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手軽に空色を楽しむ
趣味の藍染め
タデアイ

タデアイを育てて、気軽に藍の生葉染めを楽しみましょう!

タデアイの綺麗な葉が茂っているところ

タデアイはとても丈夫な植物で、栽培は難しくありません。

地植えした方がたくさん収穫できますが、趣味で手軽に藍の生葉染めを楽しむ程度であれば、プランター栽培でも十分な量が収穫可能です。

プランター栽培中のタデアイ

藍染めに必要不可欠なタデアイ栽培方法栽培記録をご紹介。

参照:藍の生葉染め ▶


こちらは同じプランターを4つ並べてベランダで栽培しています。

プランター栽培で元気に育つタデアイ

年によっては5月下旬でも生葉染めができるくらいに育ちます。

元気に育つ5月のプランター栽培中のタデアイ

6月中旬、背丈も高く元気よく茂ってきたので藍の生葉染めをしました。

元気に大きな葉となった育つ6月のプランター栽培中のタデアイ

大きなは15cm以上あります。

元気に育つ6月のプランター栽培中のタデアイ

8月のタデアイと遜色ない色に染めることができました。

6月の藍の生葉染め

1回に染色に使う絹布の5倍程。20gの絹布だとすればは100g位(洗面器1杯分)あれば十分に染めることができるので大量に刈りとる必要はありません。

元気に育つ6月のタデアイで染めたシルクストール

元気に育った随時摘みとっても、小さめとなったが再び茂り出すのでが咲く頃まで何回か藍の生葉染めを楽しむことができます。

また、を取り除いて残ったを水に挿して発根させ、そのを土に埋めて栽培すれば、再び藍の生葉染めができるほどに育ちます。

タデアイ メニュー

タデアイとは

タデアイ栽培

タデアイは、草丈が60~90cmになるタデ科イヌタデ属の一年草で、古くは奈良時代から日本の藍染め染料として使われてきました。

横から見た栽培中のタデアイ
元気に育つタデアイの葉

タデアイはたくさん枝分かれしながらを楕円形のが抱くように茂ります。秋になると穂状花序を出し、米粒のようなピンク色や白色の)をたくさんつけます。

綺麗な花を咲かせるタデアイ
綺麗なタデアイの花
白花系のタデアイの花

その様子はアカマンマの名で親しまれているイヌタデと似ています。

晩秋にはたくさんの種子ができます。

たくさんの種子がなるタデアイの穂

藍染めにはが咲く以前の藍色に変化する成分が多く含まれるタデアイを使います。

藍の生葉染めに適した頃のタデアイの葉

また、は染色以外にも傷口の消毒虫刺されに、果実解熱解毒に薬用として利用されてきたそうです。

タデ科・イヌタデ属

学名:Persicaria tinctoria

英名:Indigo plant

原産:インドシナ半島、東南アジア、中国

花期:8~10月

名称:タデ藍・藍タデ


多品種ありますが、ここのタデアイページでは知人より譲り受けたタデアイ種子を栽培したものをメインに紹介しています。

品種は不明ですが、特徴から千本系ではないかと思っています。

参照:いろいろな種類のあるタデアイ ▶

タデアイの栽培ポイント

  • 3〜5月に種子をまく
    発芽適温は18~25℃
    生育適温は5~30℃
  • 覆土は種子が隠れる程度にする
  • プランター栽培時は
    大きめのプランターを使用
  • 水はけのよい、肥料をすき込んだ
    土に植えつける
  • 土が乾燥しないように
    たっぷりと水やりをする
  • 小さい苗の時は2〜3本ずつ
    植え付けると倒れにくくなる。
  • 混み合わない程度に間引きながら
    育てる
  • 株同士の間隔を5~20cmくらい
    開けて定植する
  • 風通し、日光のよく当たる
    排水のよい環境で育てる
  • 2週間に1回液体肥料を与える
  • アブラムシ・ヨトウムシが
    つきやすいので注意する

アイ栽培の注意点

生育が旺盛になる頃はたくさんの水を必要とするので水切れには注意

ベランダ街灯の近くなどで栽培していると、光に誘われて、ヨトウムシなどの成虫の蛾がやってきて、を産みつけやすくなります。

早めに見つけて対処ができるように、こまめにチェックします。

アブラムシにはテントウムシや小さなカマキリなどが役立ちます。

タデアイのプランター栽培

3月上旬にタデアイ種子を市販の培養土を入れた60cm幅のプランターに少々多めに蒔きました。

はネットで「藍の種 無料配布」で検索して入手すると良いでしょう。

種子は昨年育てたタデアイを秋に採取したものを使用。3月中旬に発芽し始めました。

3月下旬 プランターで発芽したタデアイ
3月下旬のタデアイの様子

発芽率が良く、4月上旬には一面を緑に覆い尽くすほど発芽しました。

間引きをしながら4つのプランター定植し、残った多くの間引き苗は庭に地植えしたり、試食してみました。

若干、苦いですが食べられます。

4月上旬 びっしりと発芽したタデアイ
4月上旬のタデアイの様子

4月中旬には本葉が伸び始めました。種まきをしたプランターだけ高密度で育っています。日当たりの良い環境で水を切らさないように管理します。

4月中旬 本葉が伸び始めたタデアイ
4月中旬 プランターでびっしりと育ち始めたタデアイ
4月中旬のタデアイの様子

その後、すくすくと成長し、5月初旬には大きなが出てきました。密度の高い場所は間引きをしました。

プランターで育ち始めたタデアイ
5月初旬のタデアイの様子

5月下旬にはかなり茂ってきたので、間引きがてら摘み取った葉を使って、今シーズン第1回目の藍の生葉染めを試みました。

茂り始めたタデアイ

シルクストール1枚染めるには十分な量です。5月なのでまだ早いかと思いましたが、とても綺麗な空色に染めることができました。

5月下旬に摘み取ったタデアイの葉で作った染液

綺麗に染められることが確認できたので、茂って密度の高い場所のだけを随時摘み取って、天候の良い日にストールを染めてみたところ、6月中に5枚の藍の生葉染めを楽しむことができました。1回に1枚ずつ約120gのから作った染液を贅沢に使用。

プランターで育てて茂ってきたタデアイ

がかなり大きくて綺麗なので、収穫するのも洗うのも短時間で超簡単。

鮮度の良いを使って藍の生葉染めをすることができました。

プランターで育てて茂ってきたタデアイ 拡大
6月中旬のタデアイの様子

その後もタデアイは順調に育ち続け、シーズン本番に向けて藍の生葉染めを楽しむことができそうなくらい元気に茂っています。


7月になってアブラムシの発生が見られたので筆を使って駆除していましたが小さなカマキリさんがいましたのでお任せすることにしました。気がつくとテントウムシとその幼虫も奮闘してくれて8月にはアブラムシが姿を消しました。さすがです。

アブラムシ等の被害の少ないキレイな大きな葉を収穫できる6月の晴れ間は個人でお手軽に藍の生葉染めをするのにオススメです。

プランターで育つタデアイ

7月から8月にかけて猛暑日が続きましたので、生葉染めと平行して時短で乾燥葉も作ることができました。

放っといて置いてが枯れていくのはもったいないので、8月上旬に風通しを良くするほどに摘芯の摘み取りを行いました。

タデアイの乾燥葉 ▶

の育ち具合か、温度によるものか、慣れのせいなのか定かではありませんが、盛夏の頃の生葉染めの方が藍色濃く染まる結果となりました。


8月中旬に猛暑がおさまり、適度なが降ってくれたおかげで、タデアイはまた元気に茂り始めました。

8月プランターで元気に育つタデアイ

液肥も効いたのか、緑色も濃くて良いカンジです。まだまだ染色が楽しめそうです。おかげさまでいろいろな空色を試すことができました。

参照:▶ 藍の生葉染め 色の変化を楽しむ

元気に育つ緑色の濃いタデアイの葉

9月上旬に花穂が出てきて小さなが咲き始めたものもあります。

花穂が出始めたタデアイ

9月中旬にはの数も増え、の勢いもなくなってきたので、種子を採取するための株を残して、を摘んで生葉染めをしました。思いがけず鮮やかできれいな色に染まりました。

参照:藍の生葉染めの重ね染め ▶

咲き始めたタデアイの可憐な花

1週間もすると淡かったはくっきりと濃いピンク色を帯びて花穂が伸びてきました。昆虫の訪れもあり、種子ができるのが楽しみです。

濃いピンク色を帯びたタデアイの可憐な花

可愛らしいピンク色の花弁に見えるのは実はです。

花粉を出すタデアイの可憐な花 拡大

9月下旬に最後の生葉染めをしました。色は若干薄めですが意外と鮮やかに染まりました。但し、堅牢性は弱いみたいです。そして10月上旬の天気の良い日に残りの乾燥葉にして葉を摘み取るプランター栽培を終了。


10月中旬に種子(正確には痩果)ができていました。

種子がつき始めたタデアイ
種子をつけるタデアイ

タデアイの種子

花から種子になったタデアイ

タデアイの果実痩果で、果実の中に種子が1つあり、果皮種皮が密着しています。種子のように見える痩果の終わった後も残った花被)に包まれています。

乾燥した痩果のついたタデアイの花穂
タデアイの痩果と種子

タデアイ痩果は大きさが約2mmと小さいです。先が尖った3稜形をしていて濃い褐色で光沢があります。

タデアイの種子 拡大
タデアイの種子

タデアイの種子痩果)はが終わる10月頃に採取します。

たくさんの種子をつけた茎が赤くなったタデアイ

が熟してきたら茎ごと刈り取って、穂先を目の細かいアミに入れて風通しの良い場所で乾燥させます。

種子は乾燥させたまま翌年の種まきの適期まで保管します。

こぼれ種子でも環境が適していれば、よく発芽します。

たくさんの種子をつけたタデアイ

1年以上経過すると発芽率が悪くなります。

タデアイの発芽

タデアイ発根の様子です。

発根するタデアイ
発根するタデアイ
たくさんの毛細根を出している タデアイの発芽 拡大

発芽したタデアイの様子です。

次々と発芽するタデアイ

播種から10日前後で発芽しました。

発芽したタデアイの双葉 拡大
発芽したタデアイ
本葉が出てきた頃のタデアイ

間引きしたタデアイの様子です。

間引きしたタデアイの根の様子

寒い時期でも発芽するタデアイ

11月中旬にプランター栽培をしていたタデアイこぼれ種子発芽をし始めました。意外に寒さに強いようです。

晩秋に発芽するタデアイ
晩秋に発芽したタデアイのもやし
タデアイのもやし

2月下旬に、ベランダに放置していたタデアイのプランターにてこぼれ種子が大量に発芽し始めました。

2月に発芽するタデアイ
2月に発芽するタデアイ

この後、極端に寒い時には室内に入れて管理していたところ、種まきしなくても十分なが揃ってしまいました。

その後順調に育ち、5月中旬には藍の生葉染めができるほど成長しました。

タデアイの成長

タデアイの成長の様子です。

本葉が出てきて成長してきたタデアイ
本葉が出てきて葉が大きく成長してきたタデアイ
本葉が出てきて成長してきたタデアイ 葉の拡大

6月上旬には痛快なほどの大きなが茂り始めました。

大きな葉が出てきて茂り始めたタデアイ

この頃のは虫にもやられていなくて瑞々しくて綺麗です。

タデアイの茎

タデアイの茎にはツクシの袴のようながあります。これは托葉鞘といって筒状に茎を取り巻く托葉で、タデ科の植物では普通に見られます。

タデアイの茎
タデアイの托葉鞘と縁毛 拡大
タデアイの托葉鞘から葉が出ようとしているところ 拡大

この下のあたりからが出ます。

タデアイの茎 拡大

タデアイの花

タデアイは8~10月頃にを咲かせます。米粒のように見えるピンク色の可憐なを枝先にたくさんつけます。

咲き始めのタデアイの花
たくさんの小さな花をつけるタデアイ

品種によっては白色や淡い色のものもあります。

白花のタデアイ
咲きたてのタデアイの白花

近くで見るとハッとする美しさです。

タデアイの花 雌しべと雄しべ
タデアイの花 雌しべと雄しべ 拡大
きれいなタデアイの花
きれいなタデアイの花 拡大
花粉を出しているタデアイの花

可愛らしいピンク色の花弁に見えるものは5裂したです。

咲き乱れるタデアイの花

タデアイの花はよく目にするイヌタデ(犬蓼)と似ていますが、比較をすると大振りで花色も濃くて綺麗です。

参照:タデアイと似ているイヌタデ ▶

咲き始めの頃のタデアイの花

が咲くようになると、は徐々に小さくなり、染料の青色も減って藍染めの適期ではなくなります。

花を咲かせたタデアイ
花を咲かせたタデアイ 拡大

種子をつけても次々と美しいを咲かせ続けます。

種子がつき始めたタデアイときれいな花

この頃の花粉がピンク色を帯びたものを多々見かけました。

種子がついてもきれいな花を咲かせるタデアイ

晩秋の頃にはが赤っぽくなり、全体の印象が変わって見えます。

タデアイの花穂 拡大
タデアイの花 拡大

同じタデ科のミゾゾバタデアイと似た雰囲気のを咲かせます。

参照:ミゾソバ ▶

タデアイの根

藍の生葉染めに使用したを取り除いたタデアイの茎をに挿しておいたところ、元気に発根してそうめんのようになっています。

水挿ししたタデアイが発根している

の頂点を5~8cmほど切りとってに挿しておくと、が出てきます。その後、土に植え付けると挿し木で増やすことができます。5~8月の生育期間中に株を増やすのに効果的です。

水の中で発根したタデアイの根 拡大

が咲いているタデアイをカットしてにつけておいていても、見事に発根しました。赤い茎が綺麗です。

水耕栽培したタデアイの節目の托葉鞘から発根している
水耕栽培したタデアイの節目の托葉鞘から発根している 拡大

いろいろな種類のあるタデアイ

タデアイ長葉丸葉縮葉というの形状により3つに大別され、草姿の形状も匍匐性立性中間型の3グループがあるそうです。

また、タデアイには多くの種類がある上に交雑しやすいこともあり、品種を特定するのは難しいです。

このページで記述してきたタデアイと違うタイプのものを参考のために記載します。

タデアイの代表的な品種

長葉匍匐性小上粉こじょうこ
丸葉赤茎中千本
長葉丸葉中間系統・
草姿形状中間型
千本大千本
縮葉立性赤茎小千本

縮葉(ちぢみ葉)は寒い地方で育てるのに適した品種

小上粉百貫千本の交配種


生育期のインジカン含量の多い順番

千本 > 大千本 > 小上粉白花

他3品種は少なく千本の半分以下

開花最盛期:生育期2の5~8割程度

小上粉白花:他品種よりも開花が遅い


▶ 参照:タデ藍の品種育成試験 第1報
 - タデ藍インジカン含量の品種間差と生育に伴う含量の推移 -

▶ 参照:タデ藍の品種育成試験 第2報
 ― 各品種における草姿と収量 ―

▶ 参照:藍の種を蒔く

▶ 参照:進め!阿波探検隊!

花が淡いピンクで長葉タイプ

淡いピンク色の花のタデアイ 拡大

このタデアイも品種は不明ですが種子をいただいたので育ててみました。


4月上旬、発芽後に順調に育つタデアイ
4月上旬、発芽後の様子
6月上旬の鉢で育てているタデアイ
6月上旬の様子
タデアイの葉
8号鉢で広がって育つ2本の長葉タイプのタデアイ
7月中旬の様子

長葉タイプで株が広がって育っているので小上粉系でしょうか。

たった2粒の種子から8号鉢で大きく育ちました。

長葉タイプのタデアイの分枝した根本

分枝して、根際からもが次々と出てきてどんどん広がって育っています。

元気に育つ長葉タイプのタデアイ

広く場所をとって育つので、鉢栽培は窮屈そうです。このタイプは広い畑などで育てるのに適しているようです。

このタデアイを使って藍の生葉染めをしました。

花が淡いピンクで
長葉タイプの生葉染め ▶

生い茂るタデアイの葉
8月下旬元気に育つタデアイ
タデアイの葉 拡大
8月上旬の様子
淡いピンク色の花をつけるタデアイ

10月中旬、花盛りです。

淡いピンク色の蓼藍の花 拡大

マルバアイ

きれいなピンク色の花を咲かせ始めたマルバアイ

が卵形で、タデアイと比べると丸いタイプのマルバアイは園芸種だそうで、もかわいくて綺麗です。

マルバアイ
丸っぽい葉のマルバアイ
マルバアイの丸っぽい葉 拡大

東南アジア原産ということでタデアイと比べると寒さに弱く、涼しい時期は成長が遅いようです。

マルバアイの丸っぽい葉

園芸種らしく、タデアイと比べ、草姿はコンパクトな感じでまとまります。

上から見たマルバアイ
きれいなマルバアイの花

緑色のと濃いめのピンク色の花被とのコントラストがきれいです。

鮮やかなピンク色の花を咲かせるマルバアイ
鮮やかなピンク色のマルバアイの花 拡大

が咲き始めた頃のと8月初旬のを使って生葉染めをしてみたところ、きれいに染まりました。

参照:マルバアイを使って生葉染め ▶

タデアイ 葉の形の比較

タデアイ4種の成長期の葉の比較

我が家で育てているタデアイ4種のの比較です。(6月中旬)

どれも頂いた種子から育てたもので、品種は不明です。

一番下の大きながこのコーナーでメインに扱っているタデアイ

下から2枚目は花が淡いピンクで長葉タイプ種子から育てたもの。

下から3枚目は花が濃淡のピンクで葉が長卵型タイプ種子から育てたもので播種が他種と比べてかなり遅く、まだ株が小さい状態のものです。

一番上はおそらくマルバアイ。既にが咲いてしまったものです。

マルバアイとほぼ同じ位の長さのを比較。

タデアイ4種の小さい時の葉の比較

タデアイ インディカン含量量比較1

我が家で育てているタデアイ4種のに含まれているインディカン含量量のざっくりとした比較です。(6月下旬)

タデアイ4種の成長期の葉のインディカン含量量の比較

どのタイプのもインディカン(藍色となる成分)があるようですが、のタイプよりも位置による含有量の違いが大きく感じられました。


の位置が分かりやすいように、を擦る前のものと並べてみました。
は生のものです。

左:タデアイ生葉 右:擦り出したもの
下:を擦り出したもの拡大

成長期のタデアイの葉(このコーナーでメインに扱っているタデアイ 千本系?)のインディカン含量量の比較
成長期のタデアイの葉(このコーナーでメインに扱っているタデアイ 千本系?)のインディカン含量量
このコーナーでメインに扱っているタデアイ

成長期のタデアイの葉(花が淡いピンクで長葉タイプ)のインディカン含量量の比較
成長期のタデアイの葉(花が淡いピンクで長葉タイプ)のインディカン含量量
花が淡いピンクの長葉タイプ

成長期のタデアイの葉(花が濃淡のピンクで葉が長卵型タイプ)のインディカン含量量の比較
成長期のタデアイの葉(花が濃淡のピンクで葉が長卵型タイプ)のインディカン含量量
花が濃淡のピンクで葉が長卵型タイプ

成長期のタデアイの葉(マルバアイ)のインディカン含量量の比較
成長期のタデアイの葉(マルバアイ)のインディカン含量量
マルバアイ

どのタイプも先端の若いほど藍色が濃くなっていて、下のには藍色成分があまり無いようです。

成長期のタデアイの葉のインディカン含量量の比較

タデアイ インディカン含量量比較2

6月上旬、前述のタデアイ 葉の形の比較タデアイマルバアイと同じ36mm位の幅にして藍色成分を比較しようとしたものです。

4種類のタデアイ葉と葉を擦った液を画用紙に染み込ませたものの比較

上段は楕円に切り取ったで、下段はの残り部分を擦りつけたたもの。

左からこのコーナーでメインに扱っているタデアイ

花が淡いピンクで長葉タイプ

花が濃淡のピンクで葉が長卵型タイプ

マルバアイ

一番左側のタデアイに関して、葉身の下側の方が藍色成分が充実している事がわかりました。


同じ日に似たような別のの上部分で藍色成分を比較したものです。

汁が多く、2枚目の画用紙、3枚目の上質紙まで色が染み込んでいます。

6月上旬に4種類のタデアイの別の葉を擦った液を画用紙に染み込ませたものの比較 1枚め
6月上旬4種類のタデアイの別の葉を擦った液を画用紙に染み込ませたものの比較 2枚目
6月上旬4種類のタデアイの別の葉を擦った液を画用紙に染み込ませたものの比較 3枚目

下の紙の方が空気に触れにくくて酸化が遅れているためか、藍色がきれいに出ているようです。

1番右のマルバアイ藍色成分が多かったのが分かります。

タデアイ インディカン含量量比較3

7月上旬、梅雨のせいで日照時間が少々少ない状態の時のですが、同様にして藍色成分を比較。

7月上旬に4種類のタデアイの葉の比較

上段がの上の方で下段がの下の方を使用。▼

7月上旬に4種類のタデアイの葉を画用紙に擦りつけたものの比較

1番左のタデアイと右のマルバアイは何度か収穫をした後ので、1番左のタデアイは、まだが小さい状態です。

左から2番目は花が淡いピンクで長葉タイプで、が12cmほどになり元気が良いでした。葉の上と下、どちらもたっぷりと藍色成分が含まれているようです。

6月上旬と比較すると、どの葉も藍色成分が増えているようです。

藍の生葉染めの空色のバリエーションが豊かな理由の一つにの種類や収穫したの位置や時期、成長具合などが起因していることを実感しました。


先端の葉ばかりで生葉染めをしてみる

そこで、の含有量が他のタデアイと比べてやや少なめと思われる花が濃淡のピンクで葉が長卵型タイプ先端5枚ぐらいばかりを使って生葉染めをしてみました。の重さはいつもと同様で8月上旬に行いました。結果はかなり濃く染めることができました。

参照:8月上旬の先端の葉で生葉染め ▶

タデアイ インディカン含量量比較4
葉を紙に擦り透ける ー やり方

方法は摘んだを画用紙に直接擦りつけるという単純なもの。

画用紙の下には数枚の上質紙を重ねています。

葉脈を取ったタデアイの葉

葉脈があると繊維質が邪魔になって擦りにくいので取り除きます。

葉の表面を引っ掻いて出たタデアイの葉の汁を画用紙に擦りつける

竹製の割り箸(天削げ箸)の反対側をヘラにして擦ってみました。

葉の表面を引っ掻いたタデアイの葉
葉の表面を引っ掻いたマルバアイの葉
葉の表面を引っ掻いたマルバアイの葉 拡大

タデアイの表面を軽く引っかくと鮮やかな明るい黄緑色の液が出てきます。藍の生葉染めをする時に出てくる色です。

その下には極薄い透明な膜のような繊維があり、防水仕様になっていて破れないと液体を通しません。

藍の生葉染めの染液作りに出てくる絞りカスの殆んどは葉脈とこの透明な繊維だったようです。

このやり方は叩き染めと異なり、染色後に洗う工程がないため、葉緑素が抜かれていないので緑色が濃いままですが、藍色成分の多い場所が比較的簡単に確認できます。


木や竹を藍染め

藍色に染まった竹の割り箸

ヘラとして使った割り箸は水で洗っても色落ちしない藍色になりました。

木や竹を藍染めのようにしてみるのも楽しそうです。

タデアイ インディカン含量量比較5

叩き染めをするように、紙にを置いて叩いてみました。

タデアイの葉4種を裏返しにして紙に置いたもの

の表が紙に直接当たるように、を裏側して紙に置き、幅広の透明テープ(OPPテープ)で固定。

その上から角の丸い金属で叩いての細胞を潰してみました。

タデアイ4種の葉を紙に叩いたもの

どの藍色成分が出ています。

タデアイの葉を紙に叩いたもの
タデアイ(花が淡いピンクで長葉タイプ)の葉を紙に叩いたもの
タデアイ(花が濃淡のピンクで葉が長卵型タイプ)の葉を紙に叩いたもの
マルバアイの葉を紙に叩いたもの

しばらく経って、藍色成分が見やすくなるよう、紙を窓ガラスに貼って透過させて見たところ、藍色が薄くなっているように見えました。

タデアイの葉を紙に叩いたもの
タデアイの葉を紙に叩いたものを透過光で見たところ 部分拡大
マルバアイの葉を紙に叩いたものを透過光で見たところ

特に、マルバアイが顕著です。

このマルバアイが咲き始めているもののなので、が咲く頃の藍の生葉染め藍色の定着が悪い事と関連があるのかもしれません。

これはこれで影絵のようで綺麗です。

タデアイの乾燥葉

藍の葉は大きく育った後、そのままにしておいても枯れてしまうだけです。

そこで、時間の都合等で藍の生葉染めができない時は摘み取って乾燥させておきましょう。後々に還元剤を用いた染色をすることができて便利です。

参照:藍の簡単染め ▶

タデアイの乾燥葉

また、株間の風通しを良くすることで病気予防にもなります。

5月に間引きしたタデアイが茂り過ぎた時など随時採取して乾燥させてみました。藍の生葉染めと平行してを採取しましたが、それなりの収穫がありました。

乾燥中のタデアイの葉

7月から8月にかけての猛暑日は絶好の乾燥葉作り日和で速乾でした。

アミで乾燥させているタデアイの葉

乾燥させた藍の葉は密閉袋に乾燥剤と一緒に入れて保存し、還元剤を用いた染色時に使います。

袋に詰められた乾燥させたタデアイの葉

特に、プランター栽培など少量の収穫しかできない場合は貴重な藍の葉を無駄なく大切に利用したいものです。

翌年も藍染めを楽しみたいのであれば種子の収穫用の株も忘れずに少しだけ残しておきましょう。

収穫後のタデアイの葉の保存

タデアイを収穫したら、なるべく早く使い切りたいところですが、量が多くて使いきれなかったとか、用事ができて当日に染色ができなくなってしまったという場合の保存方法。


がついたままなら、水挿しして日陰に置いておく。

水の入ったバケツに入れられた収穫したタデアイ

すでにからを外してしまった場合は、ポリ袋に少々の水と空気を入れて圧力がかからないようにして冷蔵庫の野菜室で保管します。を傷つけないように保存するのが大切なポイント。

タデアイの葉をポリ袋で保存する

傷が無く、鮮度が保たれていれば、問題なく生葉染めに使えます。

鮮度が保たれたままポリ袋で保存されたタデアイの葉

タデアイと似ているイヌタデ (犬蓼)

イヌタデはかつて子どもがままごとでつぶつぶのを飯粒(赤飯)に見立てて使っていたのでアカマンマと呼ばれ親しまれてきた植物でタデアイと似た雰囲気のを咲かせます。

イヌタデの花

イヌタデタデアイ、どちらもタデ科イヌタデ属の一年草です。

群生するイヌタデの花

似てはいますが、イヌタデタデアイと比べるとも小さくても細くて華奢な感じがします。

花を咲かせたイヌタデ
アカマンマ イヌタデの花
花を咲かせたイヌタデ 拡大

イヌタデと開いた花被)とが終わったあとの痩果を包む花被は同じような雰囲気で遠目には区別がつきません。なのでいつまでもが咲いているような感じがします。

イヌタデの花 拡大

イヌタデ花被の付け根からが生えているのが特徴です。

花被の付け根から毛が生えているイヌタデの花

托葉鞘と呼ばれるを覆う薄い膜のような部分の上部に生える縁毛という毛が托葉鞘と同じくらいの長さです。

イヌタデの葉
イヌタデの托葉

秋にイヌタデの花で辺り一面ピンク色になった様子はなかなか素敵です。

アカマンマの群生
アカマンマ 拡大

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