不思議で楽しい植物の世界
おもしろい木の実 ムクロジ

ムクロジの実と種子。

どこまでも楽しいムクロジの実

ムクロジ メニュー

まるで魔法瓶!? ムクロジの実

魔法瓶のような不思議な形のムクロジの実

昭和レトロの魔法瓶のようなユニークな形をしているムクロジの実

形もさることながら、半透明な質感はアールヌーボーのエミール ガレドーム兄弟によるガラス工芸作品を彷彿とさせます。とっても魅力的。

おままごとのポットのようでもあり、かわいいです。ムクロジポットとでも呼んでみましょうか。(笑)


ムクロジの実の中の黒い種子
ムクロジの実の内部

ムクロジの実の断面の側面画像
割ってみると飴細工のような質感の実

乾燥しきっていないムクロジポットを割ってみるとペタペタした水飴のような粘液が出てきます。

このペタペタしたものはサポニンで、何と!石鹸シャボン玉にも使われていたという優れものです。

石鹸として使われていた >


鳴っても楽しいムクロジの音

乾燥が進むと、黒い種子は外の皮から外れ、鈴のような状態になり、振るとコロコロと音がして楽しいです。


黒い種子に見えるものは厳密には種子の入ったの事ですが一般的にわかりやすくするため、以降 黒い種子と表現させていただきます。


時間と共に色が濃くなるムクロジの実
時間と共に乾燥してかたくなり
色が濃くなるムクロジポット

複数の黒い種子のこすれ合う音は福引きの抽選器をガラガラ回す音のようで、これまた楽しくていいカンジ。

ムクロジ黒い種子を詰めた抽選器のガラガラを作ってみたくなりました。

制作した抽選器ガラガラ風の楽器
制作した抽選器ガラガラ風の楽器

ムクロジポットメルヘンチックな形をしているので、試しにデジタル絵本アラジプーの魔法のランプーに登場するへび茶の容器をムクロジポットに差し替えてみました↓下図。これはこれで異様な雰囲気がいいですね。(笑)

お話の最後の方で、魔法にかけられたムクロジの種子が大量に出てきて

みなしごうさぎカジンが冒険活躍するおとぎ話です。見てネ!

へび茶の入ったムクロジポット
ムクロジポットの中のへび茶を飲むカジン

ムクロジの木についてはコチラへ

ムクロジの木 アラカルト >

ムクロジの四季 >

縁起の良い木の実 羽根つきの羽根

オレンジ色の飴細工のような優雅な器に収納されたムクロジ黒い種子羽根つきの羽根の黒い玉として使われていたんだそうです。


羽根つきの羽根

ムクロジは漢字で無患子と書くことから、子が患わ無いという願いが込められ、羽子板厄をはね返す、はねのけるという事から縁起物として扱われていたようです。

また、ムクロジの黒い種子に見立てて、魔滅 (まめ)魔除けになるとか、マメに暮らせるという縁起かつぎも上乗せされていました。


羽根つきは室町時代から宮中の正月遊びとしてあったそうですが、一般にも盛んに遊ばれるようになったのは江戸時代以降のようです。

室町時代の羽根つき >


因みに、羽子板羽子とはムクロジに孔をうがち、彩色した鳥の小羽を数枚さしこんだもので、羽子板でこれをついて遊ぶ。と広辞苑に記されています。つまり羽子とは羽根のことですね。なので、羽子つきというのもなるほどです。

とは一般的に黒い種子とされている羽根のおもりの部分。この中に本当の種子が入っています。


羽根つき羽根は当初、ムクロジの種子に鳥のをつけたものをを食べるトンボの姿に見立て、空につきあげて蚊除けのまじないとしていたものだそうです。

なぜお正月に羽根つきをするの? >


羽根つき羽根の始まりについては

羽根の元祖 !? ツクバネ >


当時の疫病はを媒介として広まることが多かったといいます。昨今、よく耳にするデング熱マラリア等の感染症蚊が媒介することが知られているので納得です。


しかし、羽根つき羽根を見た限りでは「どうしてトンボに見えるのだろう?」と疑問に感じたのですが、黒い種子を2つ並べるとトンボのように見えなくもない。

ムクロジの黒い種子はちょうど大型トンボの目の大きさぐらいです。

羽根が飛び交う様子をトンボが素速く飛ぶ姿に見立てたんですね。

ムクロジの種子を目に見立てて2つ並べて作ったトンボイメージの羽根

室町時代に始まり、現代に至るまで羽根つき羽子板は時代と共にいろいろな縁起かつぎが加えられ厄除け無病息災の願いが盛りだくさんにこめられるようになりました。


また、景気を跳ね (羽根) 上げると言う意味で、江戸時代には商売繁盛のお札代わりにも贈られていたという縁起物だったようです。


羽子板と羽根つきの羽根イメージ

と、いうことでお正月には羽根つきをすると縁起が良いようですね。

ムクロジの種子の羽根を使った羽根つきで災厄や困難を跳ね返せるように祈願するのも良いかも!?

ムクロジ破邪伝説のルーツ

中国最初の植物図鑑 植物名実図考 長編には昔、ムクロジの木で作った棒で巫女が鬼を殺したとの言い伝えから、鬼を追い払い邪気無くす、つまり患い無くすと伝えられた、という 話が載せられているそうです。また、妖怪、神々の記述も多く含まれる中国最古の地理書・地誌とされる山海経(せんがいきょう)にもの原名で果実を酒に漬けて飲むと邪気を防ぐと記述があることから、破邪伝説はこのあたりがルーツなのかもしれません。


ムクロジの名前のルーツ

しかし、がどうして無患子という字になったのでしょう?

推測するに、ムクロジ種子が特徴的な樹木です。なので、木の名前をつける時に種子を意味するという字を入れたと思われます。


そこから、木桓子木患子・木槵子無患子という変遷をたどったのでは?因みに中国語での発音は(mù)、無=无(wú)で、桓・槵・患は共に(huàn)と同じ発音で、は(zǐ)となるようです。

ムクロジとモクゲンジ名前の由来 (説) >

ムクロジを使って羽根を作ってみた

ムクロジと白鳥の羽を使って作った羽根

白鳥の羽を拾う機会に恵まれましたので自己流でムクロジの種子をつけたニュータイプの羽根を作ってみました。

名付けてムクロジシャトル。(笑)


白鳥飛来地に来た白鳥たち
白鳥飛来地に来た白鳥
冬のかわいい訪問者
荒川に飛来するコハクチョウ

まず、ムクロジの種子の先端の切れ目に穴を開け、そこに極小ネジを埋め込んで装着部分を作り、そこにをつけます。

バドミントン羽根のように滞空時間が長くなるようにを均等に広げてつけてみるのがポイント。

白鳥以外のも混ぜてみたらこれもキレイで使い勝手も良いです。

ムクロジの種子と白鳥の羽等で作った羽根

程よく一文字ライン虫穴が開いているものがあったのでそのを広げ木工ボンドをつけたをさしこんでみました。これも落下時にクルクルときれいに回転して使い勝手が良いので気に入っています。

白鳥の羽のせいか天使みたいで軽くてフワフワ、優雅な雰囲気です。

虫穴の開いたムクロジの種子と白鳥の羽で作った羽根

羽子板を作ってみた

羽根ができたら、当然羽子板も作りたくなるものです。

そこで、使い勝手重視で柄の部分が長めの羽子板を作ってみました。

端材を利用して作った羽子板で試し打ちをしてみると、カツンカツンと小気味の良い音がします。ふんわりとして優雅そうな羽根の動きが複雑で、思っていたよりずっと運動量があってなかなか楽しいです。


制作した羽子板
自作した羽子板と羽根つき用の羽根

は軽いなどが良いようですが、羽根の玉ムクロジの種子がカツンカツン当たって、窪みができてしまうので、絵などの装飾は板の打たない側に施します。でも作ってみましたが、これもイイ感じ。


今回、絵柄は時短でコピーした絵柄を使いました。インクジェットでは水に弱いのでレーザープリンターで出力し、とりあえずは両面テープで接着して、華やかさを出すために色つきのマスキングテープで縁取ってみました。

ぷう神の描かれた羽子板

このやり方だと、着せ替え人形のように、すぐ絵柄を交換することができます。「もう、これに決めた!」という時には木工用ボンドで紙を貼り、その上に水溶性のアクリル樹脂塗料でコーティングすれば、わりと耐久性のあるものとなります。

絵を描くのに自信のある方はトールペイントがオススメです。


縁起の良さがもりだくさんの羽子板

羽子板には厄や病気を跳ね返す、という縁起かつぎの他にも羽子板の形にも縁起の良さが盛り込まれています。末広がりで逆さにすると富士山にも見立てられてきたんだとか。

葛飾北斎富士山なんかの図柄もおめでたくてカッコ良さそう!


今回制作した羽子板の絵柄はにあやかって、頭文字に)のつくぷう神となっております。

画像参照:イラストギャラリー
「ぷう太郎雷神之図」


楽しい羽根突き

羽根つきには羽根を打ち合う追羽根と一人で羽根を打ち上げ、その回数を競う揚羽根突き羽根という遊び方があるそうです。


ムクロジに縁があったので、厄除けも兼ねて揚羽根に奮闘中!

とりあえずの目標はコンスタントに煩悩の数の108回打ち続けること。省スペースで適度な運動ができるので冬の運動不足解消に効果的。

練習の甲斐あってそれなりに上達しました。


そして、お正月の風のあまり無い日に公園で追羽根を友人たちとやってみました。

くるくると綺麗に回転する鳥の羽がとても美しくて感動!軽やかに高速で回転する様はフィギュアスケーターのジャンプや楓の種子のプロペラみたいです。


しかしながら、わずかな風や羽子板の風圧で羽根の軌道が変わり、打つのが意外と難しく翻弄されます。

たかが羽根突きなどと高をくくっていたのですが、予想以上に激しい動きを余儀なくされ、息切れする程。

もし、顔に墨を塗る罰ゲームをしていたら汗と墨で顔はぐちゃぐちゃになっていたことでしょう。(笑)


お正月の陽だまりの中、ムクロジ羽根が小気味良くカツンカツン鳴り響き、心地良い時間を過ごすことができ、大満足の結果となりました。

羽根突きは風情も運動量もあるので友人たちも「ハマりそう!」と満面の笑顔でした。試してみたい方は風の無い日にどうぞ!


欲をいえばムクロジシャトル白鳥水鳥次列風切羽を使えば、さらに良い羽根ができるのではないかと思案中。が、現実的には大きすぎてバランスが悪いかもしれませんね。

羽根の動きはの付け方でまったく違うものになってしまうので奥が深く面白いです。


微笑ましい白鳥の親子
おまけ 微笑ましい白鳥の親子
photo by X posid
おちゃめな白鳥の雛
拡大写真 おちゃめな白鳥の雛
ちゃっかりとお母さんに乗ってラクチン

写真をクリックするとオリジナルの超拡大写真でかわいい白鳥のヒナを見る事ができます。特に後ろの立ち上がっているヒナの姿がカワイイ!


白鳥の羽根はとてもふわふわして、風に舞う綿毛のタンポポカエデのプロペラみたいに軽やかで、お気に入りの一品となりました。


おまけついでに綿毛のタンポポに埋もれているとても可愛いカヤネズミの写真に出会いましたので、写真をクリッックしてオリジナルのカワイイ写真をご覧になってください。


タンポポに比べてこの大きさということはとても小さいんですね。絵本から抜け出てきたような夢のようなかわいらしさです。素晴らしい写真を撮って下さったBinsteadさんには大感謝です!(下はトリミング拡大)

転載はご遠慮ください。


綿毛のタンポポの中のかわいいネズミ
綿毛のタンポポの中のかわいいネズミ拡大
タンポポの綿毛とかわいいカヤネズミ

photo by Binstead
Harvest mouse climbs up a dandelion - Mail Online


サヤインゲンみたいな実にぎっしりと格納され、裂開と共に種髪を広げ飛び立つテイカカズラの種子も新春の空に舞い上がっていました。

フェザー付きのムクロジシャトルと雰囲気が似ていて面白いです。

白鳥の羽を使って作った羽根とテイカカズラの種
ムクロジシャトルとテイカカズラの種子
綿毛のテイカカズラ種子
鞘から出たてのテイカカズラの種子
テイカカズラの種子

羽根の参考にしたくなる植物の種子

綿毛のある種子
ステキな綿毛のパラシュートタイプの種
カエデのプロペラのような種
楽しいプロペラタイプの種

アザミやタンポポ等のキク科の綿毛のパラシュートタイプやカエデ等のプロペラタイプの種子は実に精巧にできていて植物の不思議な世界へと誘われ、見とれてしまいます。

モミジのプロペラのような種

ホオズキもまた、羽根の形に似せると、愛らしいですね。

羽根のようなホオズキ

草木染めで稀少な青色の染料となるクサギの綺麗な青い実。果実が熟すとピンク色の萼が開き、やがて赤と紺色のコントラスト鮮やかな羽根のようになり、美しくカワイイです。

クサギの美しい青い実

ムクロジからどこまでも楽しい世界が広がっておまけがたくさん増えてしまいました。(笑)

超カンタンに作れる羽根つきの羽根

ムクロジの種を使って羽根を作ってみた第2弾!ムクロジの種のあまりの堅さに羽根作りを断念した方に超カンタンに羽根を作る方法をご紹介します。

お手軽に作る羽根つきの羽根

大変な穴あけ作業も道具も接着剤も鳥の羽もいりません。

てるてる坊主を作る要領ムクロジの種を正方形に切ったレジ袋で包んで輪ゴムで止めるだけ

その際、一文字ラインのある方向を縛る側に持っていきましょう。一文字ラインに少しだけ両面テープを貼っておけば、すべらずに固定しやすくなります。

薄手の布など軽くてしなやかな素材を使えば、使い心地が良いです。

お手軽に作る羽根つきの羽根の材料
必要なもの:輪ゴム・ムクロジの種
正方形に切ったレジ袋や軽い布

オシャレな柄カラフルレジ袋を使ったり、折りたたみ具合を工夫したりすれば、キャンディーみたいなカワイイ羽根のできあがり。


ムクロジ黒い種子を見せたい時はが見えるように外側の布またはカラフルなレジ袋の中央をくり抜いて透明ビニール袋をその中央に被せ、セロテープで固定して同様に包みます。ラッピングタイなどで縛るのも簡単で良いです。

お手軽に作るカワイイ羽根つきの羽根

骨が折れたりして不要になった傘の布なんかも良いです。ゴムもカラーゴムやキレイな紐を使えばカワイイ小物にもなります。


耐久性はありませんがそもそも羽根突きはそれほど頻繁にやるものでもないし、この方法なら、すぐに作り直しができるのでご安心を。


ムクロジの実を拾う機会があれば、試してみてはどうでしょう?

ただし、鳥の羽根と比べると滞空時間が短くスピードが早いので俊敏な動きが要求されます。

羽根の元祖 !? ツクバネ

ツクバネ (衝羽根) は、ビャクダン科ツクバネ属の雌雄異株の落葉低木で羽根の形によく似ている面白い形のをつけます。

スギ・ヒノキ・モミ・アセビなどの根に半寄生し、乾燥する急斜面や尾根に生育する植物です。

ツクバネの実 果実。落下する時、羽根つきの羽根のようにクルクル回転する。
画像の出典:Wikimedia Commons

語源由来辞典によれば、室町時代、羽根つきの羽根にはこのツクバネの実が使われ、ツクバネの中国語名の胡鬼から羽子板胡鬼板 (こぎいた) と呼ばれていたそうです。

種子を意味するので胡鬼の子ツクバネの実をさします。

さらに、羽子板・破魔弓の由来によれば、胡鬼 (こぎ・こき) とは古代の中国でトンボのことを表す言葉なんだそうです。

羽根はあくまでもトンボに見立てることが必須だったようですね。

縁起の良い木の実 羽根つきの羽根 >


晩秋のツクバネの実のなっているようす
画像の出典:Wikimedia Commons

ツクバネの名前の由来は羽根つきの羽根に似ているという説が一般的ですが、そもそもこのを手で衝いて遊んだのが羽根つきの始まりと言われています。


ムクロジの種子をつけた羽根はこのツクバネの実を模して作られたもののようで、こちらこそが羽根の本家、元祖だったと考えると形が似ているのは当然といえるでしょう。


耐久性があって、より楽しく遊べてご利益がありそうな羽子 (=ムクロジの羽付きの羽根) の登場が羽子つき羽根つきを今なお残る文化として定着させたのでしょう。

胡鬼 (コギ) という中国名から衝羽根 (ツクバネ) に名が変ったのはそんな経緯によるものではないかと推測をしているところです。


因みに室町時代の書物の世諺問答によれば、ムクロジつきの羽根が既にこきのこと呼ばれ使われてたことが記されています。その内容は、

なぜお正月に羽根つきをするの? >


若いツクバネの実のなっているようす
画像の出典:Wikimedia Commons
若いツクバネの実のなっているようす 拡大
画像の出典:Wikimedia Commons

羽根つきの起源は14世紀頃に硬貨をおもりにした羽根を蹴る中国の遊びが、室町時代に日本に伝わって変化したものと考えられているそうですから、胡鬼 (ツクバネ) の登場はこの頃だったと思われます。


※上記の写真はすべてトリミング使用、一番下の写真は回転させていただいています。

室町時代の羽根つき

羽根つきが日本の文献に初登場するのは、看聞御記 (かんもんぎょき)という後崇光院 (ごすうこういん) の書かれた室町時代の日記です。


その中で永享4年(1432年)正月御所に於いて、公喞や女官が男組と女組に分かれ、紅白に分かれてこぎの子勝負=羽根つき勝負に興せられたという内容の記録があります。

因みに負けた方が酒を振る舞うことになっていたんだとか。


当時は羽根つき羽根胡鬼 (こぎ) ・胡鬼の子と呼んでいたようです。

羽根の元祖 !? ツクバネ >


文安元年 (1444年) に成立したとされる室町時代の国語辞典下学集には羽子板(ハゴイタコギイタ)について正月之を用いると記してあるそうです。この頃にはハゴイタという呼び名も羽根つきが正月の行事として定着していたことを伺い知ることができます。


室町時代に描かれた月次風俗図屏風 (つきなみふうぞくずびょうぶ) は今使っているカレンダーのように1年の各月に行われる公家から庶民に至る各層の年中行事が描かれています。

月次風俗図屏風部分
月次風俗図屏風 部分

第1扇に正月の羽根つきをする様子が見てとれます。意外とやる気満々で楽しそうです。この頃はムクロジの羽根を使っていたのでしょうか。

月次風俗図屏風部分 拡大図
羽根つき部分 拡大
月次風俗図屏風部分 女性たち拡大図
女性チーム 拡大
月次風俗図屏風部分 若者たち拡大図
男性チーム 拡大

画像出典:東京国立博物館 コレクション


月次風俗図屏風には
その他、毬打、松囃、花見、田植、賀茂競馬と衣更、犬追物と蹴鞠、富士の巻狩、春日社頭の祭と雪遊びなどが描かれているので、興味のある方は東京国立博物館 コレクションでご覧になってください。


教えて おじいちゃん!
なぜお正月に羽根つきをするの?


天文13年 (1544年) に書かれた室町時代の「これってどういう意味?教えて!なぜなぜ」的しきたり解説書世諺問答 (せげんもんどう) の中で解説されているものをざっくりとした現代語意訳で紹介します。


子どもが老人に質問します。

お正月に幼い子どもが こきのこ (=羽根) を突くのはどうしてなの?

それに対し、老人が答えます。

それは幼い子どもがにくわれないためのおまじないなんだよ。

秋の初めにトンボという虫が出てきて蚊を捕らえて食べるんだ。

こきのこ (=羽根) というのは木連子 (=ムクロジの種) をトンボの頭に見立てて、それに鳥のをつけたものなんだ。

これを板で突きあげれば、落ちる時にトンボ返りのように見えるんだ。

それで、を恐ろしがらせるためにこきのこ (=羽根) を突くのだよ。

※蚊は伝染病を媒介する厄と考えられていた。

カトリヤンマ
カトリヤンマ photo by : モジモジサン

物知り老人と子どものQ&A形式で記された現代的な解説スタイルには驚きです。柔軟な発想ですね。

日本に古くからある年中行事の風習やしきたりの由来や起源・意味などを解説できる著者は当時500年以来の才人、日本無双の才人などと評された公卿一条兼良 。(一条兼冬 補完) 古典学・有職故実の研究から和歌・連歌・能楽などに幅広い知識を持つ学者だったそうです。


正月に蚊除けなんて変じゃないかという突っ込みが入りそうですが、年始めの病気予防祈願・厄除けだと考えれば良いのではないでしょうか。


また、羽根の古名の胡鬼 (ごぎ) には異郷の鬼的な解釈もあります。外の世界よりやってくる災いや病や邪気を胡鬼と表現し、それを突き払うことにより災厄を回避する厄除け厄払いの願いが込められた儀礼や遊びであったとする説もあります。


いずれにせよ、一年の始まりに無病息災を願って行われる祭事となり、お正月に羽根つきが行われるようになったと思われます。

胡鬼のこ(こぎのこ・こきのこ)については

羽根の元祖 !? ツクバネ >

縁起の良い木の実 数珠

滑らかで堅牢な黒い実は品の良い艶と心地の良い手触りで何やらありがたい感じです。

大きさは15mmぐらいで、硬い所に落とすと小気味良くはね返ります。

品の良いツヤのある黒いムクロジの実
ちょっと磨いただけでツヤがでる
画面やや中央の光った実

ムクロジは日当りがよく、湿り気の多い山中に生える落葉高木で寺社に植えられている事が多いとの事。


数珠のルーツ

「もし、煩悩・業苦を滅し去ろうと欲するなら、ムクロジの実百八個を貫き通して輪を作り、それを常に持って行住坐臥に渡って一心に佛法僧三宝の名を唱えてムクロジの実を一つ繰り、また唱えて実を一つ繰るということを繰り返しなさい。そのようにするならば、煩悩・業苦が消滅し功徳が得られるであろう。」とお釈迦様が説かれたという一説を見かけました。

注)ムクロジの実の事だと思いますが、翻訳過程でと訳されたのだと思われます。

元は木槵子 百八箇という表現だったらしい。

出典内容は仏説木槵子経 (もくげんじきょう) より (東晋代:訳者不明)


そうすると、これが数珠の原型という事みたいです。だから、寺院などに植えられているのだと考えると妙に納得してしまいました。


※数珠の起源である木槵子については無患子(ムクロジ)とする説・木欒子(モクゲンジ)とする説があります。

仏説木槵子経の木槵子とは? >


ちょっと寄り道:
源氏物語に登場する数珠 金剛子


源氏物語若紫に登場する金剛子の数珠玉モクゲンジの実説がありますが、金剛子には6つの角があるということなので違和感があります。

参照:モクゲンジとムクロジ


原文を見るとこの箇所は妙に歯切れが悪く難解ですが、数珠に関しては聖徳太子が百済から入手した宝玉の飾りがついた金剛子の数珠ということです。すると、法隆寺献納宝物の中に水晶木の実ガラス玉で作られた名前もそれらしき雰囲気の数珠があるではありませんか。

金剛子念珠
重要文化財 金剛子念珠

画像出典:東京国立博物館 法隆寺献納宝物 金剛子念珠

※画像をクリックするとオリジナルの大きな画像で確認できます。


東京国立博物館 法隆寺献納宝物
金剛子念珠
の解説。(以下引用)

金剛子とは本来は金剛石 (こんごうせき)(ダイヤモンド) のことであるが、水晶もまた金剛子と称されることから、これをまじえた念珠をとくに金剛子念珠と呼んだ。(引用ここまで)


こうなると、金剛子が鉱物であるか植物であるか怪しいですが、補足ながらこの木の実菩提樹という解説がされていてモクゲンジ種子ではありません。


ちょっとややこしいですが、
この木の実菩提樹の実と言われていますがホルトノキ科数珠菩提樹 (ジュズボダイジュ)・印度数珠の木 (インドジュズノキ)という木の実の種子で、本当の菩提樹 = 印度菩提樹 (インドボダイジュ) とは異なります。種子の溝の数は普通は5本ですが変異があり、稀少本数は珍重されています。本物の菩提樹のは小さすぎて数珠には適さないようです。

金剛子=ルドラクシャの実
数珠菩提樹 (ルドラクシャ) の数珠

昔、ブッダガヤで入手した菩提樹の数珠。
紐と一緒に朱の染料で染められています。
果実は地球のようなとても美しい青色。


数珠菩提樹種子はサンスクリット語でルドラクシャ (ルドラシヴァ神という意味) と呼ばれ、元々ヒンドゥー教徒の修行者の数珠として使われてきましたが、パワーストーン的な扱いをされて人気があります。


その理由として、念珠の功徳は材質によって異なり、功徳経には真珠・珊瑚は百倍ムクロジは千倍蓮の実は万倍金剛子は百億倍水晶は千億倍菩提子は福無量と記されていて、多くの経典において菩提樹の実が最上とされているからではないでしょうか。


そんなご利益のありそうな金剛子念珠の情報を得て紫式部は光源氏の快気祝いの献上品として数珠を登場させたのかもしれません。が、その情報があいまいで歯切れの悪い表現になってしまったのかも?(笑)

仏教三大聖樹 無憂樹 (ムユウジュ)

縁起の良さのついでに仏教三大聖樹と呼ばれる無憂樹(ムユウジュ)の花に偶然巡り会えたのでご紹介。

お釈迦様のお母様 マーヤー(摩耶)婦人が無憂樹の花を愛で、一枝折ろうとした時にお釈迦様が生まれたと伝えられる木で、インドでは乙女の恋をかなえる木、出産や誕生、結婚等、女性にとっての幸福の木として愛好されているのだそうです。

英名でAsoka tree, Sorrowless treeと呼ばれるAsoka(アショカ)とは「憂い無し」という意味なんだそうで、これが名前の由来なんですね。


ムユウジュの花
ムユウジュの花拡大
美しい無憂樹の花

四月八日のお釈迦さまのお誕生日を祝う花祭りでは本来この美しい花を愛でていたということです。しかし耐寒性がないためか、日本では馴染みがないのが残念ですね。

熱帯地方では街路樹に利用され、夜に芳香を放つということです。


無憂樹の新緑
柔らかくてしなやかなピンク色の若葉

お釈迦様は生まれた途端、七歩歩いて右手で天を指し、左手で地を指して天上天下唯我独尊(てんじょうてんげ・ゆいがどくそん)と話したという伝説は有名ですが、これは優越感に浸るおごった言葉ではなく、この世に唯一無二(オンリーワン)の存在として生まれた人の命の尊さを示しているのだそうです。


その他の仏教三大聖樹とは

お釈迦様が悟りを開いた所にあった印度菩提樹(インドボダイジュ)。

インドボダイジュ

お釈迦さま=ゴータマ・ブッダの別名であったボーディー(Bhodhi)から菩提樹の名はつけられそうです。

ブッダガヤの菩提樹
ブッダガヤの菩提樹

お釈迦様が亡くなった所にあったという沙羅双樹(サラソウジュ)。

春に白い花を咲かせ、ジャスミンのような香りを放つのだそうです。

格調高い「平家物語」の冒頭に出てくることで有名です。

沙羅双樹
photo by Amada44

沙羅(シャラ)と呼ばれるツバキ科のナツツバキは別種です。

石鹸として使われていた

学名はインド産の石鹸 ムクロジ
Sapindus mukorossi Gaertn.
英名はsoap nut tree (ソープナッツ)Chinese soapberry (中国の石鹸の果実) という名が示すように石鹸の代用と使用されていました。

これは果皮にサポニンを多く含ためです。


※ラテン語のsapo indicus (インドの石鹸) に日本名のムクロジよりmukorossiの名がつけられています。

ムクロジとムコロッシ 学名を探る >


ムクロジの果皮はアジアとアメリカの両方の熱帯地域で石鹸代わりに使われていた歴史があり、ソープナッツの他、ソープベリーウォッシュナッツという名前でも呼ばれます。


ムクロジの実の皮の部分を大きめに刻んで空のペットボトルに入れて、水を入れてキャップをして振ると、ペットボトルの中に見事にきめ細かい白い泡が立ちました。

ムクロジの皮を水に入ったペットボトルで振ったところ、よく泡立っている様子

かつては石鹸の代用とされたために井戸端などによく植えられた、というのも納得です。独特の甘酸っぱい匂いがあり、苦手と感じる方も多いかもしれませんがインドではリタと呼ばれ、日常的に洗濯や食器洗いに使っていたとか。

試しに使ってみたところ、普通に洗えて油汚れもおち、匂いもさほど気になりませんでした。

使用時は布袋に入れて使うと取り扱いが簡単。但し、防腐剤などは入れていないので作り置きはしない方が無難です。


青い未熟果でも試してみたところ、既にサポニンがあるらしく同様に泡立ちました。匂いは穏やかです。

ムクロジの未熟な皮を水に入ったペットボトルで振ったところ、よく泡立っている様子

本来の使用方法は乾燥させた果皮を煮立ててサポニンを抽出するのだそうです。意外にも泡は殆どたたないようです。

水にふやかしたムクロジの果皮
水にふやかしたムクロジの果皮

秋に収穫した半生状態の果皮には鼻につくようなクセのある甘酸っぱい香りがありましたが、カチカチに乾燥したものは香りがマイルドになり扱いやすくなっていました。乾燥させると保存と同時に使い勝手がよくなるようです。


日本でムクロジ果皮を洗濯や洗髪に用いたのは古くは平安時代の頃からだそうで公家屋敷にはムクロジの木が多く植えられていたそうです。

当時は灯明の煤(すす)汚れを洗い落とすのにも利用していたという事なので、既にとポピュラーな洗浄剤だったのかもしれません。


江戸時代後期の博物誌本草綱目啓蒙(1803~1905年)にはムクロジの実について、果実の外皮を俗にシャボンと呼び、油汚れの衣を洗うに用ゆと書かれているそうです。

江戸時代にはムクの皮と呼ばれ、石鹸として使われていたことを落語の世界で知る事ができます。

落語に登場していたムクロジ >


現在 人気急上昇中の無患子石鹸

なーんと!台湾では現在進行形で、無患子(ムクロジ)コスメが愛用されているんだとか。昔からムクロジの実で洗えば、風邪予防シミに効果があると言われているそうです。


台湾では身体にも、環境にも優しい無添加天然物オーガニック製品の人気が高いらしく、無患子石鹸以外にもシャンプーやコンディショナー、ボディーソープ、食器洗い洗剤等も販売されているようです。

どうやら、温故知新で環境にやさしいムクロジの洗浄効果が見直されてきた、といった感じでしょうか。


泡立ちも香りも良くさっぱり洗えて、洗い上がりはしっとりとしていてリピーターも多いとのこと。

嬉しいことに、値段もリーズナブルスーパードラッグストアなどで気軽に買うことができるのでお土産として評判も良く、人気急上昇中。

興味のある方は
無患子石鹸 台湾みやげ」で検索してみてください。


無患子のポテンシャル侮りがたし!(笑) 情報を得ても、日常に使うのをためらっていたあのムクロジ企業努力ってすごいですね。機会があれば、試してみたいです。それとも石鹸作りにチャレンジか!? (笑)


シャボン玉にも使われたムクロジの果皮

また、江戸時代末期の風俗百科守貞謾稿(もりさだまんこう)にはシャボン玉を吹くサボンウリ(シャボン売り)の説明と姿が描かれています。

さぼん粉を水に浸し、細管をもつてこれを吹く時丸泡を生ずと記されています。原文を確認したい方は画像をクリックするとオリジナルデータで見る事ができます。

江戸時代のシャボン粉売り

さぼん粉の原料はムクロジの果皮芋がらを焼いて粉にしたもので細い竹の管や葦の茎等をストロー代わりに使ったんだとか。ふわふわと虹色に光る玉は今も昔も人気があったんですね。

シャボン玉

そこで、乾燥したムクロジの果皮を使ってシャボン玉作りに挑戦してみました。気温28℃ぐらいの時に常温の水60ccに果皮1個分を入れて撹拌。泡はよくたちますがすぐ割れてしまい少しは飛ぶものの痛快に飛ばすのは難しいです。50℃位のぬるま湯でも試しましたが同様の結果に。しかも虹色ではありません。

ムクロジの果皮でつくったシャボン玉

江戸時代のシャボン液には松脂を加えて粘着力を増していたそうです。松脂の油分が虹色の素のようです。

商売になるだけあって、さぼん粉を使ったシャボン玉作りには絶妙な配分があったのでしょう。


ちょっと寄り道:芋がらストロー

芋がら

さぼん粉に使われていた芋がらとはズイキとも呼ばれる里芋の茎のことで、断面を見るとスポンジのようなたくさんの穴があいています。

蓮芋の芋がら断面
蓮芋の茎の断面

実はこの穴は管の集合体となっていて、レンコンのようにつながっています。特に蓮芋の茎には大きめの管の集合体になっているので、これをストロー代わりに使えるのでは?と思いつき、試してみました。

芋がらで作ったシャボン玉用ストロー
芋がらで作ったシャボン玉用ストロー

台用洗剤を適当に薄めたシャボン液に芋がらの先を浸し吹いてみると、ちゃんと膨らんで玉を作ることができました。穴が多いので玉が同時に複数できますが表面積が広くて勢いがないのかうまく飛ばすことはできませんでした。が、持久力の長い泡なので見ていると楽しかったです。

芋がらストローで作ったシャボン玉
芋がらストローで作ったシャボン玉は一度にたくさんの泡ができる
同時にたくさんの泡ができる
芋がらストロー

芋がらは生でも食べることのできるクセのない食品なので口にくわえるのになんの問題もありませんので、ご安心を。茹でて焼きナス風にしてみるとおいしいです。(笑)

食べることができて、シャボン玉の原料にもなり、吹く道具のストロー代わりにもなる芋がらもまた面白い植物の世界を教えてくれました。


ムクロジの果皮 その他の利用

秋に果実の皮を集め、日干しにして乾燥させたものを延命皮(えんめいひ)と呼び、この生薬を強壮、去痰薬として用いていたとか。

何やら縁起担ぎのご利益が盛られたような名前ですね。


サポニンには界面活性剤の働き以外にも抗菌・殺菌・去痰・抗炎症作用などもあるそうです。

が、果皮にあるムクロジサポニンは有毒成分で胃腸障害や下痢を引き起こすそうなので誤飲・誤食はしないように!


このサポニンが鳥や虫から食べられないよう実を守っているそうですが時折虫の入った種も見かけます。

ムクロジの実の生長過程を観察してみると、どうやらサポニンも少なく軟らかい未熟な時期に侵入されているようです。


かつては貴金属をピカピカにする時にも使っていたとも言われます。

中国から伝来した薬学書の本草綱目(1596年)には、真珠の汚れを落とすのに用いるとの記述があるそうです。

それならとムクロジの果皮を切ったハサミをついでに洗ってみたところピカピカになりました。

次に眼鏡を洗ってみたらスッキリとキレイになりました。なるほどね。


また、ムクロジサポニンの泡は消えにくいため、かつては化学泡消火器に使われていたこともあったとか。


参考までに ムクロジ果皮の構成物質:
サポニン、ビタミンC、チロシン、グリシン、フルクトース、グルコース、アラニン、ペントース、メチルペントース、ペクチン糖 等

Tips for Growing a Soap Berry Treeより


ちょっと寄り道:
シャボンから名がついたサボテン

ウチワサボテン
ウチワサボテン

サボンシャボン(sabão)とはポルトガル語で石鹸のことですが、これがサボテンの名の由来だと言われていています。石鹸のようなものということで石鹸体(さぼんてい)と呼ばれるようになったのが転じてサボテンになったとか。諸説ありますが、これが有力説です。

サボテンは何やら外国語っぽい名前ですが何と日本でネーミングされていたんですね。


サボテンが初めて日本に持ち込まれたのは16世紀後半。オランダかポルトガルの風帆船が日本にくる途中、アフリカ西北岸の沖合にあるポルトガル領マディラ島へ寄港した折に同島に自生していたウチワサボテンを持って来て、長崎へ運んだと思われる、という内容の記述が伊藤芳夫著「サボテン記」の中にあります。


実はサボテンは江戸時代に畳や衣服についた油の汚れをとるのに使われていたそうです。

当時利用されていたのはウチワサボテンで、江戸時代の貝原益軒著「大和本草」(1709年) にサボテンについて「誠に草中の異物なり。油の汚れをよくとる。」とあります。

また、小野蘭山著「本草網目啓蒙」(1803年) 石けんの項には

「畳に油のついた時にウチワサボテンを横に切ってこすれば、油を吸い取る。よってシャボテンといい、これが転じてサボテンという。」という内容が記述されています。


ムクロジと同様にウチワサボテンサポニンを含み、油落としに使われていていたのでシャボンから名付けられていたのですね。

落語に登場していたムクロジ

茶の湯イメージ

落語茶の湯では、茶の湯の事を何も知らないご隠居さんが、小僧さんに知ったかぶって青黄な粉抹茶だとでまかせを言ってをたて、泡がたたないからとムクの皮の粉を入れて泡立てるという場面があります。

このムクというのはムクロジのことで、当時は石鹸代わりに使われていた事を伺い知る事ができます。

石鹸として使われていた >


それで、どうなったかって?殺人的不味さなのにもかかわらず、見栄をはって「風流だ。」などと言って、なんちゃって茶道を続けたご隠居さんと小僧さんはムクロジの皮入りのデタラメなお茶を飲み続けた結果、トイレの住人となるほどに酷い下痢をして、げっそりしてしまいます。が、懲りません。

せっかく究めた泡裏千家?だから、人を招いて飲ませたくなります。

そこで、長屋の住人をターゲットにしぼり招待状を送りつけ

茶の湯イメージ

本題から話はそれますが、

お噺の後半で、ご隠居さんが茶菓子の羊羹代をケチるためにサツマイモと黒蜜で羊羹もどきを自作します。そのおりに、離型剤として灯明の油を用いてしまったものだから、とても食べられた代物ではありません。後始末をするのに、ぐっちゃぐちゃの油ギットギトだった事でしょう。


が、油汚れに強いムクロジ入りのお茶をもどきを使えばさぞキレイに器を洗う事ができたを事でしょう。

お後がよろしいようで。(笑)


知らない。」と言えないプライドのせいで、登場人物みんなが知ったかぶりを続け、奇妙きてれつな茶道の世界の泥沼にはまっていきます。つまらない見栄のせいで引っ込みがつかなくなった人間の姿を扱った、とてもおもしろいお噺 (はなし) なので興味のある方は聴いてみてください。ムクムクロジの事だと知っていれば、尚おもしろい!

種子を割ってみる

何と言っても、羽根つきの羽の玉おもりの部分というひっぱ叩かれるところに使われているだけあって、とても堅牢です。ちょっとやそっとでは中の種子がとりだせません。


はっきり言ってクルミよりも堅い!

ハンマーを使ってもなかなか

そこで万力を使って割ってみることにしました。


種子のへそと思われる一文字ライン() が 唯一の割り口です。

フカフカの毛がついている側の上部5〜6mmのラインが目印。

ムクロジの黒い種子
黒い種子の産毛で覆われている側に
一文字の線がある

一文字ライン種子が発達する時、胚珠が心皮の胎座と呼ばれる部分にくっついてた跡のようです。

種子形成に必要な栄養分をここを通じてもらっていたため、若干スキがあるように思われます。


ここに力が加わるように万力をセットしますが、万力を使ってもなかなか手ごわいムクロジの種子。こんなに過剰に堅くて発芽できるんだろうかと疑問がわくほどです。

発芽の様子を知りたい方はコチラへ

ムクロジの発芽 >


ようやく割れ、中から栗の実のような色の中身が姿を見せました。実はこれこそがムクロジの本当の種子でこれまで堅い黒い種子と表現していたのはというものです。

黒い堅い殻は内果皮はというものらしいですが、以降ものことを種子と表現するので、あしからずご了承ください。

ムクロジの実を割って種子がでてきたところ
ムクロジの渋皮のついた仁

仁は蓋つきの瓶というか、柿のヘタがついたみたいな形で、渋皮のような種皮に覆われています。


ムクロジの種をきれいに割ったところ
種子を傷つけずに堅い殻だけ割ってみた
ノコギリのみ使用

剪定バサミでポイントを攻めてみたところ、仁ごとキレイにまっ二つに切断する事ができましたが切断する時は種がすべりやすいので集中力が必要です。

ムクロジの種子断面
ムクロジの種子断面

試してみたい方は危険ですのでケガのないようにご注意ください。

剥くのに苦労する剥苦労事(ムクロジ)なんてネ。


追記:

ムクロジの種子の生長を追って種子を割り続けたところ、わりと簡単に種子を割ることができるようになりました。種子の割り方はコチラ

剪定バサミを使って
ムクロジの種子の中身を取り出す


12月下旬に拾った種子も剪定バサミで同様に切って中身を取り出すことができました。

剪定バサミで殻を切ったムクロジの種子
剪定バサミで殻だけを
切ったムクロジの種子
剪定バサミで殻を切ったムクロジの種子の渋皮を取り除く
ムクロジの種子の渋皮を取り除く

ひしゃぐ事なく中身を取り出す事ができました。

ムクロジの種子の中身と抜け殻
ムクロジの種子の中身と抜け殻抜

乾燥によりシワがよってハクサイの葉餃子ような形に見えます。

ムクロジの種子の中身
シワのよったムクロジの種子の中身
シワのよったムクロジの種子の中身上面

幼根部にもシワがよっています。

幼根にもシワがよったムクロジの種子の中身

茹でてみたところ、茹でピーナッツと似ていておいしいです。

種子を食べてみた

このムクロジの種子は食べられるという事なので、完熟ムクロジの種子を選び、殻を割って仁の部分を食べてみることにしました。


調理方法は素材の味がわかるようにシンプルにホイルの蒸し焼きと塩茹でで試してみました。

ムクロジの仁

塩のみの素焼きにした場合は、大豆と栗の間の味と食感で香りはエノキタケを焼いた時の薄くした感じです。

塩茹でした場合は茹でピーナッツのようで、食べやすく美味しいです。主観的感想ですがクセもなく普通のナッツとして食べられます

ちょっと冒険して生の実をかじってみたところ少し粉っぽく、生の栗とよく似ていました。

但し、中の実はとても小さいので空腹を満たすのには難ありです。

ムクロジの仁
殻から取り出したムクロジの中身

このナッツの油脂は止血、解熱、咳止めなどの薬として用いられていたそうです。


意外にも青い未熟果のときの種子の中身が取り出しやく、美味しかったので興味のある方は下記参照

ムクロジの食べごろ >


ムクロジの新芽を食べてみた

また、発芽後ムクロジスプラウトを食べた時の苦い思い出とは裏腹に、発芽後1年たった実生ムクロジの新芽サヤエンドウに似た味と食感でおいしかったです。食後、体調も何ら問題ありませんでした。

ムクロジのスプラウトを食べてみる >


おいしそうなムクロジの芽
おいしそうなムクロジの芽

カロテンが多そうな、ツヤツヤとした美しい緑色で、いかにもおいしそう。

山菜としてムクロジの芽があっても良さそうに思えたほどでした。 (笑)

楽しい形のムクロジの実

提灯のようなムクロジの実
提灯のようなムクロジの実

ラクダの蹄の王冠を載せたムクロジの実
ラクダの蹄の王冠を載せたムクロジの実
ラクダの蹄
ラクダの蹄 出典:zoo can フタコブラクダ
雪や砂漠等でも沈みにくい大きな足
ラクダイメージ図
おまけ おとぼけでかわいいラクダ
出典:pixabay.com

枝付きの実もまた一段と深い味わいがあって気に入っています。

枝付きのムクロジの実

ムクロジポットのフタの謎

通常ラクダの蹄のような形ムクロジポットのフタですが、蹄の部分が2つ膨らんでいたり、片側だけ膨らんでいたりと様々なバリエーションがあります。腫れ上がったような蹄や実が2つくっついているものもあります。この違いはいったい何なのでしょう?


そもそもムクロジポットのフタはなぜこんな風にできているのでしょうか?

いろいろなムクロジポットのフタ

ポットのフタ付きのようなムクロジの果実|のん木草・みどり見て歩きさんのブログで謎が解き明かされていましたので以下引用させていただきます。

枝に付いている部分に、ポットのふたのように見える不思議なものがあります。これは、雌花の時に、将来、果実に育つはずの三つの袋が用意されていますが、実際に実に育つのは、一つだけで、残りの二つの袋はしぼんでつぶれ、柄の傍らに痕跡として残っているのです。専門用語で言えば、花の子房は袋状で3つにさけ、3つの心皮からできています。受粉して、それぞれ独立して分果し、そのうち1つが大きくなります。未発達の2つの果実はしぼんでつぶれ、大きくなった果実にくっつきます。

という事だそうです。なるほど!

ムクロジポットのフタの部分に実と似た半透明のみかんの実のような質感のものがあったのもこれで納得です。

ムクロジの心皮の生長過程
ムクロジの実が二つ育とうとしていた痕跡

時折二つや三つの実が育ったものを見かけますが、それもおもしろいカタチで楽しいですね。

二つの心皮が大きくなったムクロジの実
二つの心皮が大きくなったムクロジの実
フタに三つめの実の痕跡も見られます

ムクロジポットのフタの内部の画像はムクロジの花 受粉後のコーナーで紹介しています。

ムクロジの発芽

ムクロジの種子を割ろうとした時にそのあまりの堅さに「こんなに過剰に堅くて発芽できるんだろうか?」と疑問がわいたので、種子を蒔いて発芽の観察をすることにしたところ5月の上旬に無事発芽しました。

土が盛り上がりダイナミックに姿を現したムクロジの双葉はピーナッツのように分厚くて大きいです。

ムクロジの双葉が土から姿を現し始めたところ
ムクロジの双葉が土から姿を現し、開き始めたたところ
ムクロジの発芽後、地面の中に残された堅い抜け殻

発芽後の芽の根元を軽く取り除いてみると、地中に残された堅い抜け殻があります。

ムクロジの発芽後、地面の中に残された堅い抜け殻 拡大写真

殻は地中に殻が埋まっているケースの方が多いようです。

発芽したたてのムクロジの全貌
堅い殻から発芽中のムクロジ
発芽したてのムクロジ
日陰環境で発芽したてのムクロジ
発芽したムクロジの種子の抜け殻
発芽したムクロジの種子の抜け殻
発芽したムクロジの種子の抜け殻

日陰環境での発芽はまるで、昆虫が羽化したかのよう。白っぽい新芽の脇に抜け殻の如く種子の殻がついていました。そのため、下の葉は重みで垂れ下がっています。


驚くべきことに殻は堅いまま、見事に割れていました。

どの殻も一文字印の箇所に隙間が開いていて側面から三分の一ぐらいが同じ形で割れています。

相変わらず不思議な木の実ですが、どうやら何の問題もなく殻は割れて発芽できることがわかりました。

発根直前のムクロジの種子
発根直前と思われるムクロジの種子
土を洗うと黒光りしてブドウみたい
発根直前のムクロジの種子と乾燥したムクロジの種子との比較
乾燥したムクロジの種子(左) との比較
ムクロジが堅い殻を破って根を出したところ
ムクロジが堅い殻を破って根を出したところ 少し殻が乾燥している
ムクロジが堅い殻を破って発根したところ

発芽後の姿を観察すると、
殻から取り出したムクロジの中身がそのまま展開したように見えます。


通常では普通に緑色に発芽します。

ムクロジの発芽
舞を舞っているようなムクロジの発芽
ムクロジの本葉が出てきたところ
ムクロジの本葉の展開写真
ムクロジの本葉が出てきたところの拡大写真
翼を広げるかのように見えるムクロジの苗
翼のように葉を広げるムクロジ

驚くべきことに8月の下旬に発芽した超スロースターターのムクロジがありました。こんなにのんびりとしていて冬をこせるのでしょうか?

とりあえずは、温かい目で見守って行こうと思います。


ムクロジのスプラウトを食べてみる

堅い種子の中にあったナッツはおいしかったので上記のもやし、名付けてホワイト・ムクロジ スプラウトを食べてみました。

ムクロジのもやし
塩茹でしたムクロジ スプラウト

食感はとても良いのですが、とても苦かったので食不適です。(笑)

苦さムクロジにとって一番無防備な時期にあたる発芽後身を守るための対策かもしれません。


この苦い思い出に懲りず、1年後に実生の苗の新芽を食べてみました。

意外にも山菜指定しても良いほど、おいしかったです。

ムクロジの新芽を食べてみた >

ムクロジの発芽率

冬に果皮を取り除いたムクロジの種子を場所や土質を変えて実験的に蒔いてみたところ、どの鉢も気温が高くなる頃に次々と発芽しました。

発芽率は良く、発芽気温はやや高めという結果になりました。

土が乾ききらないように管理するのがポイントのようです。

次々と発芽するムクロジ

その後次々と発芽し、7月上旬にはプランターを覆い尽くすほどになりました。

次々と発芽し、プランター一杯に茂るムクロジの苗

その後も順調に育ち、10月中旬にはこのようになりました。

プランターに茂るムクロジの苗

11月下旬にはきれいに黄葉し、葉を落とし始めました。

ムクロジ1年目の苗の落葉する頃

育ちにはバラつきがあり、樹高は8〜52cm、幹周り1.1〜2.5cm程といろいろ育っていますが、高さ30〜40cmぐらいのものが多いです。


また、腐葉土たっぷりの陽当りの良い山の南側斜面にあるムクロジ林を初夏に訪れてみたら、とても沢山の苗木が生え揃っていました。

更に、ムクロジの若木は冬には落葉して実もついていないので同定できないでいましたが、若葉が茂り出すとその存在が明らかに。しかも、種の転がる方向に集中的に自生しています。(笑)

この結果から、ムクロジは環境さえ合っていれば難なく発芽するという事がわかりました。ただ、ムクロジは大量に実を落とすので、天然環境で発芽率が良いかは不明です。

自然環境で育ったムクロジの苗木
自然環境でのびのびと育つムクロジの苗木

寺社仏閣や公園での発芽があまり見られないのは地面が堅く、土に潜り込めず、種子が乾燥してしまうからかもしれません。

初夏になっても堅い地面に散らばったままのムクロジの実や種子
初夏になっても堅い地面に
多数残ったままのムクロジの実や種子

追記:

秋に熟す手前の果実を拾って簡単に種子の中を観察する機会に恵まれました。その結果、外見は同じように黒く見える種子でも中を見てみると残念なものも多々ありました。今更なのですが、発芽環境以前に種子の良し悪しが重要であることを再認識させられました。

もちろん木なり完熟のは良いものが残るとは思われますが健全に育つ種子ばかりではないということをだけに実感しました。(笑)

熟す前のムクロジの実 >

ムクロジの種子はどのように
堅い殻を破り発根するか?

ムクロジの種子はまず、根が堅い殻から姿を現し、後に双葉が出てくるという事がわかりました。発芽後の傍らに落ちていた抜け殻は堅くて、腐った様子もありません。ムクロジの発芽・発根に関しては相変わらず疑問が残ったままです。

ハンマーで叩いてもビクともしないほどのに堅い殻をどのように破り、発根しているのでしょうか?

気になって発根間近の種子を土から取り出して、観察をしてみました。

発根直前のムクロジの種子
発根したてのムクロジの種子
発根中のムクロジの種子

ムクロジの種子の発根は卵から鳥のヒナが孵る時にクチバシで殻を割るように根が殻を割って出てくるような印象を受けました。

殻から出たてのヒヨコ
出典: 1wallpaper.net

また、必ず同じ向きで殻を破るので、種子を蒔く時にはへそにあたる一文字のラインを下にすると発根後の生長効率が良さそうそうです。


発根時の殻の堅さはゴムタイヤ位で脱皮する時の甲殻類の殻のように柔らかい状態になっていました。そのタイミングで根が殻を押して割って出て来ているようです。

ゴムのように軟らかくなったムクロジの殻ら
指で押さえると、くにゃっと縮む程、
弾力がある発根中のムクロジの殻

まず最初に一文字の切れ込み部分に水分がしみこんで開き、次にそこから内と外、両側から水分がしみ込む事で殻がふやけて、軟らかくなり、殻が破れやすくなったのではないかと推測しています。


殻を取り除いた発根中のムクロジの種子
発根中のムクロジポット(渋皮付き)

殻を取り除いた発根中のムクロジの種子は急須のようでフタがついていてユニークです。ムクロジポットマトリョーシカのみたいにムクロジポットが入っていました。(笑)

このムクロジポットを土に埋めておいたところ、何の問題もなく通常の発芽と同様に育っています。


発根・発芽時にに大きく膨らんでいた抜け殻は乾燥すると、元の大きさに戻ってしまいました。

ムクロジの種子の乾燥中と発根直前と発芽後の抜け殻の大きさの比較
秋に収穫したムクロジ種子(左)
発根直前の種子(中央) 発芽後の抜け殻(右)

動物が舌を出しているように見えるムクロジの発根
動物が舌を出しているようにも
見えるムクロジの発根の瞬間

鈴のようなムクロジの種子の抜け殻
鈴のようなムクロジの種子の抜け殻

黒かった堅い殻は乾燥するにつれ、上記の写真のように黄土色のまだら模様に変化しました。

魔法瓶でムクロジを発芽させる

魔法瓶を使用してムクロジの種子を発芽させやすくする方法を試してみました!

ぬるま湯に浸して発芽し始めたムクロジの種子
24時間で殻を割り始めたムクロジの種子

ムクロジの発芽時に水分をしみ込ませる事が必要なことがわかりましたので、常温の水に浸して経過観察。1ヶ月程、水を入れ替えながら観察していたのですが、ふやけるわけでもなく目立った変化もありません。どうやら、水分だけでなく温度や光も関係ありそうです。


そこで、種子をぬるま湯に浸すことで発芽がしやすくなるという海外の文献を見つけたので、試してみることにしてみました。

ぬるま湯の保温と暗さを兼ね揃える魔法瓶の環境はうってつけです。


昨年の秋に採取したムクロジの実の果皮を取り除いて中の黒い種子を洗います。次に、その種子を湿らせたキッチンペーパーで包んでジッパー付きのビニールパックに入れ、40℃位のぬるま湯の入った魔法瓶に入れて24時間放置しました。

※実験は6月の中旬に実施

魔法瓶を使用してムクロジの種子を発芽させる手順

すると驚くべきことに、一粒が見事に発芽の兆候を見せていました!

ぬるま湯につける事で殻がふやけると同時に中身が生長したようです。

ぬるま湯に浸して発芽し始めたムクロジの種子
24時間ぬるま湯に浸していた種子

通常の発芽と異なり、一文字の切れ込みは開いていませんでした。

充分な温度・湿度があれば、一文字の切れ込みが開かなくてもムクロジの種子は膨張して、発芽しやすくなるようです。但し、五粒中、一粒の発芽でしたので種子の善し悪しが関係あるようです。


魔法瓶を利用して発芽をさせる時はビニールパックに若干空気を入れておくことがポイントです。

また、ぬるま湯の温度は熱すぎない温かい温度、いい湯加減位を目安にしました。というのも、ムクロジは本来、熱帯や亜熱帯に自生する植物だからです。


中の状態はどのようになっているのでしょうか?殻を外してみることにしました。

殻はゴムのように軟らかく、簡単に取り除くことができます。

殻から取り出したムクロジの種子
殻の中の発芽前のムクロジ
発芽前の殻から取り出した
ムクロジの種子の殻と中身一式

幼根が伸び初めていますが発芽まではもう一歩のようです。

この状態のままではかわいそうなので土に埋めてみたところ、10日ほどして出芽しました。

ただ、殻が無いせいで土汚れが薄皮にまとわりついて雑菌が繁殖しやすそうでした。堅い殻の最期の役目は出芽の際に土から子葉を保護する事のようです。


今回の実験でムクロジを発芽させるにはぬるま湯につけることが効果的だということがわかりました。


それにしても、ムクロジといったら魔法瓶ですね!(笑)


追記:

温度管理や空気の量が良くなかったのか種子が発芽しそうな程、膨らんだものの10日程変化の無いように見えるものがありました。

気になって種子の中を見てみると、何となく銀杏のような臭い。中身は水にふやかした大豆みたいな質感で、健全なものに見えます。しかし殻を割る幼根の勢いがまったくありません。この状態でじわじわと発根を狙うものや間に合わずに腐ってしまうものもあるのかもしれません。8月の下旬に発芽したムクロジはこういうものだったのかもと推察中です。因みに種子は丸1年カラカラに乾燥させたものです。

膨張して発芽兆候のあるムクロジの種子とその中の殻から取り出したムクロジの胚

※実験は11月の中旬に実施


※一般的に発芽とは種子の中にある幼芽や幼根が種皮を突き破って出現すること、土から芽が出現することは出芽と定義されています。

ムクロジを発芽させる方法

ムクロジの観察をして、このようにしたら、発芽しやすいのでは、と考えた方法をご紹介します。


種まきは一冬越して寒さを経験した春から初夏の暖かくなってきた頃が良いと思われます。


まず、良い種子を選抜します。

果皮を剥き、外見の痛んでいるものやカビの生えているものは取り除きます。次に、種子を水に入れ、沈んだ種子だけを残します。

※多少カビが生えていても無事発芽した種子もありますが、発芽率を上げるため選抜。


発芽しやすくするために温かい水に種子を一晩浸します。その際、種子に傷をつけておくと、水がしみ込みやすくなるようです。

できれば上述した魔法瓶でムクロジを発芽させるを試みるとより効率が良くなります。


その後、種子のへそにあたる一文字ラインを下に向け、土に2.5cm程の深さで埋めます。土質はあまり選びませんが、水はけが良く、保水性のある清潔な土にすると無難です。

ムクロジの種のまき方

乾燥させ過ぎないように注意しながら陽当たりの良い暖かい場所で管理します。外気温が充分暖かくなると発芽しやすくなります。


苗になったら底の深い鉢に植え付けます。その際、根を傷つけないようにします。肥沃な湿った粘土質の土が適しています。


※順調に育てば、70年後には樹高が約25m、胴回りは3〜5mに達する巨木となります。

その結果、邪魔者扱いされ、あちらこちらで伐採されてきたようです。そう考えると剪定はしっかりしなければなりませんね。

発芽後のムクロジ栽培

発芽後、そのままムクロジを栽培し続けたところ、順調に育ち、子葉は痩せて黄色くなって一枚ずつ落ち、本葉は対角セットで交互に出続けています。

ペットボトルで育つムクロジの苗

日当たりの良いところで育てていた為か節間はわりと詰まっています。

遠目に見ると藤の葉と雰囲気が似ています。


発芽40日後発芽後40日たったムクロジの苗拡大写真
発芽後40日のムクロジの苗

発芽後40日程経つとペットボトルで育てた苗の底まで根が達しましたので植え替えの時期です。

植え替えをするにあたり、根の様子を見てみました。

ムクロジの苗の根を含めた全体画像
ムクロジの苗の根写真
ムクロジの苗の根拡大写真
発芽後40日のムクロジの苗の根

根が長いという情報がありましたので、どんな根か気になっていましたがこんな感じなんですね。


観察のダメージを減らすように植え替えは梅雨空の中行い、無事終了しました。我が家のムクロジは試錬がいっぱい、ゴメンナサイ。(笑)

現在、2段式ペットボトル鉢で順調に育っています。


その後の様子はムクロジの発芽率に記載してある通り無事黄葉もして、元気に育っています。

また、冬の寒さを乗り越えた姿は

発芽から1年たったムクロジの生長 >

ムクロジの葉柄の色の違い

発芽したものを観察していると生長と共に葉柄赤くなるもの緑色のままのものがあります。さて?

ムクロジは自生ではなく、庭木などから種子が供給され、野生化している状態のものも多いようなので、違う種類の種子が混在している可能性もあるのかもしれない


などと考えながら、経過観察をしてみると、陽当たりの良い所で育てたムクロジ葉柄が赤い傾向があるように見えます。日焼けでもして赤くなっているのでしょうか?

ムクロジの葉柄

そこで、日陰にあったムクロジの鉢を日向に移動してみると、緑色だった葉柄が赤味を帯びてきました。

葉柄の色の違い陽当たりに関係がありそうなので、剪定された樹高の低いムクロジの木を観察することにしてみました。


すると、同じ木でも陽の当たる上部の葉柄は赤味を帯びているのに対し、茂みに埋もれている日陰部分の葉柄は緑色のままです。

そして、出たばかりの若葉の葉柄はまだ鮮やかな新緑色です。

同じムクロジの木でも陽当たりの良い場所では葉柄の色が赤い
陽当たりの良い場所の葉柄
同じムクロジの木でも陽当たりの悪い場所では葉柄の色緑色
陽当たりの悪い場所の葉柄

また、我が家で育てているムクロジの中でも最も陽当たりの良い場所のものは葉柄裏側葉脈までもが赤い色に変化しています。

裏側まで赤くなったムクロジの葉柄と葉脈
裏側まで赤くなったムクロジの葉柄と葉脈 拡大
陽当たりの良い環境で育った
ムクロジの葉の裏側

赤くなったムクロジの葉柄と葉脈 拡大
陽の当たる所で育った
ムクロジの葉の表側

ムクロジは葉が広がると場所をとるので整枝したところ、陽当たりの良い所の葉柄が赤く太く、の生長大きくて良いです。

色の異なるムクロジの葉柄
色の異なるムクロジの葉柄

さらに、本年枝陽当たりの良い側赤い色に変化しています。

陽の当たる側だけが赤くなったムクロジの幹
ムクロジ本年枝の日当たりによる色の違い

これらの観察結果から、葉柄の色の違い陽当たりや紫外線に因るものであると判断したいと思います。


それはさておき、黄葉の頃になると赤い葉柄のものの方が黄色と赤色のコントラストがあってきれいです。

ムクロジの四季 >

発芽から1年たったムクロジの生長

発芽から約1年、厳しい冬の寒さを乗り越え、美しくて力強い芽吹きの季節を迎えました。

1年目のムクロジの芽吹き始めた頃
1年目のムクロジの芽吹き
1年目のムクロジの芽吹き 勢い良く羽状複葉を延ばし始めている。
発芽から1年 ムクロジ苗の芽吹き
わずか数日でどんどん姿を変えます

美しいムクロジの葉の展開
光輝く美しいムクロジの葉の展開
美しいムクロジの葉の展開

芽吹きの頃の躍動感と美しさはとても感動的なのですが、すっかり葉が出揃う頃になると急に生い茂って、広い場所を占拠するので、悩ましい存在となってしまいます。

ムクロジ種子の散布戦略について

ムクロジ水散布でも子孫を増やし、その際、水にぷかぷかと浮いて移動し、やがて陸地に上がって実から種が出てきて発芽する。」という情報をいただきました。

水散布とは河川・海流・湖沼等、水を利用して運ばれる果実・種子のことです。


そこで、ムクロジ種子散布戦略について考えてみました。

ムクロジ種子は比較的重さがあるので、木から実がコロコロと落ちて散らばる重力散布は陽当りの良い山の斜面なら効果的です。


しかし、ムクロジの場合1本の樹が巨木で場所を広く必要とするために大量のが落ちても、過密になりすぎて将来的には無駄に終わってしまいそうです。


しかも、果皮のサポニンによる防御ならびに、類い稀なる種子の堅い殻により昆虫や鳥、動物等による拡散も難しそうです。

(中にはお試しで齧る動物もいますが。)

そこで、情報提供いただいた水散布について考えてみました。


健全なムクロジの実のオレンジ色のハードシェルは防水性で空気入りのため、水に浮かんで移動をするというのはありえそうです。

水に浮くムクロジの実
水に入れて1日たっても浮いている
乾燥させたムクロジの実

しかも、ムクロジの本来の生育適地降水量の多い温かい地域 (年間降水量が1,500〜2,000mm) なので、スコールがあり、川辺の近く土砂流出もあるという事も考えられなくもない。適正土壌も深くて肥沃な湿った粘土質と言われています。


また、ムクロジの学名はインド産の石鹸 ムクロジで、名前の由来からもわかるように石鹸の代用として利用されていた事が多いようです。石鹸という事は洗濯をしていたという事で水の豊富な地域で育っていたという事を窺い知る事ができます。

ということは、ムクロジ種子拡散戦略の中に水散布も併用されていた説もアリなのではと思い巡らしているところです。


鉄壁の護りに徹したようにも見えるムクロジの種保存戦略に対し、「やり過ぎなのでは何もそこまでやらなくても」などと考えていました。が、あえてその場に留まらずに種子をより広範囲に広げる目的で、水に浮いて漂流するという移動手段を得るために、果実を乾燥する事で空洞を作り、かつ保存性を高めていたのだとしたらスゴイですね。


「どんぐりコロコロどんぐりこ」のように転がって川に落ち、桃太郎の桃のようにどんぶらこっこと川下りしながら冒険の旅をするムクロジの実を想像すると愉快で楽しいです。


ムクロジの実を水に浮かべて一週間程放置しておいたところ、水に浮かんだままでしたが、シェルが腐敗し始めました。

いつまでもプカプカ浮いて遥か遠くへ移動し続けても良い土地にたどり着ける保証もありません。

生息域を広げたいが、遠すぎるのは適合できないかもしれない

このあたりがムクロジ種子水散布の落としどころなんでしょうか。


追記:

ムクロジの果皮防水性を見るために昨年拾ったムクロジの実丸ごと温水に浸し、魔法瓶に入れて半日程放置したものの中を確認したところ、防水かと思われた果皮には水が入っていて中の種子も濡れていました。しかも膨れて発芽の兆しが見られました。

中まで水が染み込んだムクロジの実
中まで水が染み込んだムクロジの実

参照:魔法瓶でムクロジを発芽させる >


因みに魔法瓶に入れずにただの温水に浸したものは果皮はふやけたものの浸水はなく中の種子にも変化は見られませんでした。発芽のために適切な温度はとても大切な条件だと言えるようです。

ムクロジの花

5月の下旬、ムクロジの木の枝先に円錐花序が姿を現しました

初夏のムクロジの蕾
ムクロジ花の蕾
ムクロジの蕾拡大写真
ムクロジの蕾拡大写真
ムクロジの花の蕾拡大図

蕾がついてしばらくしてやっと花が咲き始めたので見てみると、雌花だけが先に咲いています。ムクロジ雌雄同株で、雌花 (両性花)・雄花同一花序につきます。

雌しべがあるものを雌花だと思っていたのですが、花をよく見ると雄しべがついていて確認した花は両性花のようでした。

ムクロジの花
ムクロジの雌花拡大写真
ムクロジの雌花 (両性花)

ムクロジの花
ムクロジの花の両性花と花粉の輝く雄花

一週間程して花がたくさん咲き始めました。

ムクロジの花拡大写真

いくつかの花序を観察したところ、雌花 (両性花)の多い花序や雄花ばかりが多い花序があるようです。

おいしそうにムクロジの花にかぶりつくかわいい蜜蜂
ムクロジの花と授粉する蜜蜂
ムクロジの花と授粉する蜜蜂

花粉の目立つ雄花が咲き出すと、次々と蜜蜂がやって来て花のまわりを忙しそうに動きまわっています。

ムクロジの花蜜蜂に大人気!昆虫授粉に一役買っているんですね。


泉の森自然情報~ムクロジに集まる虫たち~【自然観察センター】
ムクロジの花に集う蜂達の鮮明な姿が紹介されています。


ムクロジの花は小さな花を枝先にたくさんつける大型の円錐花序です。

風が吹いたり、虫の振動でぱらぱらと雨の降るようにたくさんの咲き終わったを落とします。

花序には雄花が圧倒的に多いので、落ちている花は雄花が多く見受けられます。

ムクロジの雄花
ムクロジの雄花

ムクロジの雄花は王冠みたいです。


ムクロジの雌花 (両性花)の雄しべ雄花の雄しべと比べて短いのは自家受粉を避け、より良い種子を残そうとしているからなんでしょう。

なので、雌しべと雄しべも比較的離れています。また、雌しべの基部にある花盤から蜜を分泌して虫を誘引し、確実に種子を残す作戦つき。

その結果、がたわわになっているわけですね。多分。


ムクロジの雄花と雌花 (両性花)
ムクロジの雄花と雌花 (両性花)

ムクロジの花は萼片・花弁がともに4〜5枚同数で、雄しべが8〜10本あります。

しかも花は産毛に覆われています。黒い種子の一文字付近についている産毛とよく似ています。この産毛花粉をよりたくさんつけさせるための作戦なんでしょうか。


下記の花の拡大写真をクリックすると植物形態学 ムクロジ(ムクロジ科)のオリジナルの鮮明な画像を見ることができます。

ムクロジの花拡大写真
産毛まで見えるムクロジの花 鮮明画像

画像出典:植物形態学 ムクロジ (ムクロジ科)

ムクロジの花 受粉後

7月中旬、ムクロジの花受粉後の様子です。花穂によって実のなり方に差があります。当然雄花ばかりの花穂には実がなっていません。

受粉後のムクロジの実
>実の多い受粉後のムクロジの実
>受粉後のムクロジの実拡大
>受粉後のムクロジの実拡大
受粉後のムクロジの実

ムクロジの実は果実に育つ3つの袋が用意されているので、3つの心皮を見ることができるはずです。

そこで、まずは横に切って断面を見てみました。

>受粉後のムクロジの横断面
受粉後のムクロジの実 横断面

次に実についている2本の割れ目に沿って切ってみました。

>受粉後のムクロジの横断面
受粉後のムクロジの実を
縦の切れ目で3つ割ってみた

中の封を開けてみると、卵のような白い種のようなものが1つずつ入っています。これが将来あの黒い種子になるようです。

>受粉後のムクロジの横断面
それぞれの封を開けると
白い種のようなものが入っていた

同じムクロジ科の植物だけあって、この時点ではフウセンカズラの実と構造がよく似ています。

フウセンカズラ断面

出典:ウィキメディア・コモンズ photo by H. Zell


しかしムクロジの場合、実際に実に育つのは、多くの場合1つだけで、残りの2つの袋はしぼんでつぶれ、ラクダの蹄のようなムクロジポットのフタになってしまいます。  

詳しくはムクロジポットのフタの謎で記述しています。


上述した通り、種子予備軍が3つあったということは、あのラクダの蹄部分種子が入っている可能性がありそうです。確かによく見ると何やら種子が入っているような膨らみがあります。

ムクロジの実の上の部分

そこで、乾燥したラクダの蹄部分ポットのフタの内部を割って見てみることにしました。すると、

中にはムクロジの堅くて黒い種子についていた産毛と同じ質の白い綿毛がびっしり詰まっています。

ムクロジの実の上の部分の内部
ムクロジポットのフタの中

わずかですが、黒い種子らしきものが入っているものもありました。

上記の写真の中央種子らしきものは1つのものが割れている状態です。


台風の通過後に落下していた未熟果ポットのフタの内部を調べてみると、種子のようなものが入っているものがありました。さらに中を見てみると、もっさりとした暗褐色のものが詰まってました。残念ながら、種子にはなれなさそうです。

種子らしきものが入っているムクロジの実の上の部分
種子らしきものが入っている
未熟なムクロジの実の上の部分

この結果により、ものによっては小さな種子のようなものが入っているという事がわかりました。

この部分が発達して育てば、双子や三つ子の実がなるわけですね。

ムクロジの実 生長過程1

ムクロジの実生長の様子です。

7月下旬、小さいながらムクロジの実らしい形になってきました。

実の殆どは3つの袋のうち1つの袋だけが大きくなり、ラクダの蹄つきのムクロジポットみたいな形になっています。中には2つの袋が膨らんでいるものもあります。

枝についっているムクロジの若い実
1心皮と2心皮のムクロジの若い実拡大
枝についっているムクロジの若い実拡大
7月下旬ムクロジの実

この時点のムクロジの実の内部はどうなっているのでしょうか?

種子になる部分を傷つけないようにして、実を縦に割ってみました。

ポットのフタの内部には白い綿毛がびっしり!名残はあるものの種子の赤ちゃんはありません。

実の中の上部(枝のついている側)はパンヤみたいな白い綿毛で覆われていて、種の赤ちゃんを大切に包んでいるように見えます。

ムクロジの若い実内部
未熟なムクロジの実内部

綿毛とくっついている種の赤ちゃんにはにあるような白い一文字の線があり、栄養や水分をもらうためのへその緒みたいな場所のようです。

ムクロジの若い実内部
ムクロジの種の赤ちゃんを
とり出したところ

成熟した黒くて堅い種子の一文字の線付近に残っている白い綿毛はこの時点からあったんですね。

参照:ムクロジの種子の一文字の線 >


また、2つの袋が大きくなった実の生長も同じようです。

2つの袋が大きくなったムクロジの若い実
2つの袋が大きくなったムクロジの若い実内部
2つの袋が大きくなった
未熟なムクロジの実の内部

更にこの未熟な種子を縦に切ってみたところ、下の部分は空洞でわずかに液が滴ります。もちろんの事ですが、まだとても軟らかいです。

ムクロジの未熟な種縦断面
未熟なムクロジの種子の縦断面

白い綿毛の役割は?

ムクロジの実の中にこれ程たくさんの白い綿毛があるとは意外でした。

白い綿毛はトライコームと呼ばれるものだと思われます。

興味のある方は

フカフカ植物・うぶ毛の正体 >


ベットのような白い綿毛魅力的なソラマメ白い綿毛は環境の変化に弱い若い豆を寒さや乾燥から守り、葉や根から送られてきた養分の一時的な貯蔵庫としての役割を持ち、豆の生長に合わせて栄養を送り込んでいるのだとか。

ソラマメのふかふかベット
ソラマメのふかふかベット

ムクロジの実白い綿毛も同様の役割があると思われます。

また、ムクロジは風通しの良い広々とした場所に生える高木で、は長期間枝先に鈴なりになっています。

白い綿毛は果実の柄に近い方に集中しています。

なので、風に揺さぶられ時の緩衝材の役割もあるのでは、と推測中。


あの堅牢過ぎる黒い種子といい、果皮に含まれるサポニンといい、この綿毛といい、ムクロジの種の保存の戦略は護りに徹底した慎重派という印象が否めません。

ムクロジの実 生長過程2

ムクロジの実生長の様子その続きです。

8月下旬、枝先のムクロジの実の姿が目立つようになってきました。

枝先に目立つようになってきたムクロジの若い実

台風が過ぎ去ったせいでたくさんの未熟果が落ちていました。

重心のバランスが悪いのか2心皮が発達した双子の実の落ちている比率が高いです。3心皮共発達した三つ子の実も落ちていました。

心皮については下記参照

ムクロジポットのフタの謎 >


いろいろな形のムクロジの若い実
いろいろな形のムクロジの若い実

成熟した堅い黒い種子にどうやって虫が入るのか疑問があったのですが、どうやら、このやわらかい実の時期に虫が内部に入るようで、虫の痕跡のある実も多々見られました。

ムクロジの種子 生長過程

8月下旬、台風通過後にたくさん落ちていたムクロジの種子の中を観察してみると、偶然にも種子の様々な生長過程を見ることができました。

自分の想像を遥かに越えた生命の神秘の姿がそこにありました。とても不思議な興味深い姿で感動したので紹介します。


まず、ムクロジポットのフタのような部分をはずしてみました。

ムクロジポットのフタのようなところをはずした未熟果

この時期の果皮はわりと簡単に手でむくことができます。皮の中には銀杏や茹でた枝豆のような緑色の丸い種子が入っています。皮と種子の間に隙間はなく、皮の内側はちょっとペタペタとしています。

果皮の内側のムクロジポットのフタ側には産毛があります。

ムクロジの未熟果をむいたところ 上面と横面
上面(左)  横面(右)
ムクロジの未熟果をむいて取り出したところ
ムクロジの未熟果の皮をむいたところ
ムクロジの未熟果内部の産毛
ムクロジの未熟果内部の産毛

種子の生長過程の内部の様子

まずは7月下旬、ムクロジの実の形らしくなってきた頃の果実の断面。

ムクロジの実 生長過程1参照。

種子の下半分くらいの位置に空洞があり、透明な液体が入っています。

ムクロジの実の形らしくなってきた頃の果実の断面

8月下旬、青いながらムクロジの実といった感じになってきた頃の実。

ムクロジの実 生長過程2参照。

果実はまだやわらかく、カッターで簡単に半分に割ることができます。

実の大きさや色、質感は似たり寄ったりで、外見からはわかりませんが中身の生長具合には個体差があり、有意義で楽しい観察となりました。


種子の中の液体の比率と量が増え、表面張力のせいか濃度が濃くなったのかジェルっぽく見えます。

ムクロジの未熟果の種子の中は液体で満たされている

種子を縦半分の割ってみると、斜め下の方に何やら緑色のものができています。液体は半分に割った時に流れ出てしまいました。

この斜め下の位置は将来の幼根部分のあたりです。どうやらこのあたりから発生して生長するようです。

ムクロジの未熟果の種子の中の液体の下の方で育つ葉のようなもの
ムクロジの未熟果の種子の中の液体の下の方で育つ葉のようなもの拡大写真

また、あるものは緑色の葉っぱ状のものが液体の中で浮いています。

まるで羊水の中で育つ胎児のようですが、へその緒のようなものは一切ありません。笹舟が浮かんでいるようでもあります。

ムクロジの未熟果の種子の中の液体で育つ新芽のようなもの
ムクロジの未熟果の種子の中の液体で育っている新芽のようなもの
ムクロジの未熟果の種子の中の液体で育つ新芽のようなもの 拡大写真

どうやら種子の中の液体培養液の働きをしているみたいです。

液体からいきなり発芽したかのような印象です。きれいな緑色の新芽状の固体が姿を現したのには驚きました。初めて見る光景です。

ムクロジの未熟果の種子の中の液体で育った新芽のようなものを取り出したところ

液体はココナッツの未熟果に見られるココナッツジュース(液状胚乳)みたいなものでしょうか?


この緑色のものを取り出して見てみると、子葉のような形です。小さくてやわらかいので取り出す時に先端を少し傷つけてしまいました。

ムクロジの未熟果の種子の中の液体で育った新芽のようなものを取り出したところ拡大
葉っぱようなものが出現

中にはもう少し大きくなっているものや、虫にやられたのか痛んで変色していたり、正常な形でないものもあります。

ムクロジの未熟果の種子の中の液体で育った新芽のようなもの拡大
もう少し生長している葉っぱようなもの

ムクロジの未熟果の種子の中の液体で育っている新芽のようなもの

また、あるものは新芽のようなものが渦巻き状に丸まっていて、液体は殆どなくなっています。

ムクロジの未熟果とその内部に渦巻く緑色の仁
ムクロジの未熟果内部に渦巻く緑色の仁
ムクロジの未熟果内部に渦巻く緑色の仁 拡大写真
ムクロジの未熟種子の内部
ムクロジの未熟果内部断面
ムクロジの未熟種子の内部断面

ムクロジの未熟果内部と仁をとりだしたところ
ムクロジの未熟の種子から
新芽状のものををとりだしたところ

取り出してみると、黒い種子の中に入っていたナッツと同じ形です。

成熟したムクロジの種子の中身
成熟したムクロジの種子の中身
ムクロジの未熟果内部断面
未熟なムクロジの種子の中身

どうやらこれがというものらしいです。発芽の様子で確認したように子葉(双葉)が重なって巻いた状態のものと殻を突き破る根となる部分がセットになったものでしょう。

このボリュームは堅い殻を破って発芽する時に余程のエネルギーが要るからなのでしょうか?


それにしても、ツヤヤカできれいな緑色。しかもむっちりとして肉厚でバターロールみたいでおいしそう。

恐る恐る食べてみたところ、シャクシャクッとした歯ごたえと爽やかな風味と旨味があって、かなり美味。ビックリです!!


ムクロジの仁にはタンパク質と脂肪が含まれているというから、緑色の芽の赤ちゃんにもそれなりの栄養がありそうです。スプラウトはかなり苦かったですが、当然ながら状態によって栄養価は異なるので味覚も変わるのでしょう。


ムクロジの食べごろ >

ムクロジの食べごろ

9月下旬、相次ぐ台風が過ぎ去ったせいでたくさんの未熟果が落ちていました。8月下旬に落ちていたと見た目はあまり変わりありませんが少し堅くなってが張っているものが多いようです。

果皮をむいたムクロジの未熟果
果皮をむいたムクロジの未熟果
胚の色がクリーム色になってきたムクロジの種子の中
ムクロジの未熟果 種子の内部

落下していた未熟果を採取して中を見てみたら、殆どが液体が無くて、緑色のバターロール状態です。

ま〜るくてツヤツヤ・コロコロしてとてもかわいいです。

ムクロジの種子 生長過程 >


ムクロジ バターロール
ムクロジ バターロール
ムクロジ バターロール断面
ムクロジ バターロール断面

8月下旬の時に試して食べてみたら思いがけず美味しかったので、今回はいくつか取り出してコンソメ味で茹でで食べてみました。

やはりおいしいです。シャクシャクとした歯ごたえで、若い枝豆くらいの堅さでしょうか。


ナッツ状態のムクロジもそれなりにおいしかったのですが取り出すのがとても困難。

種子を食べてみた >


しかし、緑色のバターロール状態の時は取り出すのが簡単な上、味や食感が良いので、大豆と枝豆との関係同様、青い時も食べごろだと考えて良いような結果でした。


この頃はバターロールの色も新緑色から緑色が抜けて白っぽくなっているものもありましたが、味に大差は感じられませんでした。

ムクロジの胚の生長過程
ムクロジの胚の生長過程

次第に緑色が抜けて淡いピンク色になっています。なんとなくイルカのようでかわいいです。

ムクロジの胚の生長過程
胚の色が淡いピンク色になってきたムクロジの種子の中
淡いピンク色になってきたムクロジの種子の中の胚を取り出したところ拡大

種子の観察こぼれ話

種子の皮を切る時にカッターナイフの歯が少々黒ずみましたが、これはタンニンによるものでしょうか。


また、果皮をむくと接着剤のようにペタペタします。ちょっと水をつけて拭き取ろうとしたら泡がたちました。これはムクロジサポニンによるものなんでしょうね。

ムクロジの種につく泡
ムクロジの種子にシャボン玉

熟す前のムクロジの実 >

熟す前のムクロジの実

高い枝先にたわわに実るムクロジの果実

10月中旬の高い枝先に実るムクロジの果実の様子です。

高い枝先に実るムクロジの果実
高い枝先に実るムクロジの果実拡大

乾燥してシワがより始めたものや、まだまだパッツンパッツのなど、同じ枝でも様々です。


とても高い枝先なので近くで観察することができないため、新たに落ちたと思われるムクロジの実を拾ってみました。

すると、果皮が乾燥してシワがより少々堅くなっていて、まだ緑色ながらムクロジの実らしい雰囲気に変化していました。

乾燥してシワがよって少々堅くなった緑色のムクロジの実

果皮をむいて中を観察してみると、個体差はあるもののほとんどの種子堅く褐色〜黒色になっていました。また、果皮種子に密着していてムクロジ特有の甘酸っぱいような香りが出てきて、以前よりペタペタ感が増しているようです。

種子が黒くなってきた緑色のムクロジの実

果皮シワのない果実種子一文字線の周りから褐色になって、まだ緑っぽい色が残っています。

このような過程を経て種子褐色〜黒色に変わっていくようです。

これらの固体は大粒だったので大器晩成型なのか生長に時間がかかっているのかもしれません。

種子が褐色になり始めた緑色のムクロジの実とその内部
徐々に褐色に変化していく種子

より高く陽当りの良い場所にたわわに実るムクロジの実

枝に残っているはまだこの状態でより良い種子になるべくして粘って育ち続けている最中なのでしょう。

何といっても度重なる台風にも振り落とされずにきた強者たちばかりですから。(笑)


褐色になったムクロジの種子栗の実くらいの堅さでまだカッターの刃が入ります。ムクロジが発芽する時の殻の堅さともよく似ています。

殻の厚みは1mm〜2mmとやや厚めで、の出る辺りが若干薄いです。

とりあえず拾った実の種子はすべて割って見てみました。

種子が褐色になり始めた頃の緑色のムクロジの胚
種子の殻は褐色でも中身はまだ緑色

の外見や堅さは似ていても、落花していたなので、土に触れて傷んでいたり、ただ乾燥して堅くなっているだけだったり、種子にカビが生えていたり、虫に喰われていたり、種子の内部が未熟だったりして順調な生長のものばかりではありませんでした。

残念な状態のムクロジの種子
残念な状態のムクロジの種子

因みに今回見つけた種子の中にいた虫はシンクイムシのようです。

よく見ると、産毛もあってなかなかキュートなイモムシです。見てみたい方はコチラをクリック

ムクロジの種子を食べる虫 >


従って、堅くて黒い=熟しているのではないということが確認できました。発芽率の良し悪しはあくまでも種子の中の状態が良いものだけで、外見だけで判断できないという結果となりました。


順調な生長をして褐色になってきた頃の種子の中の渋皮ムクロジポットは発芽前の頃と様子が似ています。

種子が褐色になり始めた頃のムクロジの実の内部にある渋皮のついた胚

バターロールのようなはやや堅くなっていて栗の渋皮のような種皮がしっかりとまとわりついて剥がれにくくなっています。

渋皮の包まれたムクロジの胚
種子が褐色になり始めた頃のムクロジの実の渋皮のついた白くなった胚

以前より取り出しが少々面倒になりましたがバターロール渋皮を丁寧に剥いてからコンソメ味で茹でてみると、白〜黄緑色までそれぞれ風味が違うものの味は以前より香ばしくコクが増して、おいしくなっていました。特に白いものピーナッツそっくりでとてもおいしいです。

ムクロジナッツ イケてます!(笑)

黄緑から白く変化する胚

食べてみたい方は殻が堅くなる前がチャンスです。


ムクロジの食べごろ >

熟す頃のムクロジの実

木の上で実るムクロジの実

ムクロジの黄葉が始まった頃、関東地方に木枯らし1号が吹き荒れたので、熟したてのムクロジの実を拾う機会に恵まれました。

黄葉し始めたムクロジの木
黄葉し始めたムクロジの木
落ちたてのムクロジの美しい落ち葉
落ちたてのムクロジの美しい落ち葉
色とりどりのムクロジの実
別名ソープベリーの名を持つように
ベリーのような果実に見えます。

まだ青い未熟な物からオレンジ色に乾燥した完熟したものまでいろいろながたくさん落ちていたのでそれぞれを観察することにしました。


乾燥と共に果皮種子の間の隙間が増えていきます。

熟すにつれて、果皮シワがより、厚みが薄くなって半透明な質感へと変化して中の黒い種子が透けて見えるようになってきます。

果皮の厚みのある緑色のムクロジの実
果皮の厚みが薄くなってきている緑色のムクロジの実
果皮の厚みが薄くなってきている
ムクロジの実断面

色も徐々にオレンジ色に移り変わりアールヌーボー調の素敵なガラス製品のようになります。

アールヌーボー調のガラスポットのようなきれいなオレンジ色のムクロジの実

さらに乾燥が進むと飴色になって、弾力がなくなっていきます。


種子は水分がなくなった分、小さく堅くなっています。

さらに乾燥が進むと種子果皮から剥がれ落ち、鈴のようにカラコロとの中で転がるようになります。


果皮をむいてみると、種子はほとんど黒色で堅くなっています。

半数以上はカビや虫に喰われていたりして健全な種子ではありません。

その中から健全そうに見える子を水に入れて浮くものはとり除き、沈んだ重い種子を選抜し、その中を見てみることにしました。

選抜されたムクロジの種子
選抜されたムクロジの種子

種子はかなり堅くなっていて未熟果の時のように簡単に中を見ることができません。

そこで今回は剪定バサミを使うことで大成功。

剪定バサミを使って
ムクロジの種子の中身を取り出す

一文字のラインに刃先が合うようにセットして、じわじわと刃を食い込ませます。こうすると、滑りにくくなります。

ムクロジの種子に剪定バサミで切り込みを入れて中を開ける方法

種子の中のナッツの様子を見たいので、堅い殻のみを切断できるように刃先を一旦外して、種子を回転して再び刃を食い込ませます。

これを繰り返し、殻に一周の切れ込みを入れることで、殻を開けることができます。

ものによってはカチコチに堅くて、力を入れすぎてまっ二つに割れてしまったものもありますが、おおむねうまく取り出すことができました。

剪定バサミで半分の殻を取り除いたムクロジの種子

次に渋皮を剥がして金属の耳かきでたこ焼きをひっくり返すような要領でナッツを取り出します。

半分にカットされた後、渋皮を取り除いたムクロジナッツ

の部分は引っかかりやすいので、丁寧に渋皮をはがしてから抜け勾配になる下の方向に引き抜きます。

半分にカットされた後、取り出されたムクロジナッツ

※危険が伴うので、推奨しているわけではありません。ナッツを取り出したい方はあくまでも自己責任でお願いします。


幾つか切り続けているうちに、要領を得たのかキレイにムクロジナッツを取り出せるようになりました。

熟して乾燥したものは黄色っぽくて凝縮して小さくなっています。

いろいろなムクロジナッツ
きれいにとり出されたムクロジナッツ
いろいろな色・形・堅さのムクロジナッツ

食べる目的で、単にナッツを取り出すだけならば、剪定バサミで半分に割ってから、耳かきですくい出す渋皮も簡単に剥がれて効率的。

クセがないのに素直な旨味があってスイーツにしてもおつまみにしてもおいしいナッツです。

大量にとり出したムクロジナッツ
大量にとり出しムクロジナッツ

今回はとても大量にムクロジナッツ取り出しので、非公認ながらギネス記録になったような気がしました。(笑)

※個人的にはムクロジナッツを食べて、やや膨満感があったものの何ら問題は無かったのですが大量に食べて良いかは不明なので試してみたい方は自己責任でお願いします。

ムクロジの木 アラカルト

ムクロジは高さ15~20mになる落葉高木。葉は長さ30~70cmの大きな羽状複葉で4~6対の互生。小葉は長さ6~15cmの広披針形で偶数・奇数どちらも見受けられます。


羽状複葉:主脈の左右に小葉が羽状に並んでいる葉の形態のこと。

広披針形:平たく細長く、先の方が尖り、基部の方がやや広い形のこと。


初夏には爽やかな新緑が楽しめ、夏には大きな風通しの良い木陰を形成し、秋には美しい黄葉と有益な木の実が大量になり、冬には葉が落ちて陽だまりが楽しめるという事で海外では庭にムクロジを植えるのが人気になっている所もあるそうです。

さわやかなムクロジの林

雌雄同株で6月頃、長さ20~30cmの円錐花序を小枝の先につけ、淡緑色の小花を多数咲かせます。

主に実生で増え、発芽から実がなるまで9年かかるということです。


幹肌も樹齢によって風格が増して、異なった印象になります。

ムクロジの樹皮比較
ムクロジの大木の樹皮
ムクロジ大木の樹皮

老木になると樹皮が剥がれ、ささくれてきます。

ムクロジ老木のささくれた樹皮
ムクロジ老木の樹皮

材は細工物、器具や担棒、家具等に利用されるという事です。


一般的な果樹と同様に天候により、実のたくさん成る豊作の年と実りの少ない凶作の年があります。


冬に木の上に残るムクロジの実
真冬に木の上に残るムクロジの実

12月下旬、強風の吹き荒れた後に落ちたムクロジの実を見ると大粒の粒ぞろいばかりが目立ちます。

長い時間をかけて熟したはしっかりと育ったのか、秋に早々に落ちたと比べて大粒で充実しているものが多いようです。

木の上で完熟したムクロジの実
冬まで木についていた実(左)と
秋に落ちた実(右)

ムクロジの葉痕

葉痕(ようこん)とは、枝に残る葉がついていた痕のことです。目鼻などの表情に見えるものはその中の維管束の痕です。動物など、いろいろな表情を見せる葉痕は冬枯れを楽しくしてくれる存在です。特にオニグルミ葉痕羊に似てかわいいので人気です。

羊の皮を被ったオニグルミ >


ムクロジ葉痕はサルの顔みたいでちょっとユニークです。葉痕の上に冬芽が待機しています。

背が高くなる前の若い木だと観察しやすいです。

ムクロジの葉痕
ムクロジの葉痕

ムクロジの種子の発芽実験で育った我が家のムクロジの苗の様子です。

1年目のムクロジの葉痕
かわいいムクロジの葉痕
今年の春に発芽したムクロジの木の葉痕

厳冬期のムクロジの葉痕
寒波到来中の葉痕 青ざめています

1年目のムクロジの黄葉
今年発芽したムクロジの黄葉した落ち葉

ムクロジの発芽
種からのカルス栽培で発芽したムクロジ

ムクロジとムコロッシ 学名を探る

ムクロジの学名は
Sapindus mukorossi Gaertn.


sapo indicus (インドの石鹸)を意味する属名 Sapindus の後につく
mukorossi (ムコロッシ) は何やらムクロジと似ています。
それもそのはず、

mukorossi種小名ムクロジという日本名をラテン語化したことでムコロッシとなったようです。


種小名はその種の特徴をラテン語化して表す語で形容詞または名詞の形容形を用います。二名法という名字と名前のように属名と組み合わせることで世界共通の学名となります。


Gaertn.はヨーゼフ・ゲルトナー (Joseph Gärtner) という学名命名者を示しています。


でも何故インド原産無患子中国名をもつムクロジ日本名が使われたのでしょうか? それには、
カール・ペーテル・ツンベルク
(Carl Peter Thunberg)という鎖国期の日本にやってきたスウェーデン人医師・植物学者が関与しています。


かの分類学の父と称されたカール・フォン・リンネ (Carl von Linné)の弟子にあたる人物で、日本の医学・植物学の発達に貢献した出島の三学者の一人です。


ツンベルクは安永4年 (1775年) に出島商館付医師として来日、日本に1年数ヶ月滞在し、多数の標本を持ち帰り、それを基にFlora Japonica (日本植物誌 )を1784年に出版しました。そして、これが日本の植物研究の出発点となったそうです。


その標本の中にムクロジも含まれていました。そんな経緯があって日本のムクロジが西洋に周知されるようになったわけです。

ツンベルクのムクロジ標本
ツンベルクのムクロジ標本
ツンベルクのムクロジ標本 葉痕部拡大
ムクロジ標本 葉痕部拡大
まさしくムクロジの葉痕です

ムクロジの葉痕 >

ツンベルクのムクロジ標本 注記拡大
ムクロジ標本 注記拡大

標本 下部分 ↑ には
Mukoroffi. / Sapindus? No. 37
という注記が書かれている?
(ちょっと判別しにくいですが )

画像出典:Thunberg's Japanese Plants


Flora Japonica (1784年発刊) にはこのように記載されています。

Flora Iaponica 448pよりムクロジについての掲載部分 37. Sapindus, foliis alternis. ;Japonice: Mukoroffi.

画像出典:Flora Japonica (356p)

※ムクロジ属 互生 落葉 日本 ムクロジ という内容か?


ということで、Mukoroffi というこのラテン語名で西洋に紹介され、後にmukorossiという名前になったと思われます。


それにしても、江戸時代に作成された標本をこんなにもしっかり見ることができるなんて驚きです!!そしてこの膨大な資料を後世に残すためにご尽力された方々に感謝です!


参考・参照文献:
植物の学名を読み解く―リンネの「二名法」
Thunberg's Japanese Plants


また、ムクロジには西洋ムクロジ(Sapindus saponaria)という呼び名のアメリカ大陸産のムクロジもあります。こちらはムコロッシに対し、サポナリア (saponaria) と名付けられています。やはり、石鹸関連の名前がつけられていますね。


ムクロジ属 (Sapindus) は熱帯地域から温帯地域までに約15種が分布。子房の各室には1個の胚珠があり、果実は1〜3個の分果からなり、種子に仮種皮が無いのが特徴。
参考文献:園芸植物大事典 (小学館)

無患子に関することわざについて

無患子 (ムクロジ) は三年磨いても黒い

無患子の種子をいくら一生懸命磨いても黒いままで白くはならないことから、生まれ持った気質というものは、直せないものという意味合い。

また、労して功なきことや色の黒い者が化粧するのをからかったりする意にも用いられたそうです。


ことわざになっていたことにより、無患子 (ムクロジ) が昔は現在と違って身近にあったことがわかります。


同じような意味合いのことわざ
(カラス) は百度洗っても鷺 (サギ) にはならぬ とか、英語の
A crow is never whiter for washing herself often.
カラスがまめに体を洗っても白くはならない。 というものがあります。


が、ムクロジ好きの立場から言えば
無患子は三年磨けば輝きを増す、というように愚直に磨けば生まれ持った気質は宝石のようになる、というようなプラス思考のことわざがあっても良いのに、と思っています。(笑)

ムクロジの名前について

ムクロジには方言も含め、いろいろな呼び名があります。


ムク ムクロ ムクロジュ ムクロンジ ムクロウジ ムクデ ムイコロ ムクユ

これらのムクつながりは仏教と共に中国経由でムクロジ文化がやってきたために中国名の呼び名のムクロジからついたものと思われます。

それにしても、無患子は難読漢字に指定されているだけあって、これをムクロジと読むのは困難ですね。

ムクロジの名前のルーツ >


ツブ ツブナリ ツブノキ(粒木)という、木に実が粒なりについている様子から、そう呼ばれるようになったツブつながりは分かりやすいです。

特に、葉の落ちた、後にぎっしりと枝に実の残る様はツブナリです。


種子が黒いことから、実黒地(みくろじ)が変化してムクロジとなった、という説はシンプルで好きです。


石鹸の木というのはムクロジの果皮が石鹸代わりとして使われていたので、効能そのものの名前です。西洋でもソープナッツとかソープベリーとか呼ばれているのと同じですね。

モクゲンジとムクロジ

モクゲンジ (木欒子) というムクロジ (無患子) と同じムクロジ科で、属が異なる中国原産の樹木があります。

蕾をつけた初夏のモクゲンジ
蕾をつけた初夏のモクゲンジ

栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)とも呼ばれ、種子を数珠にすると言われているために寺院に植えられていることも多く、新緑がとても美しい木です。

モクゲンジの美しい芽吹き
新緑の美しいモクゲンジ

欒樹 (ムクレンジノキ) モクレンジムクレニシとも呼ばれます。


センダンの古名ともあります。

紫色の花をつけるセンダンの木
センダンの花
参照:紫色の花をつけるセンダンの木

下から仰ぎ見たモクゲンジの羽状複葉の葉
下から仰ぎ見たモクゲンジの葉

このモクゲンジムクロジは同様に羽状複葉の葉をつけ、堅い黒い実がなる高木で、似た雰囲気の木ということもあってか、昔から混同されてしまった経緯があり、とてもややこしい関係にあるのです。

モクゲンジの実と種
モクゲンジの実と黒い種子
photo by: BETTY

例えば、今昔物語に登場する木連子モクゲンジの事ではなくムクロジの事と思われます。

さかのぼってみると、数珠の起源が記されている木槵子 (モクゲンジ) 経モクゲンジあたりから名前の識別に混沌が生じて、今日に至っているように見受けられます。

これらについての考察はコチラ

仏説木槵子経の木槵子とは?


更に言うなら、

オオモクゲンジ (フクロミモクゲンジ) というモクゲンジとよく似ているムクロジ科の木もあり、葉はモクゲンジより大きくギザギザの切れ込みがありません。種子の形モクゲンジよりムクロジに似ています。

モクゲンジの種子ムクロジと比べるとかなり小粒の種子です。

フウセンカズラとモクゲンジとオオモクゲンジとムクロジの種子の大きさの比較
種子の大きさの比較

発芽前の割れ込みの入ったムクロジの種子と形が似ています。

オオモクゲンジとモクゲンジの種子拡大写真
モクゲンジ(左)とオオモクゲンジ(右)の種子

どちらもの構造はフウセンカズラと似て、3室に分かれた風船状の袋の中央部に種子がつきます。

オオモクゲンジとモクゲンジの実と種子
モクゲンジ(左)とオオモクゲンジ(右)の実

モクゲンジの種子は1室に1〜2個の種子がなります。

因みにフウセンカズラムクロジ科の植物で未熟な時のムクロジの実も同じ構造です。

ムクロジの花 受粉後 >


モクゲンジの種子とその断面の精細な写真が掲載されているすばらしいページがありましたので興味のある方はご覧になってください。

モクゲンジ種子 フラボンの秘密の花園

種子の中が経巻の形!? に見えます。


モクゲンジとオオモクゲンジの花

Golden rain tree という英名を持つだけあって、黄金色の花が一斉に落ちる様子は金色の雨に例えられます。花には赤いハート形のチャームポイントがあり、ムクロジの花より色鮮やかで美しいです。


モクゲンジの花期は6月中旬から7月中旬で秋に種子が熟します。

美しい黄色の花は目薬黄色の染料としても使われるそうです。


オオモクゲンジの花は初秋に開花しピンク色の風船状の果実と黄金色の花が一緒に見られるため、観賞用として人気があります。風船状の果実はモクゲンジと比べて大きめで丸い感じです。

花と実の美しいオオモクゲンジ
美しいオオモクゲンジの花
花と実の美しいオオモクゲンジ
photo by: Mauroguanandi

 オオモクゲンジの発芽

拾ったオオモクゲンジの種子をまいてみたところ発芽しました。

オオモクゲンジは元々種子が小さいためムクロジと比べるとボリュームに欠け、ちょっと毛深いですが発芽の様子はよく似ています。

オオモクゲンジの発芽
オオモクゲンジの発芽 本葉が出てきた様子
オオモクゲンジの発芽 本葉が出てきた様子拡大写真
オオモクゲンジの発芽

ムクロジの発芽 >

仏説木槵子経の木槵子とは?

仏説木槵子経(ぶっせつもくげんじきょう)という中国の東晋の時代に訳されたお経によれば、木槵子数珠の起源となったようです。簡単な説明は

数珠のルーツ >


しかし探ってみると、この木槵子経の指す木槵子無患子 (ムクロジ) 木欒子 (モクゲンジ) のどちらを意味していたのかはっきりしません。

というのも、かつて日本では無患子木欒子を同一視していたり、名前を相互に取り違えてしまった経緯があるからです。

室町時代の書物 世諺問答には木連子という表記でムクロジの種子を使い羽根つきの羽根を作ることが記されています。

ムクロジとモクゲンジ名前の由来 (説)

ムクロジの名前の変遷:

参照 ムクロジの名前のルーツ:桓→
木桓子→木患子・木槵子 (モクカンシ) 間違えて→モクゲンジ→訂正→無患子 (ムクロジ)


モクゲンジの名前の変遷:

木欒子 (モクランシ) →モクロシ→間違え→ムクロジ→訂正→木患子 (モクカンシ) →モクゲンジ→木欒子 (モクゲンジ)


ムクロジとモクゲンジ
どちらが数珠の起源の木槵子?

広辞苑・広辞林には
欒樹(もくげんじ):球形の種子は数珠玉に用いと記載されています。

広辞林によれば、木槵子ムクロジの漢名で本来は誤用、とも。

そして、無患子には数珠玉に関する記載がありません。ということで、木欒子の種子こそが数珠の起源ということになっているようです。


しかし、お釈迦様が108個もの木の実を拾って、数珠を作るように諭されたのだとしたら中国原産の異国の木欒子より、インドの石鹸と呼ばれた地元の無患子の方が馴染みがあったのでは?そもそも、ありがたい話をでっちあげただけかも。などと思考錯誤?の憶測状態。この2種の樹木は分類上も近いので、昔の方も混乱してややこしい関係になってしまった模様です。

中国では唐代から数珠に用いられていた、とも言われています。


ムクロジモクゲンジ、どちらも堅くて黒い種子でありがたい雰囲気なので、無理に白黒つけず、どちらも黒々ということで良しということにしようとしたのですが、すっきりとしません。そこでモクゲンジの種子を手に入れ、実際にそれぞれの種子数珠とした場合はどうであろうかと調べ、考えてみました。


すると、ご自宅でモクゲンジの栽培をし、自らモクゲンジの種子で数珠作りに挑戦されて見事に成功させたという興味深い記事「数珠」を作る に出会いました。


その中で、とても引っ掛かる一文が目に留りましたので以下引用させていただきます。
ある学者の文献には「モクゲンジの実で数珠を作ると色々の書物には書いてあるが未だ実物を見た事が無い とありました…(引用ここまで)


そう綴った後に、モクゲンジの種子の数珠作りに果敢に挑戦され、その経過を記録されています。

モクゲンジの花が咲いて種子ができるまでの生長過程から、数珠が完成するまでの様子がよくわかります。並大抵の人であったら作るのを断念してしまうような作業です。

それにしても自宅の庭で採種した種子数珠を作り上げてしまうとは素晴らしい。興味のある方はご確認ください。


さて、手に入れたモクゲンジの種子を実際に数珠を持つように手の指で触ってみると、思いの外小さくて触り心地が良くありません。デコボコ色ムラも気になります。


堅いけれど殻が薄くて割れやすい上に滑りやすくて扱いづらいです。

堅牢性も耐久性も無さそうです。

前述にある学者の方が文献の中で述べている通り、モクゲンジの種子で数珠を作るのは定説になっている割には普及してなかったのでは?と思えてきます。


ムクロジの種子の場合、108個連ねると長過ぎる感もありますが、平安時代の物と思われる法隆寺献納宝物の金剛子念珠は約92cmありますのでそれもアリかなと思えるのです。


また、今昔物語集 巻第十九 第十二 於鎭西武蔵寺翁出家せる語の中に「木連子念殊大キ長キヲ押攤 (おしもみ) テ居タルハ」と表現があります。

参照文献:実践女子大学学術機関リポジトリ
     今昔物語集 巻19 pdf 47p

大きいという事は木連子ムクロジの事で、モクゲンジではないと判断できます。そして、念珠は長いものであっても不自然でないと解釈しても良さそうです。


ムクロジの種子の大きさや堅牢さ・重さ・質感・見た目や品位、そして何より触り心地モクゲンジの種子のそれには無いものです。


繰り返し手で触れば触るほど磨かれて美しく黒光りし、宝石のようになるムクロジの種子数珠として使うのにはちょうど良い素材であったように思えてなりません。


以上の推測(憶測?)により、仏説木槵子経木槵子ムクロジの種子を指しており、数珠の起源であったと解釈したいと思います。

ムクロジの四季

ムクロジの新芽
ムクロジの新芽
ムクロジの芽吹き
羽状複葉のムクロジの新芽
羽状複葉のムクロジの新芽

ムクロジの葉羽状複葉と言われるだけあって羽の形に似ています。

羽状複葉のムクロジの新緑
羽状複葉のムクロジの新緑拡大写真
ムクロジの若葉 葉脈写真
ムクロジの新緑
ムクロジの若葉
ムクロジの若葉

初夏のムクロジの林
さわやかな初夏のムクロジの林
初夏のさわやかなムクロジ林

梅雨頃に咲くムクロジの花
梅雨頃に咲くムクロジの花

初秋に目立つようになってきたムクロジの若い実
初秋 実が目立つようになる

ムクロジの葉は秋から初冬にかけてきれいに黄葉します。

黄葉し始めたムクロジの木
黄葉したムクロジの木
黄葉したムクロジの木
黄葉の頃、枝先に実るムクロジの実
秋に枝先に大量に実るムクロジの実拡大
ムクロジの黄葉
ムクロジの黄葉拡大

冬になると大量の葉を落とし、枝先に残った実が目立つようになります。中には春先まで枝に残っているものもあります。

実をつけたムクロジの木
枝に実を残すムクロジの木
葉を落とした冬のムクロジの木

ムクロジの落ち葉
長い葉柄と共に大量に降り積もる
ムクロジの落ち葉

ムクロジのつぶらな瞳輝くベンチ

ムクロジの種子を目にした動物に見えるクリで作った椅子が設置されている草原

朽ちてしまったクリの木を利用してベンチを作ることになりました。

動物みたいなおもしろい形のベンチにムクロジの種子として入れてみると画竜点睛!なかなかの目力でイケてます!(笑)

ムクロジの種子を目にした動物に見えるクリで作った椅子
ムクロジの種子を目にした動物に見えるクリで作った椅子拡大

偶然、遠足で訪れた小学生達は設置したてのベンチに大喜び!

ベンチの設置場所は埼玉県飯能市の細田地区大仁田山登山道沿い

大仁田山へのアクセス >


超ローカル名奥武蔵のシャングリラとか奥武蔵のマチュピチュと呼ばれる高度感のある開けたエリアです。

興味のある方は、ハイキングにきてくつろいでみてください。

空気の澄んだ日には東京スカイツリーも見ることができます。

大仁田山登山道で一番眺望の開けた草原
大仁田山コースで一番眺望の開けた草原

夏にタマムシルリボシカミキリオオセンチコガネなどの昆虫にも出会うことができました。カモシカシカも一年中出没している自然豊かな環境です。

草原に設置された有機的な形の椅子

このエリアの詳しい情報はコチラ

天空の畑 奥武蔵のシャングリラ >

ムクロジを使ったクリスマスリース

ムクロジの種子クリスマスリースの飾りを作ってみました。

ムクロジの種子の加工は堅くて滑りやすいのがネックです。

そこで、粘着面が外側になるように布タイプのガムテープで種子を巻き、滑らないように設置して、一文字の切れ込みにおしゃれな金色の真鍮くぎを打ち込んでみました。

ムクロジの飾り

アクリル樹脂系の塗料やマニュキアなどで着色して乾燥させると、かわいい赤い木の実に大変身。

束ねて使うと見栄えがします。

ムクロジの種子を赤く塗った飾り

アケビの蔓にヒイラギシダーローズ(ヒマラヤスギの実)、ゴンズイの実パンパスグラスムクロジの実などをあしらってみました。

ムクロジを飾りつけたクリスマスリース

生の赤い実はしぼんだりシワがよってしまうので長期間飾るのには不向きですが、ムクロジの種子は丈夫で耐久性がありナチュラルで大きさも手頃なのでクリスマスリースの飾りにマッチしているのでは?

松ぼっくりドングリ等いろいろな木の実と組み合わせるとゴージャスです。赤い色にした時は緑色をいれると引き立ちます。

天然の木の実を飾り付けたクリスマスリース

ムクロジ科の魅力的な植物

ムクロという響きのせいで、何となくイメージが悪く損をしている感のあるムクロジですがイメージアップを兼ねてムクロジ科の植物で魅力的なものをご紹介します。


トロピカルフルーツとして人気のあるレイシライチーリュウガンランブータンムクロジ科の果樹です。

さすがに同じ科だけあって構造がよく似ています。しかも美味!

ライチーの果実
レイシの果実
photo by Luc Viatour
リュウガンの果実
リュウガンの果実
photo by Surukuku (Nelson Ramos-Lopes)
ランブータン果実
ランブータン果実
photo by Surukuku (Nelson Ramos-Lopes)

縁起の良いフウセンカズラ

割と身近に見ることのできるユニークなフウセンカズラも意外にもムクロジ科の植物です。小さな種子は形がかわいらしくお猿さんみたいです。

フウセンカズラの種
フウセンカズラの種
写真の出典:野に咲く花の写真館

ハート形の模様から恋愛成就のお守りにもなるとか。

つる性植物なので、夏の日除けに緑のカーテンとしても人気があります。


フウセンカズラの発芽

フウセンカズラの種子殻を破る姿を観察してみました。ハートの上からを出すんですね。びっちりでと生えた毛細根がフカフカです。

フウセンカズラの発根
フウセンカズラの発根
フウセンカズラが種子から発芽する様子
種子から発芽する様子

通常通り発芽させると小さな種子の割に大きな双葉を出し、ムクロジとよく似た力強い発芽の姿です。

フウセンカズラの発芽する様子
フウセンカズラの発芽

フウセンカズラの生長については下記のページに記載していますので興味のある方はご覧になってください。

フウセンカズラの生長 >


フウセンカズラの実
フウセンカズラの実

フウセンカズラの種子で厄除け

このかわいいフウセンカズラと縁起の良い南天の枝を使った南天九猿

南天=難転、九猿=苦去、合わせて南天九猿=難転苦去(ナンテンクサル)難が転じて苦が去るという願いが込められている心優しい工芸品です。

南天九猿
南天九猿拡大写真
心優しい願いが込められた 南天九猿

フウセンカズラに興味を持たれた方は上記写真出典元の野に咲く花の写真館に詳しく説明がありますので、訪れてみてください。

※写真は画面の都合上トリミングしております。

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不思議で楽しい植物の世界 ムクロジ