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手軽に空色を楽しむ
趣味の藍染め
藍の簡単染め
綿もカンタンに染められる藍染め方法
日本の伝統染色方法の建て染めは季節も繊維の種類も選ばずに染色することが可能となる日本の染色方法で、高度な職人技術と手間暇が必要となるので趣味で楽しむのは困難です。
一方、お手軽で鮮やかな空色に染色ができる藍の生葉染めは葉の収穫できる期間が限定で、木綿や麻を染めることができません。
そこで、木綿や麻、レーヨン素材をお手軽に染めることのできる化学建てによる簡単染めを紹介します。
上4枚は木綿、下3枚は絹の布です。
絹も色鮮やかに濃く染めることができます。藍の生葉染めでは出せない憧れのジャパンブルー・サムライブルーに挑戦してみては?
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タデアイ(蓼藍)
ジャパンブルー 藍染め色
ジャパンブルー・サムライブルーとも呼ばれ、日本の文化と調和した伝統色である藍染めの藍色・紺色。
これは藍建染め(たてぞめ)と呼ばれる日本の伝統的な藍染めをされた色で、すくもという藍の葉を乾燥させてから水をかけて発酵させたものを、強アルカリ環境下で微生物によって還元することにより染められた色です。
生葉染めと比べると、格段に手間暇がかかる染色方法で、高度な職人技術が必要とされます。
藍を建てるとは不溶性の藍の染料を可溶化させて、染色可能な状態にすること。
江戸〜明治時代の日本では木綿や麻等の布を染めることができ、退色も比較的遅いうえに防虫・抗菌効果があるとされていた藍は仕事着や野良着等の染料として多用されていたそうです。
その様子は、歌川広重の浮世絵からも伺い知ることができます。
因みに、ジャパンブルーの呼び名は、イギリス人科学者、ロバート・ウィリアム・アトキンソンが明治初めに来日した際、「日本に来て全国至るところで藍色の衣装をみる」と述べ、藍色をジャパン・ブルーと記したのが由来だそうです。衣装のみならず、暖簾や食器など、日本中にあふれかえる藍色は印象的だったのでしょうね。
ジャパン・ブルー、広重ブルーと当時の美術界で大絶賛されていた浮世絵の青は人工顔料のプルシアン・ブルーで残念ながら藍ではないそうです。
昔から生活に馴染んでいる藍色の陶磁器は、呉須(酸化コバルト)を用いて絵付けが施されています。
使い込むほどに風合いが良くなり、魅力を増す堅牢な藍染め。
その深い色は大変な労力と職人技術の結晶とも言えます。
残念ながら、安価で大量生産ができる合成藍の普及により、天然の藍染めの生産は激減しました。
しかしながら化学的に精製され純度の高い合成藍のインディゴで染められたものには防虫・抗菌効果は無いということです。
また、藍染めの原料となるタデアイにはアトピー性皮膚炎への抗菌性も注目されているのだそうです。
布や糸の耐久性を増し、薬草としての効能をも持ち合わせるジャパンブルーはまさに質実剛健、日本のすばらしき伝統色です。
参照:藍染めを化学の視点から
藍染めの代表的な色
藍染めは染める回数によって色が変化し、それぞれに名前がつけられているので、淡い色から濃い色まで実に豊富な色の呼び名があります。
その中で、代表的な色をピックアップしてみました。
色は時代や文献等によって解釈が異なります。上記は色のイメージです。
甕覗(かめのぞき)
甕覗は藍の染料を入れる甕からつけられた色名で、藍染めの淡い青色。
藍瓶を覗く程度にちょっと布を浸したという説と、空の色が映りこんだ藍瓶に張られた水面を覗き見た色という説があります。
水浅葱(みずあさぎ)
水浅葱は浅葱をさらに水で薄めた色、淡い緑みの青色のこと。
浅葱(あさぎ)
浅葱は藍染めの代表的な色名の一つで、薄い青色・緑がかった薄い青色。
現在は、藍染めの明るい色を浅葱色と呼ぶことが多いようです。
縹(はなだ)
縹は藍染めを表す伝統色名の一つで、タデアイだけで染めたものを縹色と定義していたそうです。
江戸時代には花田色・花色とも呼ばれ、身近で庶民的な色だったらしく、落語の「出来心」では布団の裏地の「花色木綿」が笑いを誘うキーワードとなって噺を盛り上げています。
「裏は花色木綿。丈夫であったか。
寝冷えをしない。」と、大家さんから教わったばかりのフレーズをトンチンカンに繰り返す男が可笑しいです。
オススメは 柳家小三治さんの出来心 ▶
実際に藍染めされた木綿は丈夫で保温や消臭・防虫効果といった特性があるので着物の裏地に用いられることが多く、実用性に優れていたようです。
時代劇で長屋の住人の布団をめくった時に裏地が縹色だったのを見た時に、裏は花色木綿。丈夫であったか。寝冷えをしない。のフレーズが思い出されてニンマリしてしまいました。
縹色の元となった花色の呼び名は露草の花びらから搾り取った汁に由来するそうですが、この青色は染料としては堅牢性に欠けるために染織の下絵に使われるのだとか。
青色はタデアイによって堅牢に染めることが可能となり、縹色となった経緯があるようです。
藍(あい)
藍はタデアイと黄檗(きはだ)の樹皮を合わせて染めた色のこと。
江戸時代以降、深い青色を藍色と呼ぶようになりました。
紺(こん)
紺は濃い藍染めの総称となっている色です。日本の古代では、藍染めの中で最も濃くて、わずかに紫味を含んだ深い青色のことを深縹(こきはなだ)と呼び、平安中期より紺とも呼ぶようになったそうです。
ドイリーを藍染め
花瓶敷やコースターに使われるレース糸で編まれた使い古しの白いドイリーを藍染めしてみました。
シミや汚れが目立たなくなったばかりか思いがけず高級感のあるドイリーとなりました。
素材が綿のため藍の簡単染めの方法で染色。
真珠を藍染め
真珠もタンパク質なので藍染めできるのでは?と試してみたところ、品よく綺麗に染まりました。
但し、高価な物なので試してみたい方は自己責任でお願いします。
藍の生葉染め 残り染液で染色
藍の生葉染めの染液に残った
インディゴで藍染めができた!
藍の生葉染めをした後に残る染液は、酸化して濃い藍色になって染色できない状態になってしまいますが、色からしてインディゴ成分がたくさん残っているように見えます。
そこで、残りの染液をペットボトルに移し、インディゴ成分を沈殿させたもの使って染色実験をしてみました。
染液を濃縮させる
染液のインディゴ成分が沈殿したら上澄み液を捨てる。何回か繰り返す。ペットボトルのフタは開けたままで水分を蒸発させる。
染液の残りは腐敗臭があるので、雨のかからない屋外で保管。
ゴミが入らないように、フタ部分にアミを被せておく。
私の場合、1回の生葉染めで残る染液はおよそ1リットル。4回分で実験したところ、約700ccの沈殿液ができました。
最近は1〜2日後に上澄みを捨てて短期間で水分を蒸発させています。
インディゴ沈殿液を還元させる
① 生葉染めを終えた使用済み染液の沈殿液をステンレス容器に入れる
② 40℃ぐらいになるまで加熱
③ 液を素早くペットボトルに移す
④ 空気を抜いてフタをして密閉
⑤ 素早く還元剤を投入する
⑥ フタをして容器を振って混ぜる
⑦ 空気を抜いてフタをして密閉
⑧ 染色時まで保管
還元剤使用時は換気に注意する
酸化防止に、空気を抜いて保管できる容器や袋を使用する
今回は、藍染用還元剤として
インジゴ還元剤AZスペシャルを使用
(約700ccに小さじ1杯:適量不明)
参照:藍熊染料株式会社 ▶
翌日液の色に変化が見られないため、還元剤を小さじ1杯追加投入して1日放置するが液の色にさほど変化が見られないので、染色前に炭酸ナトリウムを入れてアルカリ性を強くしておく
炭酸ナトリウム:重曹を水に溶かしてステンレス鍋で少し煮詰めて作ったものを使用
試しに染色をしてみる
① 洗った綿の布を炭酸ナトリウムに浸し、よりアルカリ状態にしておく
② 布を染液に浸し、染色をする
(染色の仕方は下記参照)
結果:藍染めができた
綿布はかなり濃い深緑色に変化。
日陰で干した後、中性洗剤で洗うと、大量の緑色が落ち、綿布は紛れもなく藍色に染まっていました。
藍の生葉染めを終えた使用済み染液の中にも、染色可能なインディゴが含まれることがわかりました。
染液が藍染めに適した黄色の液体になるものと思われたのに、色の変化が顕著でなかったのは、インディゴ以外の植物性の色素が多く含まれていたからかもしれません。
藍の簡単染め 染液の作り方
① 藍の生葉をざっくりと切る
②水を加え、ミキサーで液状にする
水はできるだけ少ない量にする
③ 炭酸ナトリウム等の溶解剤を
加えて煮る
できるだけ短時間で行う
④ 葉の煮汁をザルでこす。
さらに布でしぼって藍液を作る
⑤ 水分をとばして濃くすると、
濃い藍液が得られる
⑥ 密封容器に藍液移す
空気を出し切って閉める
空気に触れさせないのがポイント
ここでは折りたたみポリタンク使用
⑦ 使用する1日以上前に
ハイドロサルファイトと
水酸化ナトリウム液を加えて還元
水酸化ナトリウム=アルカリ性
⑧ 還元されて黄色の液体に変化
空気を抜いた状態で密封する
⑨ 念のためポリ袋に入れて保存
空気に触れると、酸化して青い液に戻り、染色できない状態となる
密封容器を開けなければ、1ヶ月程度は保管できる
この染液を使った染色の仕方はコチラ
藍の簡単染め 手順
① あらかじめ洗っておいた 布を水に浸しておく
新品の糊付け仕上げされた布や汚れは染めムラの原因となるので洗っておく
② 布を浸すことができるぐらいの量の染液をストックバッグに入れる
密閉できるストックバッグが便利
防水手袋を着用
③ 水に浸している布の水気を切って、そっと染液に浸す
袋の空気をできるだけ抜いて閉める
④ 袋の外から3〜5分くらい布全体をやさしく揉む
⑤ 布を染液の中で軽くしぼった後、そっと取り出し、すぐに水に浸す
布を取り出した後の藍の染液の入った袋は空気を抜いて閉じると、次回くり返し使用できる
⑥ 水に浸した布をそっと混ぜたら、引き上げて水分を落とす
再び水に浸す
これを5回くり返す
⑦ 新しい水でもう一度くり返す
⑧ 水を流して洗う
⑨ 日射しのない処で10〜20分干して酸化させる
⑩ ④〜⑨をくり返すと濃く染まる
染液が黄色の還元された状態時は染まるが酸化して青くなると染まらなくなる
⑪ しぼりを外して乾燥させる
以上で簡単染めのできあがり
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