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栽培中に気づいたワタの不思議
ワタのゴシポール腺
趣味の綿花栽培 番外編2

ワタ植物に見られる斑点の正体

植物全体にゴシポールを持つワタ

フカフカのコットンボールに憧れて始めた趣味のワタ栽培ですが、観察しているうちに気になってきたワタ独特の斑点模様ワタ植物の全体に広く存在するこの黒い点害虫病気に対する耐性に活躍するゴシポールを分泌するです。

コットンの若葉全体に存在するゴシポール

栽培には直接関係のないことですが、この正体を探ってみました。

コットンの若葉全体に見られるゴシポール

ワタ栽培番外編2 メニュー

ワタ植物に見られる
 斑点ゴシポール

ゴシポールワタGossypiumが生成するポリフェノール色素抗菌作用殺虫作用抗酸化作用があり、自己防衛に重要な役割を果たします。そして、種子副萼果皮など植物全体に含まれています。

種子ゴシポールについては、

参照:ワタの種子のゴシポール ▶

ワタの新芽に見られるゴシポール腺

ゴシポールGossypol)の名前はワタ属Gossypium)由来

ワタの新芽のあらゆる場所に見られるゴシポール腺

ゴシポール腺による斑点模様ワタのあちらこちらで見られます。

ワタの葉にあるゴシポール腺
ワタの葉裏から見たゴシポール腺
ワタの副萼にあるゴシポール腺
ワタの葉の表に見えるゴシポール腺
ワタの葉の表面に見えるゴシポール腺
ワタの裏の葉脈や葉柄に見られるゴシポール腺
ワタの若葉や花芽に見られるゴシポール腺
ワタの若葉に見られるゴシポール腺
ワタの新葉に見られるゴシポール腺
ワタの新葉に見られる斑点 ゴシポール腺
ワタの主茎や葉柄に見られるゴシポール腺
ワタの未熟果のゴシポール腺
ワタの実のゴシポール腺
ワタの実に見られるゴシポール腺
ワタの実が弾けた頃のゴシポール腺

ワタの蒴果が開く頃になると、不要になったせいか果皮のゴシポールが腺から抜けているように見えます。

ワタの種子のゴシポール

ゴシポールは特にワタ種子に多く含まれます。

綿毛のついたワタの種子
▲ 綿毛のついた種子
綿毛のついた種皮を半分外したワタの種子
▲ 堅い種皮の中の胚
綿毛のついた種皮を半分外したワタの種子
▲ 種皮と内種皮をむいた胚
ワタの胚
▲ 内種皮をはずした胚

種子全体に見られる赤い斑点状のものはゴシポール腺

綿毛のついたまま半分に割ったワタの種子
▲ 種子の断面
ワタの種子断面
▲ 赤いゴシポール腺が目立つ種子の断面
吸水後、綿毛のついたまま半分に割ったワタの種子から黄色い色素がにじみ出ている

吸水した種子を半分に割ったところ、ゴシポール腺から黄色の色素がにじみ出てきました。

吸水したワタの種子の断面から黄色い色素がにじみ出ている
▲ ゴシポール腺からにじむ黄色の色素

ワタ種子を護るゴシポールは人体には有毒成分で、殺精子作用もあるそうです。精製度の低い綿実油の摂取は危険だということです。

反芻動物以外の動物もゴシポールを含む綿実を摂取すると悪影響があるため、種子ゴシポールを作らない品種の研究がされているそうです。

ゴシポールに護られているワタの種子発芽中の姿はコチラで。

▶参照:ワタの種子

ゴシポールは役立っているのか?

ワタは体全体にゴシポールをまとうことで、外的から身を護っているような印象を受けますが、その割には蛾の幼虫を食べられたりするのを見ると、ゴシポールって殺虫成分があるといっても役立っているの?という疑問がわいてきます。

ゴシポールを持っているにしてはの被害が多く見受けられます。

ワタの葉を食べるガの幼虫

実際、効果があるのか疑問ですがこれでもマシな方なんでしょうか???


そんな疑問を抱いていた時、10月中旬にアメリカ綿未熟果が小さく齧られた形跡を発見。何年か綿栽培をしてきましたが、こういう被害は今回が初めてです。

小動物にかじられたアメリカ綿の未熟果

齧り主は不明でしたが、驚いたことにこの翌年の栽培で、ワタが夜な夜なクマネズミの食害にあったのを確認したので齧り主はクマネズミだったと思われます。

アメリカ綿の未熟果が動物にかじられた形跡

齧られたのは果皮だけで、中の白いわたの繊維が現れていました。

アメリカ綿の未熟果が動物にかじられた形跡に見られるゴシポール腺

果皮の齧り跡にはゴシポール腺からゴシポールが出ているようです。

動物にかじられたアメリカ綿の未熟果の果皮に見られるゴシポール腺

少し齧っただけでわたの未熟果を食べるのを諦めたのは、中身がおいしくもない繊維だったことと、果皮がものすごく不味かったせいだと考えられます。

による食害防止力がゴシポールに効果的にあるかは疑問のままですが、動物の食害防止には役立っているように思える事象でした。

その後、が毎晩毎晩クマネズミに食べられていたことを確認したので、ゴシポールが動物の食害防止に役立っているかどうかも疑問となりました。

発芽中のワタの種子や根に見られる
黄色い色素 ゴシポール

ゴシポールとの出会いは発芽実験の時でした。

ワタ発芽実験の時や発根中のによく見られる黄色い色素。少々、独特な臭いがあります。

この黄色い色素アメリカ綿の方がアジア綿より多く見られました。

アメリカワタもやしの出始めた側根根が濃い黄色になっている

気になったのは、黄色い色素の濃い箇所から側根が出始めていることが多かった点です。

土壌微生物との相互作用などと関係のある何か大切な成分かもしれないと調べてみたところ、ゴシポールGossypol)という有機化合物であることが分かりました。

側根が出始めたアメリカワタもやしの根のまわりが濃い黄色になっている

そうこう見ているうちにワタという植物がゴシポールでフル装備しているように見えてきました。

▶︎ワタ植物に見られる斑点ゴシポール

チャックつきポリ袋の内に入れた発芽中のワタの種子からキッチンペーパーに染み出した黄色い色素 ゴシポール

第1回目のアメリカ綿の発芽実験の時には浸す温度が高すぎたのか種子から、大量に黄色い色素が染み出していました。ゴシポールは水溶性と思われます。

発芽中のアメリカワタの種子からキッチンペーパーに染み出している黄色い色素ゴシポール

ゴシポール種子に多く含まれているということならば納得です。

発芽中のアメリカワタの種子からキッチンペーパーに染み出したゴシポール

種子からこの黄色い色素が多く出ると、腐敗するなど発芽の予後が悪くなる傾向があります。

発根したアメリカワタからキッチンペーパーに染み出した黄色の色素ゴシポール
発根中のアメリカワタからキッチンペーパーに染み出した黄色の色素ゴシポール

ワタのもやしを栽培している時にもキッチンペーパーで包んだの辺りに黄色い色素が付着していました。

発芽中のアメリカワタの根のまわりに染み出した黄色い色素bゴシポール

よりも種皮から抜け出た子葉の方が真っ黄色になっています。

アメリカワタもやしの根のまわりに染み出した黄色い色素ゴシポール

茎にもゴシポールが確認できます。黄色くなっている箇所は成長に重要な場所で、バイ菌などから護られている形跡ではないでしょうか。

種皮を外した発根したアメリカワタ 根の付近に見られる黄色の色素ゴシポール
種皮を外した発根したアメリカワタ   
         子葉に見られる黄色の色素ゴシポール
アメリカワタもやしの根のまわりの黄色い色素ゴシポール

発根後の植えつけでアジア綿の方がアメリカ綿と比べて傷みやすかったのは抗菌作用ゴシポールの量が少なかったからかもしれません。

ワタの根のゴシポール

本葉が2枚出揃った頃のアメリカ綿です。魔法瓶発根させた後にワタもやしとして育て、が伸びてから水栽培育したところ、黄色くなりました。

本葉が出始めた頃の水耕栽培したアメリカ綿の根
本葉が出始めた頃の水耕栽培したアメリカ綿の根の部分

そのうち水栽培しているアメリカ綿の苗の水も黄色くなってきました。ゴシポールによるものだと思われます。良好な環境でないためストレスがあるのかもしれません。

水が黄色くなっているアメリカワタもやしの水挿し栽培

この水を鉢植えのワタに少しまいて経過観察していますが、今のところ問題はないようです。

水栽培されているアメリカ綿の方はただの水を入れ替えるだけで栄養もないため育ちが悪いです。

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このページは「なんだろな」

ワタ栽培 番外編2