ科の木で仏教三大聖樹沙羅双樹とは別種です。

梅雨の頃に咲くナツツバキ

6〜7月にかけて白くて清楚なを多数咲かせます。

たくさんの花を咲かせるサラノキ

丸い宝玉のよう。

宝玉のような美しくてかわいらしいナツツバキの花の蕾
初夏に美しく咲くナツツバキ
清楚なナツツバキの花 部分拡大

は朝に咲き始め、夕方にポトリと花ごと落ちる一日花です。

地面に落ちたナツツバキの花

やや大きめのなので落ちた後にも存在感があります。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

格調高い「平家物語」の冒頭に出てくることで有名な沙羅双樹は、次から次へとたくさん咲いては儚く終わるナツツバキの姿に無常観を重ね合わせたように思えます。

地面に落ちたたくさんのナツツバキの白い花
盛者必衰の理をあらわすように落ちて色が変色していくナツツバキの花
地面に落ちて色が変色していくナツツバキの花

また、ナツツバキはモザイク模様の幹肌がとても美しいなので庭木としても人気があります。

美しいナツツバキの幹肌
サラノキの美しい幹肌

初夏のナツツバキ

新緑も爽やかで綺麗です。

初夏のナツツバキの葉

秋には美しく黄葉紅葉し、その後落葉します。

きれいに紅葉するナツツバキ

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